京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/27
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平成29年度3学期終業式で,こんなことを話しました。

3月20日(火)

8時50分から,3学期の終業式を,各ホームルーム教室にて,放送(音声のみ)により行いました。(降雨の影響でグラウンドコンディションが思わしくなかったため。結局グラウンドで実施出来たのは,2学期の始業式と終業式の2回だけでした。)
 始業式冒頭の校長挨拶では,次のようなことを述べました。
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 皆さん,おはようございます。今日も雨が降ってしまい,残念ながら音声のみの放送となってしまいましたが,終業式に当たり,皆さんに2つのことをお話ししておきたいと思います。

 一つ目は,「挨拶の大切さ」です。
 これまでも,来られたお客様から,「生徒の皆さんから気持ちの良い挨拶をしてもらいました」とお褒めの言葉をいただいていますが,皆さんは「あいさつ」という漢字を書けますか? 
 「挨」も「拶」も本来は「押す」という意味の漢字で,「挨拶」とは,もともと「押し合う」「大勢が押し合って進む」という意味の熟語です。禅宗では,「一挨一拶(いちあいいちさつ)」という語があり,「弟子の悟りの深さを試すための問答」のことです。
 日本では,そこから,日常生活にあてはめて,安否や寒暖のことばを取り交わすなどのお互いの儀礼をあらわすようになりました。後に略されて「挨拶」となり,おじぎや返礼のことも「挨拶」というようになりました。
 挨拶は”相手の心の扉を開くカギ”であるとよく言われます。
 「おはようございます」というのは,「今日もお早いですね。お互いに一日無事で,頑張っていきましょうね」という気持ちが込められたあいさつです。
 挨拶を心がけるだけで,お互いを元気にできます。当たり前のことを忘れずに,毎朝「おはようございます!」と家族や仲間に気持ちを込めて挨拶すると,相手との関係をよりよくできます。「おはよう」という挨拶で,相手の無事を祈り,励ますことになり,良い一日をスタートできます。元気に相手と言葉をかわして,元気を分かち合いましょう。
 また,他者だけでなく。自分にも挨拶すると,自分の中にエネルギーをチャージできます。朝起きたら,顔を洗う前に鏡の中の自分に向かって,笑顔で「おはよう」と声をかけてみましょう。これを習慣にするだけで自分を幸せにできます。
 「心のドアノブは内側にしかついていない」ともいいます。互いに心の扉を開きあい,これまで以上に元気な挨拶を交し合える学校にしたいものです。

 二つ目は,明後日22日(木)に告示され,投開票が4月8日(日)に迫ってきた京都府知事選挙に関連した話題です。
 今度の選挙では,現2年生で誕生日が4月9日までの人には,選挙権があります。本校では4人ほどだったと思いますが,せっかくの権利をしっかりと行使するようにまずはお願いしておきたいと思います。
 また,ついこの前の3月13日,成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案が閣議決定されています。今の国会で成立すれば,2022年4月から施行される見通しです。「成人」となるのはもうすぐです。「大人」としての自覚と責任,また選挙権をめぐる日本や世界のこれまでの歴史についてもぜひ考えをめぐらせてください。
 それと,先ほどの知事選の話題に戻りますが,くれぐれも「選挙違反」をしないように気を付けてください。こう言っても,皆さんには「自分に関係のないことだ」と,ぴんと来ないかもしれませんが,選挙権年齢に達しない者は,選挙運動を一切することができません。
 とりわけ注意しなければならないのは,インターネットを使った選挙運動です。
 たとえば18歳の高校生が投票を呼び掛けた書き込みを,17歳以下の同級生や下級生がツイッターでリツイートしたり,フェイスブックでシェアしたりしたら,「選挙運動」とみなされます。こうしたネット上の行為は,つい行ってしまいがちなので,くれぐれも気を付けてください。

 最後になりましたが,
 「才能の差は小さいが,努力の差は大きい。継続の差はもっと大きい。」という言葉があります。将来のビジョンを明確に見据えながら,ひたむきに元気に挑戦し続けてほしいと思います。
 明日からの春休みが,次年度を充実させるための準備期間となることを期待して,私からの話を終わります。

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【校長室から】合格者登校日で,こんなことを話しました。

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 3月19日(月)は朝からあいにくの雨模様でお足元の悪い中でしたが,午前中,第1回合格者登校日の諸行事を行いました。保護者の皆様とともに会場(本館3階の旧体育館)に入られる合格者の皆さんは,緊張の中にも,これから始まる新しい日々への期待と希望がみなぎる面持ちでした。
 冒頭の挨拶では,中学から高校へと移行する際の「意識の切り替え」の大切さと,「努力すること,そしてその努力を積み重ねること」の大切さを中心にお話ししました。
 また,本日お渡ししました「入学の手引」では,次のような言葉を入学予定の皆さんに贈りました。
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 まずは,「夢(5年後・10年後,自分はこうなっているという強いイメージ)」や「人生の目的や意義」をしっかりと思い描いてください。“この時代,この場所に生を受けて,自分はこの地球のどこで,何をなすべきなのか”という人生の長期的なビジョンを,入学までの間にじっくりと考えてみましょう。成長するとともにその中身は変わっていくかもしれません。それでも,今この時点での「未来のなりたい自分・目指す姿」を考え,イメージすることで,「そのためには何をすべきか」が明確になります。
 夢をかなえるに当たって基盤となるのは,日々の高校生活の充実です。授業や家庭学習といったことはもちろん,部活動・ボランティア活動といった課外活動等にも積極的に取り組み,いろいろなことに「挑戦」してください。大切にしてほしいのは,勉強・部活動・その他何事に対しても,与えられたことを無自覚にこなす「待ち」の姿勢ではなく,興味・関心・好奇心を全開にして主体的・自主的に行うという意識です。
 (中略)
 “未来の自分”の可能性を狭めることのないよう,自分の実現したいことを思い描きながら,日々着実に歩みを進めてください。
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 平成30年度入学生となる皆さんの活躍を期待しています!

平成29年度卒業式で,こんなことを話しました。

 本日は3月1日。七十二候では「草木萌え動く」[第六候]の始まりの日です。
 昨夜からの激しい風や雨で天気が心配でしたが,風は相変わらず強かったものの,お蔭様で開式前には雨も止み,まずまずの天気で卒業式を迎えることができました。
 保護者の皆様,お忙しい中多数御参列くださいまして,誠に有難うございました。会場の大きさの関係からすべての方にお座りいただくことができず,御不便をおかけしまして,誠に申し訳ございませんでした。
 また,京都市教育委員会,地元祥栄学区自治連合会長様をはじめ,PTA・同窓会・愛校会等,御来賓の皆様にもご多用中のところ多数御臨席賜りまして,誠に有難うございます。
 本校着任後初めての卒業式に臨んだわけですが,厳粛な中にも温かみのある,塔南らしさがにじみ出た素晴らしい式だったと思います。
 「式辞」は,次のような内容でした。

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平成二十九年度卒業証書授与式「式辞」

 卒業生の皆さん,御卒業おめでとうございます。
 皆さんは,この3年間,学業,学校行事,部活動,ボランティア活動等に全力で取り組み,充実した高校生活を送ってこられたことと思います。本日のこの喜びは,皆さんのたゆまぬ努力の結果であることは言うまでもありません。加えて,この時を迎えることができたのは,皆さんのことを絶えず気遣い支えてくださった,御家族をはじめとする周囲の方々の励ましがあったからだと思います。また,世界に目を向ければ,皆さんと同じような年代であっても,戦争や病気の蔓延等によって明日の命さえ保障されず,将来の希望を描くこともできない子どもや若者が多く存在しています。この節目のときに当たり,多くの人々の支えの中で安心して学校生活に集中できる環境にいられたことの素晴らしさ・有難さを,しっかりと胸に刻んでほしいと思います。

 さて,現代は「VUCAワールド」,つまり,予測不可能な変化の激しい社会であると言われるように,日本や世界は大きな変革期にあります。
 特に日本国内では,2036年には国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者になると推計されています。その後も少子化の流れとも相まって,総人口は減少しながら高齢化率は上昇を続け,人手不足や過疎化がさらに深刻化し,まちや社会のかたちも大きく変わっていくはずです。政府や産業界では「Society5.0」と銘打って「超スマート社会」の構築を模索しています。今後,IoT(Internet of Things),ロボット,人工知能(Artificial Intelligence),ビッグデータ等がさらに進展・連携し,それらを活用することによって,人工知能やロボットが得意なことはそれに任せて業務を効率化し,人間は人間にしかできない創造性が求められる分野に専念するようになるなど,仕事の質も変わっていくことでしょう。

 こうした状況の中で,今後一層大切になるのは,失敗を恐れず,一歩踏み出し挑戦する勇気,チャレンジ精神です。先が見通せない時代だからこそ,挑戦してみる価値や面白さがあります。日本という枠にとらわれず,実際に世界のありようを自らの目で見,肌で感じて,世界をフィールドに活躍してください。「そこ」には,書物や映像・ネット上では,伝える側が設けたフィルターでブロックされた,雑多な,あるいは伝える側にとって都合の悪いことも含めて,まるごとの現実がころがっています。五感をフルに働かせる中で,みずみずしい感性で社会課題に気づいたとき,それを他人事として無関心になるのではなく,自分のこととしてとらえ,文化的背景が異なる他者や集団とともに課題に取り組み,斬新な発想で問題を解決していってほしいと思います。ときには失敗するかもしれませんが,その経験が皆さんの将来の糧となるはずです。失敗を恐れず,自分と社会のあるべき姿,理想を追い求めてください。
 その際,大切にしてほしいのは,「自己の力を自分のためだけに使うのではなく,社会に活用・貢献して人の役に立ちたい」という気持ちです。「自分さえよければよい」という姿勢ではなく,自分の良心に正直に,「人とともに」「人のために」という気持ちで,「与えることのできる人」になってください。皆さん一人一人に備わっている「良心」や「人間的な善さ」をこれからも大いに発揮して,人間的魅力を高めてください。

 次に申し上げたいのは,「学び続けること」の大切さです。好奇心をフルに働かせて,知識や技術の引き出しをできるだけたくさん持つように心掛け,生涯を通じて精神的に豊かな人生を送ってほしいと思います。「人生100年時代」とも言われています。今やインターネットで大学の講義が無料で受けられる時代です。「MOOC(Massive open online course)」という大規模公開オンライン講座に世界中の大学が参加していますし,日本でも,たくさんの大学のサイトに,オープンコースウエアのページがあります。その他,趣味や地域コミュニティーの行事等にも積極的に取り組み,各自の裾野を広げていってください。学ぶと言えば,皆さんに特にお願いしておきたいのは,自らが拠って立つ日本の歴史や文化はもちろんのこと,諸外国の歴史や文化にも通じ,自分の言葉で語れるようになってほしいということです。世界中がネットワーク化され関係が深まっている中,互いの文化や歴史について存分に語り合い,新しい気づきを得たり理解を深め合ったりするのは大切ですし何より楽しいことです。とりわけ,皆さんは,ここ京都で生まれ育った若者です。京都生まれのアドバンテージを活かしながら,文化を異にする人と交流するときにも,実感のこもった言葉で,日本や京都の歴史・文化・魅力を語ってください。

 最後になりましたが,高いところからではございますが,保護者の皆様に一言御挨拶申し上げます。本日は,お子様の御卒業まことにおめでとうございます。高校生という多感な時期を送るお子様に,ある時は厳しく,ある時は温かく寄り添いながらの3年間であったと思います。立派に成長されたお子様が新たな旅立ちを迎える今日,まさに感慨無量でいらっしゃることと拝察いたします。これまでの,本校の教育活動に対する温かい御支援・御協力に,厚く御礼申し上げます。

 それでは,卒業生一人一人の新たな一歩と,それに続く輝かしい未来に大いに期待して,式辞といたします。

                     平成30年3月1日
                     京都市立塔南高等学校
                        校長 小野恭裕
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 卒業式及び各クラスでの最後のホームルーム終了後の,校門付近の様子
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京都市立塔南高等学校
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