子どもが質問した時
- 公開日
- 2014/12/01
- 更新日
- 2014/12/01
校長室から
日野小学校長 山本 泉
「校長室から」のページでは,私の教育現場での経験や,職業がら手に入る資料などから子育ての参考になりそうなことをテーマに採り上げています。子育てに「正しいこたえ」はないので,あくまでもヒントになることがあればという思いで書いています。
前回で家庭学習シリーズが終わりました。今回は,子どもが質問した時の親の対応について書いてみたいと思います。
言葉がようやく話せるようになった頃の子どもは,物の名前に対しての興味が大変強く,「これは何?」「あれは何?」という質問をたくさんします。もちろん,これには一つ一つ丁寧に答えてあげることが大事であることは言うまでもありません。
ところが,幼稚園児から小学生くらいの子どもは,「なぜ?」「どうして?」など,理由を尋ねる質問がずっと多くなります。これは,子どもの探究心や知識欲が大きく拡大してきたこと,つまり,脳が成長してきた証拠なのですが,これに対しては親としてどう答えるか,結構むずかしいものです。
まず,子どもの質問だからといっていい加減な対応をするのはもちろんいけませんが,かといって,ことさらに正しい答えや筋道の通った理論を返す必要はありません。親としては,論理的,科学的な答え方をして,子どもに正確な認識をさせてやりたいと思うわけですが,大抵の場合,子どもの疑問は全部が解消されることはありません。
「ふ〜ん?」などという,納得したかしていないかよく分からない反応が,しばしば見られるのはそのためです。
では,どうすればいいかというと,子どもの何気ない質問にストレートに答えてしまうのではなく,子どもの疑問の正体を,子ども自身に,よりはっきりと認識させ,しかも自分自身で答えを見つけるよう仕向けてやること,つまり「質問には質問で返してみる。」ということです。
例えば,「なんで,ご飯を食べなあかんの?」という質問に対して「ご飯を食べへんかったらどうなると思う?」と問い返してやります。すると子どもは「もしご飯を食べなかったらどうなるか」を自分で考えます。その結果「お腹が減る」という答えを思いつきます。
しかし,それで終わらずに,「それだけ?ほかには?」とさらに質問を返します。これによって,そこで生じてくる可能性をいろいろな点から検討する機会をもつことになり,「疲れて動けなくなる」「病気になる」「死んでしまう」などと思考が広がります。
このように,逆質問は子どもに自分の質問に対する答えの可能性を考えさせることで,脳を活性化させることにもなります。また,上記のように「動けない」「病気」「死」などマイナスイメージの答えが並ぶことによって,「自分はしっかりご飯を食べよう。」というプラス思考につながることもあります。
もう少し大きくなった子どもならば,質問の内容も高度になり,実際に答えられないことも出てきます。そんなときも,決してあわてず「逆質問」すればよいのです。
「なんで〜なん?」という質問に対して,「なんで〜なんやろうね?いっぺん調べてみてくれる?分かったら教えて!」と返してみるのです。自分で調べようとする習慣が身に着くまでは一緒に調べてやります。こういったことを日常的に行っていれば,義務教育終了までに身につけなければならない「問題解決能力」が必ず身に着くはずです。