人権講話の要旨
- 公開日
- 2017/12/07
- 更新日
- 2017/12/07
校長室から
12月4日から人権週間が始まりました。人権ということについて、今年もこの時期に集中して考えてみましょう。
まずは最初のムービーを観てください。このムービーで、「知らん顔をせずに」「ちょっとした勇気を」と呼びかけています。ところで、このCMが流れたのは、いつ頃だと思いますか? 実は1986年のものです。今から31年前です。このころ中学生だった人はもう40代です。みんなのお父さんお母さんの年代ですね。
そんなに前から今まで・・。それがいじめの問題です。いじめは差別につながります。いけないことだと言われても、形を変えて、言葉を変えて、次々と起こります。
肌の色や民族や国籍、障がい者、高齢者、男女の差別、性的少数者=セクシャルマイノリティといわれる人への差別。
この写真の人は衆議院議員でいわゆる政治家です。最近こんな発言をしました。「国賓でもパートナーが同性だったら晩餐会の出席に反対だ、日本国の伝統に合わない」と。
次の人も国会議員で、アフリカへの支援活動をしている同僚議員に対して「なんであんな黒いのが好きなんだ」と言いました。
最後のこの人は参議院議員で、「女性が4人子どもを産んだら表彰しましょう」。女性は子どもを産むことが仕事と言わんばかりの発言でした。
人種差別、性的少数者への差別、女性への差別。こんなことが政治家と言われる人の口からまだ出る。残念なことです。
ここで少し「性的少数者」についてお話しします。性的少数者の問題を、その頭文字を取ってLGBTといいます。
・Lはレズビアン=女性の同性愛です
・Gがゲイ=男性の同性愛
・Bはバイセクシャルで両性とも愛せる
・Tはトランスジェンダーで性同一性の不一致のことです。
ところで、あなたの友達に左利きの人はいますか? AB型の友達はいますか?と聞いたらどうでしょう。そう、「いるにきまってるやん」という返事ですね。ではあなたの友達に、今言ったLGBTの人はいますか?と聞けばどうでしょう。
実は日本では、自分を「LGBT」と認めている人は全体の7.6%だそうです。13人にひとりです。普通に世の中に存在する。でもなかなか周りの理解は進みません。最近になって学校や公共施設でも、そういう意味の「ジェンダー」の取組が進んでいます。
掲示物や名札のシールを男女で色分けするのをやめています。制服は、女子もズボンを選べるようにしています。名前の呼び方は どの子も「さん」付けで 呼んでいます。多目的トイレや職員用トイレの使用を認めています。
先ほど、東京で最初に認められた同性のパートナー証明書。男女の夫婦と同等の権利を認めています。少しずつでも世の中は確実に進歩しているし、そのことに希望を持ちたいですね。
次にムービーを観てください。アメリカのバーガーキングという、マクドナルドと並ぶハンバーガーの会社が作りました。いじめをなくそうと訴えたムービーでユーチューブであっという間に広がり、世界中で話題になりました。
動画では、まず、子役の中学生たちが1人をいじめ出し、「お前、友達いないんだろ」「ここで何してるんだよ」などと暴言を浴びせます。さらに飲み物をわざとこぼしたり、彼を突き飛ばしたりと、いじめは徐々にエスカレートします。ここで周りの大人たちがどう反応するかを観察するのですが、なかなか止めに入る人は出てきません…。
続いて、店内でバーガーキングの看板メニュー「ワッパージュニア」を注文した客がドッキリのターゲットになります。店員がハンバーガーにパンチし、ボロボロになった状態で提供されたハンバーガーに、客のほとんどが、店員に対し取り替えてほしいと掛け合います。
客 :バーガーがグチャグチャだったんだけど。
店員:お客さまが注文されたのはいじめられたワッパージュニアですか?それともいじめ られてないワッパージュニアですか?
客 :ワッパージュニアをいじめた??あんた何言ってるんだ?
店員:まあねと言いながら、悪びれる様子もなく、再び拳でワッパージュニアをぐちゃぐ ちゃにする。
謝るどころか、開き直ったような店員の態度に、唖然とする客や、余計に怒り出す人など、反応はさまざま。ムービーでは次のようなテロップでドッキリの結果を説明しています。
「いじめられる中学生(スクールジュニア)」を止めに入ったお客さんの割合は12%だった。一方、「いじめられるワッパージュニア」を見て声を上げたお客さんは95%だった。もちろん純粋に比較できる内容ではないけれど、自分に関与しない問題(いじめ)に出会ったときに、声をかけた人は12%とごくわずかだった・・・。
確かにハンバーガーと子供を比べるというのは少し強引な感じはしますが、ムービーの冒頭で子供たちが「ほかの人のために立ち上がるのは難しいんだ、だってターゲットになると思うから」「なにもしないのは簡単なこと」と話しています。
大人でも止めに入るのは勇気がいることで、12%しか行動することができないことだったのです。
しかし、いじめを止めようと、いじめられた中学生に話しかけ、ともに食事をする女性の様子が映し出されます。いじめた子を叱るわけではなく、いじめられた男の子に「大丈夫?」と声をかけている彼女の行動に心が打たれますね。
自分がいじめに出会ってしまったとき、知らない振りをするのは簡単なことですが、一言だけでも言葉をかけてあげることの大切さが伝わってくる動画だと思います。
もう一つムービーを観てください。バス停で女の子が同級生二人にひどいことを言われて、いじめられます。バス停に立ち寄った大人達がどんな反応をするでしょうか?
先ほどのバーガーキングのムービーの最後では、実際にいじめにあったことのある男性が「人の助けが大きなサポートとなった」と語っています。バス停ではたくさんの人が女の子に声をかけていました。
もし、自分が力になれるなら・・・あなたは声をかけられますか?「自分が変わればきっと解決できる」と先生は思います。今日からの人権学習で、たくさん話を聞いて、しっかり自分の考えや思ったことを伝え合いましょう。