京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/01
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洛陽工業高等学校は、平成29年度末をもって閉校し、 創立132年の歴史と伝統を京都工学院高等学校へ引き継ぎます。

Even a Thoroughbred has its Habits.

明けましておめでとうございます。本年も本校教育の発展に、どうかご理解とご支援をお願い申し上げます。
巳年から午年となりました。表題に選んだのは、「名馬に癖あり」。馬にかぎらず、非凡な才能をもつものは個性が強いところがあり、ただ従順で扱いやすいということはない、という意味です。その個性を見抜くのが伯楽で、私ども教職員の使命です。ついつい角をとってまる〜くして自己満足しがちですが、尖ったところを伸ばし、できれば星のような人材を育てるのもこれからの社会の要求ではないかと思います。
一方で、「駑馬十駕」とも申します。駑馬も十日走れば、駿馬の一日の走る距離【駕】に追いつくことが出来る。凡才も、努力すれば、秀才に追いつくことが出来る。従って、能力を身につけることと同時に、やる気と努力が必要である、ということです。
このように多面的な教育観を持って、ひとりひとりの能力と個性を伸ばす学校、教職員集団でありたいと思います。
どうかよろしくお願い申し上げます。

洛陽の良さ、洛陽らしさについて

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○校長の恩田徹です。本年度も皆様どうかよろしくお願いいたします。入学式の式辞をベースにご挨拶申し上げます。オリジナルでない個所は※で示しました。なお、写真は卒業アルバムのものを使用させていただきました。

○新入生諸君!入学おめでとう。体育館前の桜の花が、週末の嵐に耐えて、皆さんを待ってくれたことをうれしく思います。保護者、ご関係者の方々におかれましても、ご入学まことにおめでとうございます。

○本校は「挑戦する。突破する。No challenge, no breakthrough.」をキーワードとして掲げています。今まさに君たちにはそのチャンスのスタートラインにいます。失敗は成功の母といいますが、チャレンジしなければ失敗することはない。失敗しないということは何もしないことに等しいということです。また、成功体験に自己満足することなく、次に向かって飽くなきチャレンジを続ける人になってください。人として大きくなるために、過去の栄光や成功体験からの脱皮が勇気は要りますが大切です。「脱皮しない蛇は死ぬ」(※1)ともいいます。失敗や困難を乗り越えることについて、私自身が2週間前に本校生徒と一緒に夜行バスで参加した、東日本大震災からの復興がままならない陸前高田市訪問を通して感じたこと少しだけお話します。復興のシンボルの一本松といったマスメディアのきれい事では済まない、復興がままならない現地の憤りや忘れてほしくない現地の方のお気持ちが伝わったらと思います。3階建てのビルの屋上に達する津波を広告塔によじ登ってマイナス5度の夜を、周りに押し寄せる亡くなった方と親兄弟が避難し飲み込まれてしまったすぐ近くの市民会館を地獄絵として眺められた方のお話、地域の高校の水泳部が練習中の温水プールに生徒探しにいかれた小野寺素子先生と生徒たち、この先生は宇宙飛行士の毛利衛さんの姪っ子だそうですが、いまだ行方不明となっておられます。避難訓練や避難のマニュアルはいわば「想定の範囲」です。訓練通り、マニュアル通りに行動したために亡くなられたり、行くえ不明になったご不幸をお聞きし、想定外で生き残るには「感じる力」(※2)だと知りました。とにかく上に、高い所にという判断だけでなく、右に行くか左に行くか、そういった決断の根拠が教科書にないところでの判断、それを感じる力とよぶならば、どのようにその力を培っていけばよいのか考えさせられました。実は社会には正解のないことが多くあります。裁判だってあくまで法的な解決です。国際社会はそれこそルール自体を無視するような国や個人にどう立ち向かうかが問われています。まずはそのような現実、社会のことを知るために新聞やテレビのニュースなどメディアに強くなること。社会の一線で活躍されている人から直接お話しを聴くような機会に積極的に参加する。そして、正解のない議論に参加、自分の意見を言う。そこでは正解がなかったとしても社会をよくしようとする志が必要です。そんな訓練を高校時代から鍛えている人がおそらくこれから偏差値エリートに変わって社会から求められると思います。現地を知らない人が「がれき」や「ゴミ」とよぶ山からランドセルや家族の写真など人の人生に関係するものを見つけた高校生が「これはがれきではなく財産だ」と発した言葉に現地の人は救われ、観光気分で現地で記念写真を撮っている畑一面に咲いたヒマワリを見て「畑にヒマワリが咲いているのは実は悲しいことですね」とこれも高校生が言ったということに現地の方は救われたといいます。こういった事実そのものを感じ取る力を持つ人になってほしいと思います。少なくとも右か左に決断しないといけない時に、間に立ち止まって固まって動けないそんなひ弱な人間は社会から求められないと思います。

○普通科の高校と違って、本校は社会から求められる力、今紹介した「感じる力」や「リーダー学」を授業や取組を通して、体験できるチャンスの場です。しかしまず社会がどうなっているかを新聞やメディアを通して知る努力をして下さい。毎日の記事が正解のないことだらけだと気付くはずです。もし、災害で水道がとまって、ペットボトルが届くのを待つだけというのはおかしいですよね。人間として生きていく上で必要なことを私たちは行政や保険などのサービスに委託し、お任せ状態でずっとやってきました。昔は家族や地域や仲間でやってきたことまでサービスとして契約してきました。震災でそんな便利な暮らしが原始生活と化した時に間違いなく私たちの姿はクレーマーですよ。文句を言うだけ。行政が頼りない、政治が悪いなど。なのに「もうお前たちに任せられん。自分たちでやる」とは言えなくなってしまっている。誰しも社会全体のことに全責任なんて負えませんが、公共のことは誰かがやらないといけませんから、交代で助け合ってやろうというのが市民社会なのですが、おれは嫌だとか、何でせないかんとか言ったもん勝ちの人がいる。公のことはみんなで相談して責任をとる気概のことを本来民主主義というのですが、公の場所を汚しても平気、ゴミを捨てても拾わない、自分には絶対に火の粉が及ばない安全地内から「いかがなもんか」とか「どう責任とるのか」とか評論家やクレーマーのようにいちゃもんばかりつけ、無理難題を平気で人にやらせる人。そういった人にはなるなというのがこれから社会から求められる人材の最低の条件だと思います。

○能力や偏差値の差は5倍くらいはあるかもしれません。必死でやっても3年間では偏差値エリートには追いつけないかもしれない。しかしやる気の差は100倍、と覚えておいてください。やる気はチャレンジの量と質につながるはずです。学習に向かうモチベーションで差をつけてください。この2つは掛け算です(※3)。足し算ではありません。この掛け算の値が大きい人が社会から求められます。社会が求めるのは偏差値とやる気の掛け算だと言いましたが、両方が高くても人をいじめたり法令違反するような間違った考えの人はかえって大きなマイナスで、社会ではルール違反は即アウトです。人の役に立つことをするには情熱と体力がいります。少々の嫌みや失敗にへこたれないのも,精神力であり体力です。環境が変わったとき,難局が待ち構えているということはよくあることです。そういうとき,しょっちゅう体調を崩していたら乗り切れません。体調がよくないと頭もすっきりしないし,気力もわいてこない,人の考え方の変化にも気づかないし,新しい発想に反応する感覚も鈍ってしまう。「めげない,責めない,あきらめない」のチャレンジ精神と、失敗から学ぶ精神で,明るくユーモアを持って。こうして,君たちも親兄弟も先生方も,この学校でみんな元気になってもらいたい。私は,心からそう願っています。リーダーを育てると同時に、今は先頭に立てないけれど、後ろでちゃんと全体を見ていて、「ちょっと言い過ぎなのではないか」「ここが少し弱いかも」などとリーダーにアドバイスできる、そしていざとなれば自分が出ていく、こんな人が私は洛陽らしい人かなと思っています。そんな洛陽らしい人がリーダーとともに社会から求められると思います。普段は後ろにいても頼まれたらきっちり仕事をする。ドタキャンしない。リーダーシップだけでなく、「リーダーのしっぽ」(※4)を目指して、みんなで、チーム洛陽で頑張っていきましょう。

※1 ドイツの哲学者ヘーゲルの名言
※2 陸前高田市を訪問させていただいた際、現地のNPO(教育未来研究会「そうぞう」)代表の村上育朗様より直接教えていただきました。
※3 ジャーナリストで本校非常勤講師、洛陽立志塾コーディネータの佐藤徳夫様より本校生徒にご指導いただいている「成果を上げるための方程式」です。
※4 2011年6月28日の京都新聞朝刊に掲載された哲学者・鷲田清一様の「震災と文明」の記事から引用させていただきました。

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行事予定
3/5 12年学年末考査(〜12)
3/6 生徒本館立入禁止(13:00〜 )
3/7 中期選抜(在校生16:00まで登校禁止)
3/9 12年学年末考査(〜12)
3/10 12年学年末考査(〜12)
3/11 シェイクアウト訓練(9:30)
12年学年末考査(〜12)
京都市立洛陽工業高等学校
〒612-0884
京都市伏見区深草西出山町23
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