ゲームが子どもに与える影響
- 公開日
- 2013/10/07
- 更新日
- 2013/10/07
校長室から
京都市立日野小学校 山本 泉
今,多くの学校にスクールカウンセラーが置かれています。あるカウンセラーの方に聞いた話ですが,子ども達の相談で一番多いのは対人関係のことについてだそうです。
特に,思春期は自他の違いに目覚める時期なので,友達がとても重要で,友達の存在そのものが心の居場所になります。しかし,今の子ども達は対人関係能力が育っておらず,成熟した人間関係にはなりにくいそうです。そんな空虚で過酷な人間関係に立ち向かいにくい繊細な子どもや,エアコンやゲームなどスイッチ一つで環境をコントロールできる中で育った子は,友達間のトラブルに対処できにくく,ちょっと現実がしんどいと,回避してしまったり,ゲーム・インターネット・携帯電話に居場所を求めて依存したりしていきやすいようです。ツールを「友達の代用品」としているわけです。
今の子ども達が,パーソナルメディアにどう影響を受けているのか調査が行われました。その結果によると,親が子どもにゲームを与える理由は,子どもが欲しがる,みんな持っている,黙って遊んでくれる,家事がはかどるなどでした。ある小学校1年生の男の子のケースでは,転校により友達ができないのではと心配した母親がゲームを与えていました。しかし,友達はゲーム目当てに来るだけで学校では遊んでくれません。とうとう不登校になってしまいました。
子ども自身が自分で何かを言ったり,したりするのを待つことが,子どもの対人関係を高めるのです。
ゲームを長時間する子の養育背景には,過保護と愛情不足,親の否定的な養育態度の傾向が見られるそうです。子どもの特徴としては注意散漫で完ぺき主義,抑圧か攻撃かという二分法的な傾向が見られました。小動物虐待の経験がある子や,困った人がいても助けないという子も高い割合でした。無気力・無関心であることも認められました。しかし,幼い頃の対人関係は,むしろ積極的で友達ともよく遊んでいたという子も多く,長時間にわたるゲーム利用が対人関係や性格に変化を及ぼした可能性があります。しして,好きなゲームをやっていても実は毎日心の中は楽しくないという傾向も見られました。