学校日記

子育てと体育について(2)

公開日
2015/02/04
更新日
2015/02/04

校長室から

                      日野小学校長 山本 泉
 
 昔から「努力に勝る天才なし。」などとよく言われます。一生懸命努力すれば,やがて天賦の才能を持った人をも凌駕するという意味ですが,これが口で言うほど容易ではありません。
 前回,努力を積み重ねて,できなかったことができるようになることを「学習」といい,このことは運動能力についても当てはまると述べました。ところが,この「努力」という言葉は「苦しい・辛い・しんどい」というイメージがあり,私たちが敬遠する最も大きな理由になります。しかし,本来「体育」はむしろ「苦しい」ではなく「楽しい」イメージのものでなくてはなりません。言い換えれば,この「楽しい」営みを通じてこそ子どもの身体能力を高めることができるということです。
 それでは,具体的に何をすればよいのでしょうか?答えは簡単です。遊ぶことです。子どもにとって勉強より何より,体を動かして遊ぶことが大切なのです。私たちが子どもの頃を思い出してみてください。毎日,学校から帰ったら,鞄を放ったらかして遊びに行きませんでしたか?
 遊びを通して思いっきり体を動かし,頭を使って遊びが楽しくなる工夫をする。この繰り返しで,子どもは頭も体も成長していくものです。発達年齢に応じた遊びこそ,運動能力の向上につながるものです。
 ところで,遊びもスポーツもすべて競争が基本です。この競争を直視することは,子どもの時代にも必要なものです。
 ただし,「体育」では,「他の子より足が遅い」とか「友達は泳げるのにウチの子は」などと,他人と比較するような競争はしません。1ヶ月前,半年前,1年前と比較して,つまり「自分と競争」して「速くなった」「泳げるようになった」「できるようになった」というように,子ども自身の運動能力の改善を自覚すること,そしてそのことを周りの人間が高く評価することこそが大切なこととされています。
 さて,遊びも,昔と今とでは随分変わってきました。テレビゲームなどに興じ,外へ出て体を動かす遊びをすることが少なくなってきています。環境の変化により,子ども達の遊ぶ場所がなくなってきているのも事実でしょう。従って,子どもの運動能力を高めるために,月謝を払っても体育の家庭教師を付けるということも,決して間違ってはいないと思います。
 しかし,できることなら,まずは親が子どもと一緒に遊ぶことを通して,子どもの運動能力を引き出してやることが望ましいと思います。
 当然,子ども同士がやるような遊びを,親子でやろうということではありません。目的は,子どもの運動能力を高めることですから,遊びの内容も自ずとスポーツに関連したことになります。○○歳の子だとどんなスポーツがいいのか?などと難しく考える必要はありません。遊びの感覚でスポーツを楽しむことが,運動能力を高めることになるのですから。
 何よりも,親子でやってみて一緒に楽しめることが大事です。楽しいから続けられるし,続けていれば上手くなる,上手くなってうれしければ苦しい練習すら苦にならない…こうした好循環をつくることです。
 それには,親が自分自身で運動やスポーツを楽しまなければなりません。その姿を「言葉ではなく子どもに伝える」ことが大切なのではないでしょうか。