最新更新日:2020/03/25 | |
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きれいな花です(スイレン)
6月も中旬に入ると,本校の(池の環境のある)ビオトープにあるスイレンが咲いていることに気づいてきます(一応,5月から10月にかけて咲くとされています)。本校のスイレンは,見ての通り,きれいなピンクの花弁と黄色の雄しべというとても鮮やかな色の組み合わせをしています。下の写真を見ていただいてお分かり頂けるかなと思うのですが,葉がボロボロですよね。細かくちぎれて水面に浮いているように感じられるものも見えるかと思います。また,葉柄(茎のように見える上に伸びている棒状のもの)のみでその先にあるはずの葉がないものもいくつか見られます。
これらは,13日(金)の大粒の雹(ひょう)の影響です。3cm級の雹が10分も降ればとんでもない被害が出るということです。今咲いている花は,この雹嵐の後でつぼみができたものですからきれいなのです。来月になれば,新しい葉も出てくるでしょうからもっときれいに見られるようになるだろうなと期待しています。 ここから先は,教養です。私たちは簡単にスイレン(睡蓮)と言いますが,実は,スイレンという固有種の植物はありません。スイレン科スイレン属の仲間の総称なのです。日本の固有種としては,ヒツジグサがそれにあたります。温帯性や熱帯性のスイレンの仲間の交配で多くのきれいな園芸種が出回っています。ところでスイレンを有名にした画家と言えば,誰でしょう。フランスの画家クロード・モネですね。40代で睡蓮に興味を持ち,60代から86歳の生涯を終えるまでは,ほとんど睡蓮のみの作品を手掛けるほどの熱の入れようでした。 ところで,ハスはスイレンとどこか似ているとお思いの方がおられませんか。昔は,形態からハスもスイレン科ハス属とされていたのですが,今は,別物として扱われハス科ハス属と独立しています。スズカケノキやヤマモガシの方が近いと言われています。まったく似ているところがないのですけどね…,分子系統学で分類していくとそうなる…。うん?分子系統学?何それ?と思われるでしょうね。簡単に言えば,遺伝子検査です。遺伝子配列を調べてどれとどれが兄弟で,どれとどれが親戚で,と分けていくということです。 捕まえた!(ヤマサナエ)
上の写真は,おそらくヤマサナエであろうと思われるトンボです。頭部胸部のアップですが,口から下に向かって黒と薄黄の模様が広がるように延びています。一体これは何でしょうか。
下の写真を見てください。上と同じものをズームアウトしたものです。何かお分かりですね。そうです。アゲハを捕まえて食べているところです。 トンボの仲間はハンティングがとても上手です。その最大の要因は,高速,急旋回,ホバーリングなど自由自在に飛べるところにあります。4枚の翅をうまく使いこなしており,研究者たちの間ではこの解明に必死です。なんせ,人工の飛行物体を入れても,総合的にこの能力を超えるものはありませんから。 オオゾウムシ
写真はオオゾウムシで,京北地域ではよく目にするゾウムシの仲間です。大きいということも手伝って目立つのだろうと思います。写真のオオゾウムシも3cm級のものです。
各足に内側向きにかぎ爪が延びています。指に乗せて無理に引っ張ろうものなら結構な痛さを伴います。これは,この内側向きのかぎ爪が樹木にしっかりとしがみつけるように発達しているからです。 ゾウムシの名前の由来は,説明するまでもなく,写真を見ていただければ納得していただけると思います。オオゾウムシは,在来種のゾウムシの仲間では最大となりますが,残念なことに,外来種が西日本に入り込んできたので日本一の大きさとはならないそうです。 オオゾウムシの見分けは,先ほどの口先が象の鼻のように長く伸びていること,背中がでこぼこしていて黒い線が入っていること,15mm〜30mmぐらいの大きさであることで分かります。 最後に,捕まると死んだふり(というよりも,私は,石や木片などに成りすましているように思うのですが)をしてじっと動かない面白さがあります。結構長くじっとしています。 芝生などで目立つ花(ニワゼキショウ)この花は,北米からの帰化植物で,芝などに混ざってやってきたのではないでしょうか。観賞用に輸入されたと書いてあるものもあります。やってきた経緯がはっきりしていません。 たくさんの花が長く咲いているように見えますが,実のところ1日花です。上の写真でもわかるように,すでに実が2つ付いています。ということで,今咲いている花は3つ目の花ということになります。一体,いくつの花が咲くのでしょうね。 ニワゼキショウを漢字で書くと庭石菖となります。庭に咲く石菖ということになるのですが,セキショウはショウブ科ショウブ属の花であり,ニワゼキショウはアヤメ科ニワゼキショウ属の花ですので全くの別物です。では,なぜ石菖なのでしょう。ニワゼキショウの葉を見ていただくとそう言えばそのようなと思えるかもしれませんね。ショウブの葉に見た目似ているからということです。 ホンシャクナゲここから先は,興味のある方がお読みください。 ツツジ科ツツジ属の花で,葉に有毒物質があります。たまに,間違って煎じる人がいるようですが,軽くて,嘔吐,ひどい場合には死に至ります。間違える原因は,漢字表記にあります。石楠花(別記:石南花)と書きますが,オオカナメモチの葉も石南葉と表記します。この石南葉は中国で利尿剤として使っていたためで誤用されているようです。 本校にあるシャクナゲは,ホンシャクナゲか,それを基にした園芸品種かどちらかでしょう。セイヨウシャクナゲの葉は裏面も緑色だと言われていますので,日本のシャクナゲと判断できます。花弁の先が7裂しているのがホンシャクナゲ,5裂しているのが,アズマシャクナゲやハクサンシャクナゲですので,7裂していることからホンシャクナゲと特定できます。でも,野生種か園芸種かは,とても特定できません。 枝の先端に散房花序(多数の花が放射状に集まっているさま)が,その下に,葉があたかも輪生(枝の狭い部分に複数の葉が放射状に広がっているようす)しているようについています。 |
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