学校日記

子育てについて思うこと(2)

公開日
2013/11/12
更新日
2013/11/12

校長室から

                        京都市立日野小学校  山本 泉

 教師であれ親であれ,教育や子育てに関わるものの傾向として,子どもが身につけていないものを身につけさせようとする発想が多いようです。一見当たり前のように聞こえますが,実はこういう発想でいると教えたことが身につかない子に対して,「なんでこんなことができないの!」「何べん言ったらわかるの!」と,たとえ口には出さなかったとしても,そういう思いを持ってしまうことが多くなります。また,子どもの欠点や問題を指摘し,それを必死になって直そうとしたりもします。しかし,たとえそれが善意の故とはいえ,そのことが教育や子育ての妨げになることが多いといいます。
 子どもに効果的な教育や子育てを行おうとすれば,教師や親がまずすべきことは「ないものねだり」ではなく「あるもの(リソース)探し」でなければならないのです。
一般に,リソースとはその子の持っているポジティブな側面(優れたところ・長所)であり,問題に代表されるネガティブな側面(欠点・短所)とは全く逆の存在であると考えられることが多いようです。しかし,これはリソースのとらえ方としては一面的です。というのも,実は問題の周辺に,あるいは問題そのものの中にこそ,リソースは潜んでいるからです。「問題点」を「長所」に変える発想をしてみましょう。
 例えば,「落ち着きがない」子,「衝動的」な子は,ほとんどの場合「エネルギッシュ」で「活発」な子です。このような子が有り余るエネルギーを価値ある対象に向けてくれれば,将来必ずや大きな仕事を成し遂げてくれるでしょう。また,「わがまま」な子,「自己主張の強い」子は,「周りに流されない」「自分流のスタイルをもっている」子でもあります。このような子は,個人としての生きがいが問われる将来の国際社会においては大いに評価される可能性があります。あるいは,「こだわりの強い」子は,特定の対象に関しては,たいへんな「集中力のある」子でもあります。エジソンなどの例を挙げるまでもなく,人類史に名を残す偉大な発明家や研究者は,自分の興味のある物事に対しては並々ならぬ集中力を発揮したことが知られています。
 このように,一見すると「問題」「短所」「欠点」と見える資質が,見方を変えれば,その子を活かす持ち味や長所。つまりリソースになり得るわけです。こういった発想を「リフレーミング」(意味づけを変える)といいますが,私たち教師や親は今,「リソース探し」の達人になることが求められています。