手先を使うことと脳の発達について(2)
- 公開日
- 2015/06/03
- 更新日
- 2015/06/03
校長室から
京都市立日野小学校 山本 泉
前回の「校長室だより」で,手先,指先を使うような機会を積極的に与えることが,子どもの知的発達にとって大切であるというお話をしました。そのことについて,もう少しお話を進めたいと思います。
まずひとつ,手先を使う訓練として絶好の例が,箸をうまく使うということです。
「何を今さら。」と思われるかも知れませんが,これが実は正しく使えていないことが大変多いのです。箸には「挟む」「切る」「分ける」といった様々な動作を,細かい米粒大のものにまで精密に行うことができる能力があります。ところが,正しく箸を使えない人はこれらのことがうまくできず,突き刺したり,直接口にかき込んだりすることが多くなっています。例えば,テレビでよく見られる場面では,グルメレポーターなど大人の人でも,正しい箸使いができていない人がたくさんいます。お子達は正しい箸使いができているでしょうか。
また,正しい箸使いは,字がうまくなる秘訣でもあります。なぜなら,箸の持ち方と鉛筆などの筆記用具の持ち方は,基本が同じだからです。持ち方が正しいかどうか確認してみてください。
まず,1本の箸の真ん中かやや後ろを,親指の腹,人差指の腹と中指の第一関節あたりで挟むようにつかみます。そして,もう少し後ろの部分を人差指の第二関節と第三関節の間くらいに当てて支えます。これは毛筆の細筆と同じ持ち方で,実はこのまま先のほうにずらすと鉛筆の持ち方になります。
次に,もう1本の箸を親指の付け根に差し込んで挟み,もう一点を薬指の第一関節で支えれば完成です。箸の後ろのほうがくっついたり,箸が交差したりしないことが大切です。例えば節分の豆を,皿から皿へ箸で運んでみるなど,親子で試してみるといいかも知れませんね。
ちなみに,里芋やウズラの卵がうまくつかめたら一人前だといわれます。(給食の献立にある「プリプリ中華」のウズラの卵はつかむのが難しいです。)
もうひとつ,手先を使う訓練として,料理を手伝わせることがよいといわれます。
ひとつの料理を全部完成させる必要はありません。ジャガイモやニンジンの皮をピーラーではなく包丁でむく,サヤインゲンやセロリなど野菜のすじを取るといった作業が手先の器用さを向上させ,知的発達を促すことにつながるというわけです。
これらは一例にすぎませんが,他にも手先を使う機会はたくさんあります。親子で一緒にできるようなものを探して,取り組んでみてはいかがでしょうか。