京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/09/19
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平成31年度入学式で,こんなことを話しました。

 本日は4月8日。二十四節気では「清明(せいめい)」に当たる期間で,七十二候では,「玄鳥至(つばめきたる)」から「鴻雁北(こうがんかえる)」へと移り変わるころです。
 前日から雨が降り,天気が心配されましたが,お蔭様で清々しい晴天のもと,「平成」最後となる第57回入学式を,厳粛に終えることが出来ました。
 保護者の皆様,お忙しい中多数御参列くださいまして,誠に有難うございました。会場の大きさの関係から御不便をおかけしまして,誠に申し訳ございませんでした。
 また,京都市教育委員会,PTA・同窓会・愛校会等,御来賓の皆様にもご多用中のところ多数御臨席賜りまして,誠に有難うございます。
 「式辞」は,次のような内容でお話ししました。

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平成31年度入学式「式辞」

 春爛漫の今日の良き日に,平成31年度京都市立塔南高等学校第57回入学式を挙行するにあたり,京都市教育委員会をはじめ,多数の御来賓並びに保護者の皆様の御臨席を賜りまして,高いところからではございますが,厚く御礼を申し上げます。
 先ほど入学を許可いたしました240名の新入生の皆さん,入学おめでとうございます。皆さんは,前期選抜,中期選抜の難関を突破して,本校に入学されました。そのことに誇りをもって,この塔南高校で勉学や部活動にしっかりと取り組み,自らの可能性に挑戦してほしいと思います。
 先ほど歌いました校歌の中に,創立以来半世紀にわたり,本校が大切に守り続けてきた理念があります。それは,「知性」「誠実」「世界の文化」です。この三つは,創立以来一貫して塔南高校教育の根幹をなしてきました。
 一つ目の「知性」とは,単なる「知識」や「知能」ではなく,「物事を知り,考え,判断する力」のことです。つまり,「答えのある問い」が与えられたときに正しい答えをいち早く見出す,といった力ではなく,「ビジョンを持って,正解のない問いに積極果敢に挑戦する人間力」であり,これからの時代にまさに求められている力です。志を高く持ち,生涯を通じて知性を磨き深めていってください。
 二つ目の「誠実」は,自分に対して誠実であれ,他人に対して誠実であれ,という皆さんの生きる姿勢を示したものです。私たちは,時として自分勝手な思い込みをしたり,自分勝手な行動をしたりして,他人に迷惑をかけることがあります。「誠実」とは,これらを戒め,規律を守り思いやりの心をもって誠実に生きることにより,心豊かで幸福な社会を作っていこうとするものです。
 三つ目の「世界の文化」は,皆さんに世界の文化の発展に貢献できる人になってほしいという願いとともに,日本の文化,とりわけ京都の文化を世界に発信できる人材になってほしいとの願いも込めた言葉です。
 今,世界は変化が激しく,不確実で,複雑性に満ち,まさに混沌の中にあるといっても過言ではありません。人々の価値観の多様化が叫ばれて久しく,自然は人知の及ばぬ力をもって,人々の心を震撼させています。
 皆さんは,この時代を,自らの判断と決断に基づいて力強く生き抜いていかなければなりません。そこで,これから高校生活を送る新入生の皆さんに,一つ,お願いをしておきます。
 それは,「自分の中に限界を設けず,何事にも積極的かつ貪欲に取り組んでほしい」ということです。
 夢や目標を設定するときには,「自分にできそうだ」と思えることよりも少し高い目標にすることが大切です。一度決めてしまうと,目標を上方修正するのはなかなか難しいものです。
 去る3月21日をもってプロ野球の世界から引退したイチロー選手は,記者会見の中で,次のように述べていました。「あくまでも,はかりは自分の中にある。自分の限界を見ながら,ちょっと越えていくということを繰り返していく。そうすると,いつの日からかこんな自分になっているんだ,という状態になっている。だから,少しずつの積み重ね,それでしか自分を越えていけない」と。もちろん,私は,体や心を痛めるまで限界に挑戦せよといっているのではありません。もう無理,もうできないと思ったとき,本当に限界なのかと自らに問いかけ,もうひと踏ん張りして乗り越えることでつかむことができるもの,得るものがきっとあるはずです。自分の可能性に大いに期待し,現在できることに最大限挑戦してください。
 高校の三年間は,わずか千日ほどです。授業や家庭学習といったことはもちろん,部活動・ボランティア活動といった課外活動等にも積極的に取り組み,いろいろなことに挑戦してください。大切にしてほしいのは,勉強・部活動・その他何事に対しても,与えられたことを無自覚にこなす「待ち」の姿勢ではなく,興味・関心・好奇心を全開にして主体的・自主的に行うという意識です。また,芸術に触れて感性を磨いたり,「誠実さ」「ひたむきさ」「共感力」「思いやり」等といった人間的善さを高めたりもしてほしいと思います。
 最後になりましたが,高い所からではございますが,保護者の皆様に一言御挨拶申し上げます。本日は,お子様の御入学誠におめでとうございます。高校三年間は,人生の方向を決定する大事な時期です。私たち教職員は,お子様が自ら生きる道を切り拓いていけるよう,全力を尽くしてまいります。お子様の健全な成長を望み,豊かな個性を育てていくためには,学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながら,連携を密にしていくことが重要であると存じます。学校の方針を御理解いただき,御支援と御協力を賜りますよう,お願い申し上げます。
 新入生の皆さん,いよいよ塔南高校生としての生活が始まります。皆さんの高校生活が,元気で楽しく充実したものとなることを心から願って,式辞といたします。

 平成31年4月8日
                   京都市立塔南高等学校長
                         小野 恭裕

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[写真]
 左 新入生代表宣誓
 右 第1学年担任団紹介
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