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最新更新日:2024/06/28 |
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校長室から 9月
校長室より・・・・・「勉強しないで困る」という前に?
「子どもが勉強しなくて困る。」というのは,多くのお家の方の悩みです。勉強しないと後になって子どもが困るのではないか。将来取り返しのつかない損失を被るのではないか。そういう思いから心配が募る方も多いでしょう。また,「夏休みになり学校の学習がないと,まったく勉強しない。」この一か月の夏休みの間にもそのようなお気持ちを持たれた方も多くおられることと思います。 「勉強」と一口にいっても小学校に入る前,小学校,中学校,高校と,そして大学や専門学校等,それぞれの時期でする学習や意味も全く変わってきます。たとえば,小学校に入る以前の学習は,体全体を通して学ぶ豊かな感性や生命に対する畏敬の念などの存在感覚を育てることが,おそらくこの時期の大切な「勉強」となるでしょう。だからこの時期に全身を使って遊ぶことや自然と触れ合って山野を駆け回ることなども大切な成長の歩みにほかなりません。小学校に入ると机に座って学習するスタイルの「勉強」が主体となってきます。「算数」「国語」「社会」「理科」など教科に分かれた学習を積み上げていくことになります。 そこで,「子どもが勉強しなくて困る」という前に,子どもが学習するための「よき環境」に自分がなってみてはいかがでしょうか。夕食をかたづけた後のテーブルの上でもよいので,自分も読書をしたり趣味の本を読んだり・・。自分の関心のあることや些細なことでもよいので,「自分なりの目標をもって」やってみることをお勧めします。美術や文学など,興味のあることを調べ研究してみることもよいと思います。喜びと共にお家の人が「勉強」すればするほど小さい子どもは,きっと一緒になって勉強したがることと思います。小さい子どもは家族と一緒に何かをするのが結構好きなものです。それは単なるものまねではありません。家族の後ろ姿を見て,写し取っているのだと思います。成長してある程度「自分」をつくってしまっている高学年の子どもの場合では,直接の影響は顕著に現れないかもしれません。 でも,それも決して影響がないのではありません。親の生きている後ろ姿や人間のかかわりを見て,自分の将来の生き方に気付かないうちに影響をうけているものです。 機械文明の前進と社会環境の変化は,家庭生活にも大きな変化をもたらしてきました。家事の多くの部分は自動化されて,ここ50年の間にも比較にならないほど便利になりました。食事一つとってもそうです。食品も,たくさんの種類が出回り,でき合いのものから様々な食材まで本当にたくさん出回っています。では,家事に追われないで暇ができたから,今まで述べてきたことがすぐできるかというとそうではありません。その分家計を助けるために両親とも働きの家庭が多くあるのが現状で忙しいご家庭が多いように思います。 そんな中で無理な注文かもしれませんが,まず私たち「周りの大人がよき環境となっていくこと。」に挑戦してみませんか。子どもたちに,「早く勉強しなさい。」という前に・・・・。子育ては非効率的で面倒で見返りが少なく時間がかかるものという見方が多くあります。しかし,それは創造的でとっても偉大な事業です。なぜなら日本や世界の未来は,今の子どもたちの活躍にかかっているのですから。まさしく「子どもは未来そのもの」です。物は大量生産できても人間はそのようにはいきません。子どもは手間暇かけてしかなかなか育たないものです。一歩一歩共にがんばりましょう。 今回はちょっとまじめな話を書きましたが,「チェンジ・マイセルフ」から……。 |
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