憲法記念日における校長講話
- 公開日
- 2012/05/07
- 更新日
- 2012/05/07
学校の様子
本日、全校集会にて次のような内容の講話を行いました。お知りおきいただき、各家庭でも平和や人権について、お話しいただければ幸いです。
■憲法月間 校長講話の内容
人間は集まって生きています。一人だけで生きていける人はこの中にはだれもいません。
2人以上で集まると、自分と相手の人という関係が生まれますね。ときには強い、弱い、という関係ができませんか。時に弱い立場の人は生きていくのがいやになります。でもこんな関係があれば学校に来るのも嫌になりますよね。
いつも強い立場にいる人、いつも弱い立場にいる人というような関係はあってはなりません。けれど、強い立場や弱い立場は必ず存在します。たとえば男と女も、大人になれば、力では男の方が強いといえます。会社で新しく入った社員の人と会社の社長さんでは、ある意味社長さんの方が強い立場といえますね。お医者さんと患者さんもお医者さんの方が強い立場と言えるのかもしれません。
イギリスという国には「位高ければ徳高きを要す」という言葉があります。「強い立場の人であればある程、人間としてのお話や行いに責任を持たなければいけませんよ。」という意味です。最近では主にお金持ちや、有名な人、そして政治家や会社の上役などのいわゆる権力者が、模範となるような振る舞いをするべきだという、意味に使われることが多いと思います。
そうです。力の強いものが弱いものを守るという社会が、みなさんの目指すべき社会ではないでしょうか。ですからお兄さんやお姉さんは皆さんのような小学生を見守っていかなければならないし、皆さんも同じクラスの中で困っている人やつらい思いをしている人がいたなら、いたわり、かばわなくてはなりません。
さて、京都では2つの大きな交通事故がありました。開睛館の近くの祇園や、亀岡という町でも集団登校中の小学生やお母さんが被害にあわれました。この二つの事故により死んだり怪我をされた方は30名に及びます。ここで道路における強い立場と弱い立場を考えてみましょう。
歩いている人とクルマに乗っている人とでは、もちろんクルマに乗っている人がの方が強い立場にいますね。ですからクルマを運転している人は、歩いている人以上に注意をし、歩いている人を守らなければなりません。
皆さんが自転車に乗っているときは、歩いている人より皆さんの方が強い立場です。歩いている人のことを思いやって自転車に乗らなくてはなりません。
今回の交通事故から何を学ぶのか、わたくしも大いに悩みました。皆さんに「交通ルールを守って安全に注意してください。」というだけでは、このような事故をなくすことにはつながらないのです。ルールを守って注意しながら歩いていても事故にあった。これが今回の事故なのです。ですからルールや規則、きまりだけでは解決しない問題ないのです。
ですから私は、命の大切さ、とりわけ「自分の生命」だけではなく、「他の人の生命」の大切さをもう一度考えるということや、お互いに思いやりのある関係をつくろう、という気持ちを皆さんに持っていただきたいのです。そして、立場の強いものが、より行いや発言に責任を持って行くのだ、という思いを持っていただきたいと強く願います。
このような考え方は、お互いがお互いを大事にしあい、人間らしく生きていく権利、すなわち「基本的な人権」を守っていくというこの国の一番元になるきまり、すなわち「憲法の精神」にも合う考え方です。自分が大切にされたいのなら、他人も大切にしていきましょうという考え方です。この考え方を元として日本の最高のきまり、すなわち憲法はつくられています。これが65年前の5月3日から使われだした日本国憲法というきまりです。そしてこの考え方を難しい言葉で「基本的人権の尊重」と言います。
どうぞこの機会にもう一度この国のきまり、憲法について考えていただきたい。そして、憲法をめぐる様々な考え方や、できた頃の様々な出来事や考え方についてもこの学校で大いに勉強してください。
私は皆さんが「自分を大切に、精いっぱい一日一日を生きてほしい。」そう願っています。その皆さんが、事故にあわれるなどということは考えたくもありませんし、絶対あってはならないことなのです。そしてまた、皆さんには加害者にもなってほしくない。被害者にも加害者にもならないために、先ほど言いましたように、強い立場のものが、行いに責任をもつ。そのことを今日のこの場でみなさんともう一度お約束したいと思います。
私たち大人も頑張ってその責任を果たします。これからの時代をつくる皆さんも今のお話を覚えておいていただき、この度犠牲となられた方々の思いにこたえたいと思います。