最新更新日:2020/03/27 | |
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二人の先生の本気
子どもたちにとって,学校は学びの場であるとともに,ほっとできる居場所です。しかし,自分を高めるために努力やがんばりが必要です。自分自身をなまけさせないようにコントロールする力も大切になります。
けれども,人間は楽な方に流れようとしてしまいがちです。自分を律して頑張り続けることはなかなか大人でもできにくいです。だから,二人の先生の支援が必要になります。 自分が見聞きしたことをお伝えします。 この高学年の学級では,忘れ物が多く,宿題がなかなか提出されませんでした。そのため,授業もなかなか活発なものになりませんでした。それに加えて,学習中に「しんどい」と訴えて保健室にいく子もたびたびいました。このような状態ですので,学級のまとまりに欠け,悪ふざけや人のいやがることをする子も見られました。 そこで,担任はこの様子を学級懇談において,包み隠さず保護者に伝えたのです。そのことを聞いたもうひとりの先生は,それを担任の責任・担任の力量不足と言い切ることなく,「家庭で出来ることはないか,どんな声かけをすればよいか」という話し合いになりました。「うちの子に限って」ではなく,「うちの子もあり得る」という声がでてきました。何と素晴らしいことでしょう。 また,担任は学級全員の子とのヒアリングの時間を作り,それぞれの子のおもいや考え,悩みを聞きました。初めての試みです。これによって,今まで隠れていた学級での出来事を知ることができました。子どもたちと担任との関係が近づいたのです。 これらのことを通して,学習中に「しんどい」と訴えて保健室にいく子がほとんどいなくなり,忘れ物も少なくなり,学習の雰囲気もずいぶん変わりました。少しずつ高学年としての学級集団になってきました。 この経験から,二人の先生が本気で「子どもをおもう」ことにより,子どもたちは変わることを実感しました。子どもは二人の先生を試しているかも知れません。どれだけ自分たちのことを信じてくれるかを。 二人の先生が,互いに責任転嫁なく自分が何をすればよいかを考え,実行することで道は開けます。 ただ,子どもたちは絶えず前進しています。この方法がよかったからといって,次もうまくいくとは限りません。二人の先生は,決して,子どもが悪い,子どもの「せい」にしない気持ちを常に持っていたいものです。 校 長 藤田 弘明 |
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