考え方に違いがあることに気づかせる
- 公開日
- 2015/12/07
- 更新日
- 2015/12/07
校長室から
京都市立日野小学校 山本 泉
昔から,「両親のしつけ方や考え方が違うと子どもは混乱してしまう。」といわれてきました。しかし,最近は必ずしもそうではないという考え方が主流になってきています。
もちろん,両親が激しく仲たがいしているとか,背中を向け合っているとかいうことであれば,それは子どもの健全育成にとって決して良い環境とはいえませんが,そうでないのなら,むしろ両親の意見に多少の食い違いがあるほうが,子どもは自分で考えるようになるというのです。
社会的にそれなりの地位にいると思える人の中でも,多くの人が「必ずしも父と母の仲は良くなかった。」と言っていたり,「自分が今日あるのは,子どものころに両親の仲が良くなかったおかげだ。」とさえ言ったりしているような調査結果があるそうです。
正確にいえば,仲が良くなかったから,というのではなく,自分の主張もなく慣れ合った暮らし方をしていなかったということだろうと思いますが,納得のいかないことはとことん議論し合い,場合によっては子どもの前でも言い争う場面があってもよいということです。つまり,しつけなど,子どもに対する時も同じで,子どもが何かをしでかしたとき,父親はひどく怒り,母親は笑ってすませるということもあり得るということです。
確かに,保護者と学校の教師の教育に関しての考え方が同じ方向を向いていないと,子どもへの指導は入らないといわれますし,これはその通りだと思います。しかし,両親の間においては必ずしもそうではありません。
「お父さんはこう思う。」「お母さんはそう思わない。」「じゃあ,あなたはどう思う?」というように,自分が考える機会をつくることも大事であるということです。
両親が議論し合う場面を見ているうちに,子どもは,人にはいろいろな考え方がある,ということを知るようになります。お互いに批判精神を持ち合うことの大切さも,おぼろげながらわかってきます。そして,自分で考え,わからないときには本を読んだりして何かの手がかりを得ようとする習慣を身につけることにもつながります。
核家族化が進み,多くの大人から刺激を受けにくい今の子どもたちは,父親と母親の考え方の違いをはっきりと教えるほうがよいというのです。
もちろん,幼児のころにはあまり両親の意見が違うと混乱してしまいますが,小学生以上の子どもに対しては,必ずしも一致したしつけは無用であるというのが最近の考え方のようです。