習い事について
- 公開日
- 2015/07/03
- 更新日
- 2015/07/03
校長室から
京都市立日野小学校 山本 泉
比較的裕福で,なおかつ家庭の教育力も高いと思われるお家にありがちなことですが,月曜から土曜まで何かしら習い事に行かせているという家庭が結構たくさんあります。実はこういうやり方は決して望ましくない教育であるということが,最近特にいわれるようになりました。
昔から「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように,「自分でやりたい」という思いがあるからこそ才能が育つのであって,親の都合で一週間のプログラムをつくって学ばせても,子どもは思うように育ってはいかないようです。
あるお母さんが,「自分は小さい時から毎日ずっと習い事をしていました。ですからおかげ様で成績はずっとトップクラスでしたし,いろいろなことが他の人よりよくできました。でも,そんなことは社会に出てから何の役にも立っていません。それどころか,何事も人より良くできたことからプライドだけがやたら高くなり,できないことが多い人を見下したり馬鹿にしたりして,人として本当に大事な部分が見えなかったことに大人になってから気づきました。しかも,未だにそういう感覚が消えなくて,人づきあいがうまくできないことがあります。」とおっしゃっていました。そのお母さんは,幼児教育,早期教育には絶対反対であるともおっしゃいました。
幼児教育,早期教育そのものが良くないわけではありませんが,このように平均的に何でもみんなやらせておいてあげれば,その中から子どもの才能が育つだろうという教育を「レベル教育」といい,これは決して良い結果は生まれない方法だといわれています。ほとんどの場合,子どもは一つも興味を見出さないからです。
こういうやり方ではなく,子ども自身が学びたいというものをつくるようにしてからそれを学ばせるほうが,その子の才能を引き出し,さらに伸ばすことにつながるようです。
どんなことでも,親が習わせたいだけで通っている子は長続きしないことが多いと思います。子ども自身が「やりたい!」という気持ちがあってこそ長続きし,上達もするということです。
また,世の中が求めているのは何でもできる「ゼネラリスト」ではなく,一つのことが特に優れている「スペシャリスト」です。これからの世の中は,専門性を身につけることが大切です。個性が必要とされます。そして,他の人と違った自分の考えを持っていることが要求されます。
習い事自体を否定するわけではありませんが,親の思いだけでむやみに習い事をさせて,子どもの個性をつぶさないように気をつけたいものです。