学校日記

これからの英語教育について

公開日
2016/03/02
更新日
2016/03/02

校長室から

                  京都市立日野小学校  山本 泉

 今,教育現場では英語教育の在り方が見直され,小学校においても英語科の導入に向けて進んでいます。これまでの日本の英語教育は中学校から高等学校にかけての6年間実施されてきており,大学へ進学するとさらに2年間英語を学ぶシステムになっていました。 これは,語学を学ぶ期間としてはかなり長い期間であるといえます。従って,高校3年生の教科書などはかなりのハイレベルの文章が取り扱われています。しかるに,大学を卒業してさえも実際に英語が使えない人が多いのが事実です。(私も含めてですが…。)特に,読み書きはある程度できるけれども会話ができない,というのが一般的な傾向であるといわれます。
 もともと日本人は,他国に比べて最も外国語の苦手な国民といわれています。それにはいくつかの理由があります。日本語が他の外国語と比べて圧倒的に母音の数が少ないことで,日本人の耳が外国語を聴き取ることができにくくなっているというのも大きな理由の一つですが,外国語が苦手な最大の理由は,日常的に外国語に触れる環境がひじょうに少ないことであるといわれています。もちろん,英語に関して言えば6〜8年間も英語教育を受けているわけですから,決して英語に触れる機会が少ないとはいえないかも知れません。
 しかしそれは,英語を「学ぶ」機会が多いのであって,英語に「慣れる」機会が多いのではありません。ですから例えば,英語で書かれた文章はある程度読むことができるし,文も作れるという人は結構多いと思います。しかし,会話となると全く状況が変わってしまいます。ネイティブの発音は聴き取れないし,言葉を発そうとすると頭の中が文法で固まってしまうというのが実態です。
 そこで,日本の外国語教育そのものが見直され,小学校でも「外国語活動」が採り入れられるようになりました。これは,外国語を学ぶというよりも外国語に慣れることに重点を置いています。そして,今,やはり英語が大事だということで動き出しています。
 ある言語学者のお話では,小さい頃に外国語に触れさせておくと,頭脳に言語痕跡が残されて,たとえその外国語を覚えていなくても,後に学ぶときに驚くほど速く上達するということでした。
 一般にヨーロッパの人は語学の上達が早いといわれますが,これも,多くの国が隣接していて往来が頻繁なことから,他の国語に耳慣れているからだという説もあります。島国である日本では難しいことですが,外国語に慣れる環境づくりは学校だけではなく,テレビの語学番組や外国映画等を聞かせてあげることでも十分だそうです。それも強制的にではなく,いかにも自然に語学環境を作ってあげることが大事であるといわれています。
 もちろん学校でも英語に慣れるよう環境づくりを進めています。イングリッシュシャワーの取組として,廊下の掲示板に英単語を掲示したり,給食時間に放送で英語の歌を流したりしています。私自身も,子ども達の前でギターを弾いて英語の歌を歌ったりしました。
 どうぞご家庭でも外国語,特に英語に触れる機会を増やしていただけたらと思います。
 一年間,ありがとうございました。