学校日記

人権講話「わたしのいもうと」を読んで

公開日
2013/10/28
更新日
2013/10/28

校長室から

〜一部抜粋〜
 私たちはだれでも「自分の能力を発揮して勉強や仕事をしたい」「健康で楽しく過ごしたい」「豊かで幸せになりたい」と願っています。これは自分の幸せを願い,求めることであり,それは周りの人に対しても同じことです。誰もそれを邪魔することは許されません。これを「人権」と言います。自分はもちろん,自分以外の人も『人間らしく安心して幸福に生きる権利』のことです。(中略)
 このことを学校生活の中で考えると,『相手を思いやること』になります。「仲間はずれ」や「いじめ」は相手を思いやっていないことから生じる人権に関わる問題です。
 みなさんは、人がいやがることを言ったり、やったりしたことはありませんか?
 軽い気持ちや冗談のつもりでも相手にとっては、とても辛く悲しいことなのです。6月に生徒会が中心になって「いじめ追放シュプレヒコール」で訴えてくれましたね。しかし,残念なことですが,友だちを無視したり,よくない言葉で困らせたり,冗談といいながらことばや体の暴力をしたりということがありました。もし,思い当たることがあれば,今すぐにやめましょう。そして,「ごめんね。」と謝りましょう。
 松谷みよ子さんという絵本作家の方がおられます。本校の図書館にも何冊か絵本があります。松谷さんが書いた「わたしのいもうと」といういじめを題材にした詩があります。

この子はわたしのいもうと
むこうをむいたまま ふりむいてくれないのです
いもうとのはなし きいてください  
今から7年まえ 私たちは この町にひっこしてきました
トラックにのせてもらって ふざけたり はしゃいだり  
アイスキャンディーをなめたりしながら
いもうとは  小学校4年生でした  

けれど てんこうした学校で あのおそろしいいじめが はじまりました  
ことばがおかしいと わらわれ とびばこができないと いじめられ
クラスのはじさらしと ののしられ くさいぶたと いわれ  
ちっともきたない子じゃないのに 
いもうとがきゅうしょくをくばると うけとってくれないというのです 
とうとう だれひとり口をきいてくれなくなり  ひと月たち ふた月たち  
えんそくにいったときも いもうとは  ひとりぼっちでした  
やがて いもうとは 学校へいかなくなりました

ごはんもたべず  口もきかず  いもうとはだまって  どこかをみつめ
おいしゃさんの手も  ふりはらうのです  
でもそのとき いもうとのからだに つねられた あざが たくさんあるのが わかったのです 

いもうとは やせおとろえ このままでは いのちがもたない といわれました
おかあさんがひっしで かたくむすんだくちびるに スープをながしこみ 
だきしめて だきしめて いっしょにねむり  
子もりうたをうたって ようやく いもうとは いのちをとりとめました  

そして まいにちが ゆっくりとながれ  
いじめた子たちは 中学生になって セーラー服でかよいます
ふざけっこしながら かばんをふりまわしながら  
でも いもうとは ずっと へやにとじこもって 
本もよみません レコードもききません
だまってどこかを 見ているのです ふりむいてもくれないのです

そしてまた  としつきがたち  
いもうとをいじめた子たちは 高校生 まどのそとを とおっていきます  
わらいながら おしゃべりしながら

このごろ いもうとは おりがみを おるようになりました  
あかいつる あおいつる しろいつる つるにうずまって
でもやっぱり ふりむいてはくれないのです 口をきいてはくれないのです

かあさんは なきながら となりのへやで つるをおります
つるをおっていると あの子のこころが わかるようなきがするの
くさはらにすわると いつのまにか わたしもつるを おっているのです
ある日 いもうとは ひっそりと しにました 
つるを てのひらにすくって はなといっしょに いれました
いもうとのはなしは これだけです

この詩は松谷みよ子さん宛に届いた一通の手紙をもとに書かれ,絵本になっています。ぜひ,読んでみてください。人を傷つけるのは一瞬でも,傷つくのは一生。その痛みを抱えて生きる辛さを知ってほしいと思います。そして「考えよう 相手の気持ち 育てよう 思いやりの心」の意味をしっかり学び,一人一人が自分を大切にすると共に「人」も大切にできる,人権を大切にするのが当たり前の学校や社会を築く「行動力」につながる学習にしてください。