子どもに失敗をさせることも大事!
- 公開日
- 2014/03/03
- 更新日
- 2014/03/03
校長室から
京都市立日野小学校 山本 泉
前回は,親が子どもに自分の失敗を見せることの大切さについてのお話でした。今回は,子どもにはたくさん失敗をさせようというお話です。
学校の授業では,子どもが間違ったり失敗したりすることを大いに歓迎します。なぜなら,スムーズに結論にたどり着いたときよりも,間違いや失敗があった時の方が,より「正しい結論」が強調され,結果として深い理解を伴って子ども達の中に定着することが多いからです。特に,間違ったり失敗したりした本人が一番印象強く,深い記憶として心に刻まれることはいうまでもありません。
ただそれは,恥をかいたという記憶だけが残るようであってはいけないわけで,そのあとのフォローによってもう一度正しくやり直せた経験があってこそ,本当に深い知識や技能として身に付くことになることも忘れてはいけないことです。
一般に,知識や技術は,人から伝えられるより自分自身が考えながら獲得する方が,本当に身に付くものであるといわれます。授業のことを例にあげましたが,日常生活の中においても,たとえ最初は失敗ばかりでも,子どもはそこから何かを学び,応用力のある柔軟な頭脳を自ら育てているわけです。
ところが実は,親の方が子どもの失敗を恐れ,そのチャンスを奪ってしまうことにより,自分の頭で考えることのできない人間に育ててしまうことがあります。極端な例ですが,「引きこもり」や「ニート」の問題も,もしかしたら子どもの失敗を恐れる過保護な親が作り出したものかも知れません。なぜなら,彼らは小さな失敗で立ち直れないほど落ち込み,そのことにより人前に出られなくなってしまうことが多いらしいからです。
反対に,成功者や立志伝中の人の中には,小学生くらいの時は劣等生で,何をしても失敗ばかりしていたという方がたくさんおられます。単に謙遜ということではなく,失敗談から生まれた逸話も数多く伝えられています。
ほんとうに頭がいいということは,間違ったり失敗をしたりしない優等生のことではなく,世の趨勢に臨機応変に対応し,自分一人でもたくましく生き抜くことができる能力を持っていることだと思います。そして,こういう力は,失敗を重ねるほどにたくましく育ちます。
そのためにも,子どもにはどんどん挑戦をさせ,失敗をさせ,そこから大切なことを学ばせることが大切だと思います。