校長謝辞の内容
- 公開日
- 2011/04/05
- 更新日
- 2011/04/05
年度当初の式典
寒さの厳しい冬を過ぎ,東山のここかしこ,山桜花も朝日ににおい,鴨の河原を吹きわたる馥郁たる風にも,新しい命の芽生えを感じるこのよき日に,東山開睛館こと開睛小学校・開睛中学校がめでたく開校の運びと相成りました。
本日は年度初めの公私ともご多用の中,東山開睛館の開校式に,このように大勢の皆様方のご臨席を賜りましたことを心より厚くお礼申し上げます。
また,これまで,開校にご尽力いただきました有済・粟田・弥栄・新道・六原・清水・貞教・修道の地元代表の皆様方をはじめ,全ての関係各位に対しまして,高いところからではございますが深甚なる感謝の意を表する次第でございます。誠にありがとうございました。
「澄みゆく心」「輝く志」を九ヶ年で育む。東山開睛館にかける思いであり,子どもたちへの大いなる期待です。
これからの時代を生きる子どもたちに、切磋琢磨の場を拓くことこそが地域の務めである、という高い志と熱い思いに支えられ、全国でも例をみない百四十年余を超える歴史に彩られる五つの小学校,二つの中学校の統合による小中一貫校がここに誕生いたしました。
歴史は日々新しい頁を重ね、その歴史と伝統を土台として,ここに集う子どもたちが,切磋琢磨を通して,「夢と志」そして「生き抜く力」を培いながらさらに新たな頁を開くものと確信しております。
新しい歴史をつくるのは一人一人の子どもたちです。保護者や地域の皆様方と共に私たち教職員一同、心を一つにして子どもたちの成長を見守ってまいります。
さて,児童生徒の皆さんに,校名の由来をお話しします。今から千五百年ほどの昔,中国に梁という国がありました。その国に 張僧よう という有名な絵かきが住んでいました。
ある時 張僧よう は,お寺の壁に4匹の竜を描きました。すばらしい出来栄えに驚いた人々が、竜の目に瞳が描かれていないことを不思議に思い,そのわけを尋ねました。
すると、「もし瞳を描き入れると、竜が天に飛んでいくから瞳をかいていないのです」と 張僧よう は応えました。
到底信じることができないので、みんなは瞳を描き入れるように張僧ように迫まりました。
仕方なく四匹のうち二匹に瞳を書き入れると,どうしたことでしょう。たちまち稲妻が走り、壁が壊れ、二匹の竜は天に飛び去り、壁には瞳を書き入れなかった二匹の竜だけが残ったということです。
このお話から,「最も大切なところに手を入れて最後の仕上げをすること」を「画竜点睛(がりょうてんせい)」といいます。
皆さんはこの学校の名前を知っていますね。そう、開睛小学校、開睛中学校、合わせて東山開睛館と言います。
「開睛」の睛の字は瞳,開はひらくという意味です。
皆さんには,大きな震災で学校そのものが消え去り,新学期が迎えられない子どもたちがたくさんいる中,こんな立派な学校で学べることに感謝しつつ,みんなのために役に立とうとする強い思い,すなわち志を持って逞しく生きてほしいと願っています。
そしてこの学校を卒業する時には,お一人お一人が瞳を点じ、この開睛館から大きく飛び立っていただきたい。そんな思いが込められた学校の名前なのです。
今日から,七校の垣根、そしてそれぞれの地域の垣根、こころの垣根を越えて,皆さんが心を合わせ,かわいい弟や妹をいたわり,また,お姉さんお兄さんを敬いながら新しい歴史の扉を開いてください。素敵な学校をみんなでつくってください。
澄みゆく心 輝く志。
すべての子どもたちに光り輝く,豊かな未来を。
東山開睛館を,地域の皆様方を始め、子どもたちや教職員にとって,誇りとなる学校にしてまいることをお誓い申し上げ,感謝の言葉といたします。
平成二十三年四月五日
京都市立開睛小学校・京都市立開睛中学校
校長 初田幸隆