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最新更新日:2025/07/03 |
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桃の節句![]() ところで,『おくのほそ道』の冒頭「月日は百代の……」の最後のところに,主人が替わった芭蕉庵の様子が記されている。「……住める方は人に譲り,杉風(さんぷう)が別墅(べっしょ)に移るに, 草の戸も住み替はる代ぞひなの家 表八句を庵の柱に掛けおく。」とある。これは,これから旅に出る芭蕉が自分の家を出て,他人に譲った庵の様子である。「草の戸」はあばら家で,「ひなの家」はお雛様をかざる家と小さな子どもがいる家となる。「みすぼらしい芭蕉庵も住む人が替わると,お雛様をかざるような子どももいる賑やかな家になったな。」といった意味くらいだろう。旧暦ゆえ,およそ一か月遅れである。 その雛人形は,平安朝では,紙雛で,人形を撫でて災厄を払って,川や海に流す流し雛であった。これは,『源氏物語』にも書かれている。下鴨神社でも流し雛が行われる。今も神社などで,大祓いなどに用いられる形代(かたしろ)として残っている。もともとは立ち雛で,それが座り雛,近世に入ると,段飾りへと変わっていく。なお,京都を中心とする関西では,お内裏様を向かって右に飾り,関東のそれとは違っている。 宮中では,この日,節句の行事として,清涼殿の南庭で,鶏合(とりあわせ)といって,鶏を闘わせていた。今の闘鶏である。これは,唐の玄宗帝が乙酉(きののとり)の生まれで,祖先供養の清明節におこなわれていたものである。また,宮中では,曲水の宴も執り行われていた。 準備![]() さて,その土日は,バンクーバー冬季五輪の女子フィギュアばかりが取り上げられていた。NHKスペシャルで浅田真央選手とキム・ヨナ選手の密着取材の番組をしていた。14歳からのライバルであったが,キム選手は浅田選手のようなトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を飛ぶことはできないということで,飛べるジャンプを確実にし,表現力を高めること,そして,加点に徹底的にこだわることで,自分の演技を高めていったという。そして,選曲でも,あっと驚くような選曲で勝負に出たとも言っていた。こちらは,浅田選手への徹底的なこだわりで,オリンピックに準備万端の用意で臨んでいたように思えた。奇しくも男子フィギュアの銀メダルのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、金メダルのエバン・ライサチェク(アメリカ)も女子フィギュアと同じような展開だったなと感じた。 ところで,キム選手のように出来る,出来ないを,おのれ自身で考え,さっと切替え,できることをしっかりと固めることは,この金曜日に迫った公立高等学校の選抜にも活かせるように思う。じたばたしてももうそこである。不足分はともかく,今ある自分の確実にできるものを落とさないことが大切である。今日から4日間,直前の勉強方法を組み立てて,頑張って欲しい。準備を怠らず,しっかりと進めて欲しい。栄冠は自分自身でつかまなければならない。 |
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