学校日記

錦林校と名木“欅(けやき)” 【1】

公開日
2014/07/15
更新日
2014/07/15

校長室から

樹木医に名木“欅(けやき)”の診断をしていただきました。
  根元の幹の部分から朽ちはじめている。
  内部の芯のところが,おそらくは空洞になっているだろう。
  このままでは,倒木の恐れもあり危険だ。伐採せざるを得ないだろう。
  ただ,部分的には健在なところもあるので,地上から2M辺りで切り,
   新芽が萌芽するのを期待しよう。
 このような診断結果でした。残念ですが,やむなく切ることにしました。

 錦林校の名木“欅(けやき)”には,歴史があります。卒業生だけでなく,地元の皆様からも大切にされてきました。

「錦林の欅」

 春先には,透き通るような黄緑の新芽を伸ばし,初夏にかけてその緑を濃くしながら,生い茂っていく。梅雨を前に,青空に向かって一面につややかな葉を広げ,日の光を浴びる。梅雨のころには,たっぷりと天からの恵みの雨を吸い上げ,枝を伸ばそうとしている。夏には降り注ぐ陽光の下,気持ちのいい木陰をつくり,涼やかな風を送ってくれる。晩夏から初秋にかけ,色づき始め,霜が降りる晩秋には,華やかな紅葉の時期を迎える。そして,初冬の兆しとともに,落ち葉の絨毯を広げ,冬の眠りを迎える。四季折々に装いを変える欅。見上げるたびに,その大きさと年輪の深さに心を奪われてきた。

 錦林校が現在地に新校舎を築いたのが明治31年,今から約115年前。その頃すでに屹立として立っていたそうだ。当時の樹齢が約50年,現在の樹齢は,ほぼ165年前後であると考えられる。この欅は,錦林校の歴史を悠然と見守り続けてきたことだろう。欅が,語ることができれば,錦林校の子どもたちのことを,やさしく語ってくれることと思う。
 思えば,幕末・明治維新そして,遷都を経験し,明治・大正・昭和,そして平成を生き抜いてきた。昭和9年の室戸台風では,市内各所で校舎が倒壊したり,大きな被害を受けたりしたが,「錦林校はこの欅をはじめ何本もの欅の森に囲まれていたおかげで,また平安神宮のご加護のおかげで校舎の倒壊をまぬがれた」と百年誌には記載されている。
 

(学校便り「7月号」に掲載した文章に加筆・修正等加えたものです。)