学校日記

憲法学習での話

公開日
2014/05/01
更新日
2014/05/01

校長室から

 開校記念日より二日前の5月3日,新しい日本国憲法が制定され,その日は憲法記念日に定められました。この憲法には,大事な考えが三つあります。それは「国民主権」と「戦争放棄」と「基本的人権(じんけん)の尊重(そんちょう)」です。今日はこのなかから基本的人権についてお話しします。
 この「人権」というのは,世界の国々が認め,日本国憲法でも保障された権利です。人権とは漢字で「人の権利」と書きますが,生まれながらに人間が持っている権利です。みんなが「自由に生きる権利」,「平等に生きる権利」そして,「幸せに生きる権利」のことです。
 人はただ生きてゆくというだけではなく,人間らしい生活をしてゆかなければなりません。この人間らしい生活に必要なもの,それが「自由」と「平等」です。われわれは,人間である以上みな同じです。人は誰もが,大切な存在として,この世に生まれてきます。かけがえのない命の誕生です。世界中にたった一人しかいない自分,たった一度の人生,大変価値ある存在です。そして,そのことは誰にも等しく言えることです。人間の価値(命)に,どっちが上とか下とかはありません。みな同じ人間であるならば,生きてゆくのに,差別など受ける理由はないのです。いじめや仲間外れを受ける理由などないのです。お互いの個性,短所や長所を尊重し合い,差別のないことを「平等」といいます。憲法は,自由とともに,この平等ということをはっきりと定めています。

 今日は『ひびわれ壺(つぼ)』というお話を紹介します。
 「インドのある水汲み人足は2つの壺を持っていました。天秤棒の端にそれぞれの壺をさげ,首の後ろで天秤棒を左右にかけて,彼は水を運びました。その壺のひとつにはひびが入っています。もうひとつの完璧な壺が,小川からご主人様の家まで一滴の水もこぼさないのに,ひび割れ壺は水をいっぱい入れてくれても,ご主人様の家に着くころには半分になっているのです。
 完璧な壺は、いつも自分を誇りに思っていました。なぜなら,彼がつくられたその本来の目的をいつも達成することができたから。ひび割れ壺はいつも自分を恥じていました。なぜなら,彼がつくられたその本来の目的を、彼は半分しか達成することができなかったから。
 二年が過ぎ,すっかり惨めになっていたひび割れ壺は,ある日,川のほとりで水汲み人足に話しかけました。
『私は自分が恥ずかしい。そしてあなたにすまないと思っている。』
『なぜそんなふうに思うの?』水汲み人足はたずねました。
『何を恥じているの?』
『この二年間,私はこのひびのせいで,あなたのご主人の家まで水を半分しか運べなか った。水が漏れてしまうから,あなたがどんなに努力をしても,その努力が報われるこ とはない。私はそれがつらいんだ。』と壺は言いました。
 水汲み人足は,ひび割れ壺を気の毒に思い,そして言いました。
『これからご主人様の家に帰る途中,道端に咲いているきれいな花を見てごらん。』
 天秤棒にぶらさげられて丘を登っていくとき,ひび割れ壺はお日様に照らされ美しく咲き誇る道端の花に気づきました。
 花は本当に美しく,壺はちょっと元気になった気がしましたが,ご主人様の家に着くころには,また水を半分漏らしてしまった自分を恥じて,水汲み人足に謝りました。
すると、彼は言ったのです。
『道端の花に気づいたかい?花が君の側にしか咲いていないのに気づいたかい?僕は君からこぼれ落ちる水に気づいて,君が通る側に花の種をまいたんだ。そして君は毎日,僕たちが小川から帰る途中水をまいてくれた。この二年間,僕はご主人様の食卓に花を欠かしたことがない。君があるがままの君じゃなかったら,ご主人様はこの美しさで家を飾ることはできなかったんだよ。』

どうでしたか?皆さんの中には完璧な壺のような人もいるかもしれません。でも,先生もそうですが,ほとんどの人は,それぞれのひび,つまり見方によっては欠点や短所をもっています。でも,ひびがあるからこそ,欠点や短所があるからこそ,人間であると言えるのかもしれません。
 欠点や短所というと,悪いイメージです。でも,欠点や短所というのは,裏返してみると,長所になります。たとえば,先生は,気が短かく飽きやすいというひび,欠点をもっています。でも,これは裏返すと,次々と新しい物事に取り組むという長所にもなります。人によっては,この逆もあるでしょう。
 人はみんな,自分と同じではありません。それぞれ得意なところ苦手なところも違います。人は失敗するときもあればうまくいくときもあります。誰もが間違いを犯すものです。間違いを受け入れ反省することが大切です。そこから学び先へ進むことが大切です。
 人は一人では生きていけません。多くの人に支えられながら生きていくのです。お互いを支え合う,高め合う,そういう人間関係づくりをしていくことが自分自身を大切にすることであり,他人(ひと)や仲間を大切にすることにつながります。ぜひ友情を育み,誰もが生き生きと楽しく生活し学ぶことが出来る学学校をみんなの手で築いて欲しいと願っています。
以上で先生の話を終わります。