京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2025/06/19
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令和8年度入学されるお子様のご相談は随時受け付けております。遠慮なく学校までご連絡ください。

子どもを取り巻く環境の変化

 子どもたちを取り巻く環境は大きく変化しています。
  ◆核家族化…お年寄りがいないので昔の知恵が伝わらない!
  ◆少子高齢化…兄弟が少なく家庭での切磋琢磨がない!
  ◆使い捨て社会…ものを大切にする必要がない!
  ◆不審者の増加…外で遊べない!
  ◆ビジュアル機器…思い通り遊べて友達がいらない!
  ◆飽食の時代…好きな時に好きなものを。我慢がいらない!
  ◆メールの流行…メールを打てば会話がいらない!
  ◆雇用状況の変化…未来に夢や希望がもちにくい!
 このような生活環境の変化は社会全体の問題であり,決して学校教育でのみ対応していけるものではありません。
 子どもたちの身体的なアンバランスや精神的な未成熟,コミュニケーション能力の未発達も決してこれらのことと無縁ではなく,それらが学校という集団生活の場で様々な問題として表出していると考える必要があります。
 学校が社会の変化に伴い,子どもたちが失いつつあるものを補完するという考え方では立ち行かず,家庭・地域をあげて取組を進めながら,地域社会全体で教育に関わるという風土を,学校が核となってつくり上げていく必要があります。

生き方探究教育を推進

●就職率の好転とニート
 子どもたちの社会的自立を図ることは学校教育の目的でもあります。高校生や大学生の就職率を見ますと(図1),リーマンショックまでの数年は改善が続き高い水準で推移してきました。
 しかしながら図2からは,就職率に見られる雇用の好転が15〜24才のフリーターの減少には好影響を及ぼしているものの,25〜34才のフリーターにはほとんど影響していないなど,深刻な状況は依然として存在しています。
 ニート(15〜34才で,非労働力人口のうち,家事も通学もしていない者)に関しても,年齢が上がるに従い固定化される傾向が顕著に見られます。

●中・高・大は「7・5・3」
 「7・5・3」という数字が何を意味しているかお分かりでしょうか。
 これは早期離職者の割合を中卒,高卒,大卒の順に並べたものです。ここでいう早期離職者とは卒業後3年以内にその仕事を辞める若者のことです。平成17年度卒の就職者で見ると,中卒の66.7%,高卒の47.9%,大卒の35.9%がそれに当たります。さらに中卒では,約2人に1人の割合で一年以内に離職しています。
 これらの問題は単に産業構造の問題としてだけではなく,教育の問題として見ていくことが必要です。京都市では生き方探究教育(キャリア教育)の中で自立と共生の視点から,「人間関係形成能力」「社会参画能力」「情報収集活用能力」「自己決定力」「将来設計能力」という5つの能力の育成を提唱しています。
 開睛において展開する教育活動は,これら諸能力の育成を視野に入れたものとなっています。


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国際理解は日本理解から

 拓殖大学の国際学部教授の呉善花(O Son Fa)氏の「日本の曖昧力」(PHP新書)に日本語の「受け身」の多用について大変興味深いことが書かれています。
 「迷惑受け身」といわれるもので日本語独特の表現であるというのです。「泥棒に入られた」「女房に逃げられた」というような言葉づかいであり,他言語では表現が難しいのです。多くの言語では「泥棒が入った」となるわけで,この違いは「責任は私にもあるという発想」が日本語の根源にあるとされています。
 さらに,同じ「れる」「られる」という表現は,尊敬・可能・自発といった使い方でも同様に用いられ,集約するとすべて自発から派生し,もともと自分を超えた存在や力によって起きることをあらわす意味として使われるということです。この超越的な「神」に通じる感性は,四季に恵まれるなどの気候や,島国であるという地理的条件等により,長い歳月をかけて育まれた日本の精神的風土に拠るとされています。
 このように,私たちが当たり前のように使っている言葉ひとつをとっても,世界の様々な方々とコミュニケーションを図る上で,必ずしも伝えたい事柄がストレートには伝わらないということを理解しておく必要があります。
 他国の言語や文化を理解するということは,裏を返せば,まず我国のそれらを理解しておく必要があるということではないでしょうか。
 開睛英語では,「コミュニケーションのツールとしての言語」という視点を大切にし,同時に確かな国語力を育みながら,これからの社会に通じる人間関係力を養いたいと考えています。

体感的に心に響く活動を!

 東山開睛館では道徳の時間を核としながら,活動場面や様々な体験を通して,感性や道徳的実践力を育てていくことが最も重要であると考えています。  
 「いじめ問題」や「青少年の自殺」等の問題が起こるたびに,「学校でもっと人や命を大切にすることを教える必要がある」というような指摘がされます。
 「いじめはいけない」「命を大切にしよう」と何千回何万回唱えようと,即座に解決できる問題でないことを私たちは知っています。むしろ,様々な体験や経験を通して体験的,体感的に受容した感覚が,様々の機会を通して育まれた人権意識や生命尊重の精神とあいまって,はじめて行動化するのだと考えています。そのためにも,様々な人々と交わりながら,豊かな体験等,活動場面を工夫していきたいと思います。ぜひ多方面からご支援ご協力をいただきますようお願い致します。

早寝早起きはやっぱり大切

 子どもが「学校に行きたがらない」ということに対して,「学校ではお友達とうまくいっているでしょうか」「担任との相性は大丈夫でしょうか」というように心配され,相談される保護者が多くおられます。
 また,教師からは「一時間目など,目がトロンとして学習に集中できていない子どもが心配」という声も増えているように思います。
ここで,学校へ行き渋る原因と思われる事柄の一つである低体温の問題をご紹介します。

 早稲田大学の前橋明教授による1998年の5才児を対象とした調査によると,低体温の子どもが増えており,14.4%の子どもが低体温児であるとの結果が報告されています。
一方「学校に行きたくない」という子どもの割合を見ると
 ■標準体温群の子どもでは,18.8%
 ■低体温群の子どもでは33.3%
というように明らかな差がみられ,低体温の子どもに学校への行き渋りの傾向が顕著に現われていると考えられます。
 この原因の一つには,就寝時刻の遅いことがあげられており,睡眠時間が不足していることから,朝,脳は覚醒しているが体温が上がらず,活動に向かいにくい状態にあるという説明がされています。
 このように,学校に行きたがらない子どもや,学習意欲の低い子どもの問題を,単に心の問題としてのみ捉えるのではなく,低体温というからだの状態から捉えることも大切です。

 テレビやビデオ,テレビゲーム等の深夜に及ぶ視聴や,携帯でのメールのやり取りによる睡眠時間の減少等,家庭での生活習慣が学校生活にいかに大きな影響を与えているかがわかります。
 昔から言われている早寝早起きは,このような点からもしっかりと習慣づけたいものです。ご家庭でも,一度お子たちの就寝時刻等をご確認いただき,健全な成長に必要な生活のリズムがつくれますようご指導よろしくお願い致します。

学力向上には何が有効か

 文部科学省による,全国学力・学習状況調査の19年度→20年度にかけての変化からみる全国レベルの分析結果によると,次のような取組が有効にはたらいているとしています。
1低学力層を減らした取組
・長期休業期間を利用した補充的な学習指導
・書く習慣,読む習慣を身につけさせる授業
2高学力層を増やした取組
・地域の人が自由に授業を参観するなど学校公開日を設置
・職場見学や職場体験活動
3低学力層を減らし高学力層を増やした取組
・学校図書館を利用した授業
・放課後を活用した補充的な学習サポート
・博物館や科学館,図書館を利用した学習

 読み書きの習慣化や学校図書館の利用等が有効に働いていること。上位層には職場体験等が学習意欲の喚起につながることなどが,改めて確認されたといえます。
 注意すべきは補充的な学習の場の設定が有効にはたらいているとはいえ,あくまでも授業そのもので勝負するという意識を強く持つ必要があること,加えて学習のサポート体制をどのように組織として構築するかが問われているといえます。
 東山開睛館ではメディアセンター(図書室・コンピュータールーム)の有効活用を視野に入れた授業改善を進めてまいりたいと考えています。

ごあいさつ

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 昨年度,教育委員会指導部内に本室が設置されてから,7校(白川小・新道小・六原小・清水小・東山小・洛東中・弥栄中)の教職員と共に,どのような教育を進めていくのかという教育内容についての準備を進めてまいりました。
 これからの時代は,高度経済成長時代とは大きく異なり、普遍的な人権文化の構築など,「物質の豊かさ」から「心の豊かさ」を求める真の民主主義社会の成熟に関わる時代となります。
 このような社会では,今までのように学歴や学校歴だけがものをいうのではなく、まさに個々人の資質や能力だけではなく、主体的に学び続ける意欲や態度,さらには何のために学び,働き,生きるのかという「生き方」そのものを育むことが求められます。
 これらの諸能力や意欲・態度等を育むためには,7校が共にかかえる少子化の問題の解決を図り,まさに「学校を守る」という視点を超えて、「子どもたちの教育環境を守る」という視点が大切です。
 通学区域の拡大や敷地の問題等、様々な課題を乗り越えてでも、今この時に地域や保護者の皆様方が力を合わせられ、東山開睛館の開校に向け大きな一歩を踏み出されたこと、さらにその実現に向け不断に御尽力いただいておりますことに、今更ながら「先見の明」と「大いなる志」を感じるとともに、私どもの職責の重さを痛感する次第です。
 子どもたち一人一人の人格の形成を目指すと共に,我が国,そして社会の一員として求められる資質や能力の育成を目指す,という義務教育の原点に立ち返えった教育実践と共に,子どもたちを中心にすえた,地域をあげてのスクール・コミュニティの創造を皆様方と共にすすめ,児童・生徒の姿を通して,地域に愛され,世界に誇れる学校づくりをめざします。どうぞ力強いご支援,ご協力を賜りますと共に,来春4月開校後は東山開睛館の運営にも積極的にご参画いただき,共に次代を創り地域を担う子どもたちを育ててまいりたいと存じます。
                                
                               平成22年8月25日
                    
          京都市教育委員会 
          開睛小中学校教育企画推進室 室長 初田幸隆

教育目標

■教育の目的

 「共に学び共に創り,夢に挑戦し,未来を切り拓く力の育成」をめざします。

■目指す子ども像(各ステージの具体的なイメージ)

★ファース・トステージ(1〜4年生)
 ◇やればできるという自信あふれる子ども
 ◇いけないことを「いけない!」といえる子ども
 ◇自分大好き,友だち大好き,なかよく遊ぶ子ども

★セカンド・ステージ(5〜7年生)
 ◇わからないことを克服しようと努力する子ども
 ◇下級生を思いやり見守る子ども
 ◇協力してやり遂げる子ども

★サード・ステージ(8,9年生)
 ◇挑戦的に学ぶ姿  
 ◇卑怯を許さない姿  
 ◇つながりを喜びとする姿  
          の各段階,それぞれ3つの姿の実現をめざします。

 子どもたちが生きる社会には,地球的規模の環境問題や経済問題,またそれらに起因する新たな人権上の課題も含め,人類共通の喫緊の課題が山積しています。また,現在の社会は情報化,国際化等が急激に進む社会であり,知識基盤型社会とも言われています。
 これらのことから,社会に求められる知識や技能はもとより,課題発見能力や課題解決能力など,様々な社会の変化に対応できる能力や,社会の中で人とのつながりながら建設的に自らの役割を遂行する市民性の育成が重要な教育課題といえます。
 東山開睛館では,身のまわりの様々な課題を自らの問題として捉えさせ,様々な活動を通して,課題に対する認識や感性を深めながら解決への道筋を展望させます。また,日本のみならず世界に貢献できる人間としての夢や高い志を育て,人生の各段階を生き切るために自らを高め続けようとする態度や,健康,体力を培います。


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