令和3年度 卒業証書授与式 4
- 公開日
- 2022/03/15
- 更新日
- 2022/03/15
学校の様子
9年生の皆さん,ご卒業おめでとうございます。
校庭の桜も間もなく開花の時期を迎えようとしています。
4月から新しい場所で,皆さんが自分の花を大きく咲かせてくれることを願っています。
以下,本日の卒業証書授与式での式辞の内容です。
暖かい春の日差しを感じる今日,卒業証書授与式を迎えられた9年生の皆さん,ご卒業おめでとうございます。本日無事に卒業証書授与式を迎えることができたことに心から感謝するとともに, ご列席を賜りましたご来賓の皆様,保護者の皆様に心より御礼申し上げます。
本日凌風学園を巣立っていく9年生の皆さん。皆さんの学園生活最後の二年間はまさしく新型コロナウイルス感染という, 世界中を震撼させる出来事の真っただ中にありました。日本全国に緊急事態宣言が出され, 休校措置が取られた2年前。学園のリーダーとして第三ステージの中核だった皆さんの日常の当たり前が失われました。その時はこれほど長きにわたって,我慢を強いられると誰が予想したでしょうか。学校行事や部活動の大会をはじめ, 数々の取組が中止になり, 実施されても規模が縮小されました。今度こそという期待は悉く打ち砕かれ, やりきれない思いが渦巻いていたことと思います。しかし,皆さんはよく辛抱し,耐え抜きました。決して投げやりになることなく, 自分の目標を見失わず, 本当によく頑張りました。今まで誰も経験したことのない困難を一つ一つ乗り越えてきました。その中で培われた力はまさに「風を凌ぐ」力です。
最終学年を迎えた今年,今できることは何かを常に考え行動してくれた皆さんの姿を見て,「下級生のよきモデルとなること」「しっかりと手本を示すこと」という学園のリーダーとしての9年生の伝統が,今年も絆となって受け継がれていることを実感しました。
さて,本学園を巣立っていく皆さんがこれから進んでいく社会や世界は,皆さんがこの2年間で経験したコロナ禍がそうであるように,これまで誰も経験したことのない状況の中で,答えのない問いに向かって,より良い答えを探し求め続けることが要求される社会や世界です。そして,皆さんは, そんな社会の担い手なのです。どうぞ, しなやかに,たくましく生き抜いてください。
これからの時代を, 社会を生き抜くために,みなさんにさらに伸ばしてほしい「三つの力」についてお話をし, それを餞(はなむけ)とします。
一つ目は, 「自分を高める力」です。
自分と他人を比較するのではなく,昨日の自分と比べて今日の自分がどうであったかを常に問い続けてください。そのことが新たなチャレンジやレベルアップをめざす意欲を生み出し,向上心に繋がります。
二つ目は, 「自分と向き合う力」です。
人生は良い時ばかりではありません。つらいことやしんどいことがあってもぐっとこらえて辛抱する力,落ち込むことや弱い心に負けそうになっても気持ちを切り替えて一歩踏み出す力。本来の自分を見失わず,「今」できることを積み重ねることが,自分を冷静に保つ自制心や苦難を乗り越える忍耐力に繋がるのです。
三つめは「人とつながる力」です。
多くの人と出会い,思いや考えを互いに伝え合い,様々な考え方を自分の中に取り入れてください。 たくさんの本を読み, 豊かな感受性を養うこともその一つです。また, お互いの個性や得意な事柄を大切にし,協力してさまざまなことに取り組み, 充実した時間を共有してください。そういったことが, 皆さんの見方や考え方を拡げ,相手の気持ちを理解し,力をあわせて新たなものを創り出す力に繋がります。
凌風学園の「凌風」には「風を凌ぐ」,つまり困難(風)を乗り越え進む,時には我慢し,耐えるという意味が込められています。人生は, 順風満帆な道ばかりではありません。「災難」「困難」「苦難」など,厳しい風に立ち向かう時が必ず訪れます。そんな時には, 9年間過ごした母校の名前「凌風」を思い出してください。学園での9年間の学びこそ, 自分自身の未来を切り拓き,どんな困難も乗り越えていける大きな原動力なのです。
東日本大震災が起こった2011年3月11日から11年が経ちました。復興という言葉が,聞かれないことはない11年間でした。その中でも印象深い「復興未来行き切符」のお話をします。地震や津波で甚大な被害を受けた岩手県の沿岸部を走る三陸鉄道は地震発生からわずか5日後にして一部区間で運行を再開し,被災者を勇気づけました。「復興未来行き切符」とは,三陸鉄道の全線復旧の支援のために地元の団体などが大震災一年後に発売した切符の名前です。有効期限には「あきらめない限り有効」と書いてありました。震災から3年後,三陸鉄道は見事に全線復旧を果たしました。
未来は「今」の積み重ねです。9年間の学びを終え,「凌風学園発 なりたい自分の未来行き」切符を手にした卒業生のみなさん,いよいよ出発です。「あせらず」「あまえず」「あきらめず」なりたい自分の姿を目指して,「今」を大切に,自分が出来ることを着実に積み重ねてください。
この先,なりたい自分への目標は,君たちの成長や時間の流れとともに変わっていくこともあるでしょう。それでいいのです。具体的な目標が変わっても,常に自分の求める目標に向かって精一杯生きることにこそ価値があるのです。なりたい自分の駅にむかう路線は無数にあります。そしてそれぞれの駅に向かう線路はあきらめない限りつながっています。
「自分を高める力」「自分と向き合う力」「人とつながる力」この三つの力を大切に,なりたい自分の姿に向かって,自分らしい答えを探し続けることができる豊かな人生を送ってくれることを心から願っています。
保護者の皆さまに一言お祝いを申し上げます。本日の,お子達の卒業,誠におめでとうございます。お子達の今日の姿に感慨もひとしおのことと存じます。凌風学園の名にふさわしく,「風を凌いで」進んでくれた学園生でした。このような出会いに心から感謝いたします。
結びに,ご来賓の皆さまにおかれましては,ご多忙の中ご臨席を賜り誠にありがとうございます。高いところからではありますが,厚く御礼申し上げます。今後も,凌風学園教育に対しまして,ご指導・ご支援のほど, よろしくお願いいたします。
それでは,卒業生のみなさん,お別れです。自分の可能性を信じ,夢の実現に向けて,困難に立ち向かい,失敗や挫折をおそれず,凌風学園の校歌のごとく,風を凌いで高く高く,風を凌いで遠く遠く,未来に向かって大きくはばたいていくことを祈念し,式辞といたします。
令和4年3月15日
凌風学園
学園長 岩佐 武司