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最新更新日:2025/06/19 |
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『東山を西に見て』![]() ![]() 先ずは、「若者が発信する21世紀の山科のまちづくり」。本校生徒3人が、山科青少年活動センターで、昨秋の岩屋神社の祭礼で太鼓奉納をした際に学んだことを発表しました。他の中学校の先生方から「素晴らしい生徒さんですね。」と褒めてもいただきました。感想文の一つを紹介します。 『―そして迎えた本番当日。自分たちの番。始めの方は緊張していたけど、後からは少しずつほぐれてきて、とてもすらすらと言えた感じがしました。そして、終了、着席。ものすごく気持ちがよかったです。本当にやってよかったなぁと思えるいい発表でした。今回の発表会は、僕にとって、引っ込み思案さを少し解放できたかなぁって思います。これを機会に学校生活でも発言を増やしていこうと努力したいです。―』 普段は目立たない子どものこの感想をみて、貴重な経験をしたものだと思います。 次に、土曜学習「花山夢現講座」の閉講式。11月から続いてきた土曜学習もとうとう終わりになりました。お世話になった学生ボランティアの先生から3年生たちへ激励の言葉があった後、代表生徒がお礼の言葉を述べました。代表に立ったのはA。Aは、元来素直で優しい子ですが、ちょっとしたきっかけから道を外れ、随分と回り道をしてきました。先生や仲間の支えで夏休み明け頃から高校進学に向けて頑張り始め、本来の自分を取り戻しました。土曜学習も本当によく頑張ったと思います。代表の役目も快く引き受けたそうです。話は原稿なしでしました。心のこもった素晴らしい言葉でした。「ありがとうございました」と結んだ瞬間、彼の声が詰まりました。『めっちゃくちゃ頑張って取り組めた。めっちゃいいと思う。めっちゃ集中できた。』『わからない時に分かりやすく教えてくれたり、一緒に考えてくれたりしてありがとうございました。』学習後のアンケートにそう書いたAは、閉講式後も涙を拭きながら先生に感想を話していました。 もう一つあります。6日の日曜日、2年生女子Bのダンスの発表会のことです。丁度職員室に2年生担当の若い先生が2人いたので誘いました。笑顔いっぱいハツラツとしてBが踊ります。マイクをもって堂々とMCをします。学校では見られない姿が眩しいです。実は、現在Bは授業に定着できていません。先生方に反抗的な態度をとることもしばしばです。「校長先生、私、あの子のあんな笑顔と姿を長い間見ていません。あの笑顔を取り戻させてやらないといけません。」そう言って女性の先生がぽろぽろと大粒の涙を落しました。 「21Cの…」の発表に向けて練習をしている時も、リーダーの2年生が上手く言えずに涙を流しました。悔しさと情けなさ、申し訳なさの混じったいい涙でした。 3つの涙を紹介しました。どの涙もとても美しいです。そして、それらにこちらも心を動かされます。こういう涙を見ることのできる仕事は、教師以外にそうはありません。この仕事の魅力を改めて思います。 『東山を西に見て』![]() 自動車での通勤が当たり前だった頃、雨の日や寒い時期にバイクに乗ることなど考えもしませんでした。バイク通勤するようになり、それしかないと思うと、雨や寒さがそれほど気になりません。毎朝、蹴上と九条山の気温計を見るのが習慣になっています。1月最終日の気温は何と蹴上が−3度、九条山は−4度でした。学校に到着するころには手の指先が凍えています。ストーブにかざして指先に血液が流れる瞬間の、あのピリピリした感触は、小学生の頃の数々の記憶を思い出させてくれます。 小学生の頃、この時期の私の手は霜焼けとあかぎれだらけだったように思います。30日の日曜日に、校下の小学校の凧揚げ大会があり見に行きました。早く完成させた子らが“羽つき”や“こま回し”をして遊んでいました。女性会の方に声をかけられて久しぶりにこまを回しました。「昔とった杵柄」で、ヒョイと掌に乗せてみせます。周りの子どもや大人が驚いた顔に少し得意になって回しました。暫くして、一人の小学生がやってきました。「こまの回し方、教えて!」紐の巻き方から教えました。小さな手でした。冷たい手でした。あかぎれも見つけました。でも…、とっても元気な子どもの手でした。地域の子どもが寒さの中でも元気に遊び、色々なことを学んでいる様を想像して嬉しくなりました。また後になって、この子が本校生徒の妹であることを知り、一層嬉しくもなりました。 さて、今日(2日)は1年生がファイナンスパーク学習に出かけました。 家計を切盛りする疑似体験をします。はじめに月収が決められ、収入の中から食費、光熱水費、家賃や家のローン、自動車を買うならそのローン、教育費などの商品やサービスを購入していきます。教育委員会によると、この過程で、社会に溢れる情報を適切に活用する力や自らの生き方に繋がる生活設計能力などを育成できるそうです。 ○日常生活に関わる経済の仕組や社会との関わりを理解させる ○良き消費者として、また企業者としての基本的な認識を培う ○望ましい勤労観、職業観を育成する これらのねらいが達成できたかどうか、今の時点ではよくわかりませんが、本校の子どもたちは、とても熱心に楽しそうに活動していました。引率の教職員やボランティアとして参加してくださった保護者の皆様とも良いコミュニケーションがとれたので、この取組をおこなって、本当によかったと思います。 ハイテク施設の中で活動する子どもたちの姿を見ながら、先日の“羽つき”や“こま回し”で遊んでいた子どもたちの姿を思い出してみます。はじめは、テニスのように羽子板を横に振って羽をついていた子や、紐をこまと一緒に投げてしまう子らが、学習を重ねて徐々にコツをつかんでいきました。 寒い中でも、元気に遊びながら身につける知恵もあること、そしてそれがきっと「生きる力」に繋がっているということを、私たちは忘れてはならないと思います。 |
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