最新更新日:2024/09/11 | |
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校長室から 〜11月〜 『「?」と「!」』
お店に行くと,ハロウィンのディスプレイが施され,ハロウィンに向けての商品が並んでいます。10月31日は「ハロウィン」です。私が子どものころ日本では,ほとんどの人が知らなかったと思いますが,商品の宣伝がされ,テーマパーク等で特別な企画が行われる中で,今はクリスマスと同様に,すっかり定着しているようです。ところで,この「ハロウィン」って,何なのでしょうか。
「ハロウィン」は,古代ケルト人が起源と考えられ,もともとは秋の収穫を祝い,悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事だったようです。ケルト人の1年の終わりが10月31日で,この日,死者の霊が家を訪ねてくると信じられていました。また,死者の霊と一緒に出てくる悪い精霊や魔女から身を守るために,魔よけのたき火をしていたそうです。「ジャック・オー・ランタン」と呼ばれる,「ハロウィン」でよく飾られる,かぼちゃをくり抜いて作った顔の中にろうそくを立てた提灯のようなものは,死者の霊を導いたり,悪霊を追い払ったりするための,このたき火に由来すると言われています。「ハロウィン」は日本の「お盆」と少し似ているところがあるのかもしれません。 その後,アメリカに伝わり,そして日本に伝わってきた「ハロウィン」は,もともとの意味合いからはずいぶん形を変えて,「楽しい行事」として行われているようです。すっかり日本に定着した感じのある「ハロウィン」ですが,「なぜ?」という疑問を持って調べてみると,知らなかったことがたくさん分かってきました。この「なぜ?」という疑問を持つことは,とても大切なことなのです。 普段の生活の中に,「なぜ?」はたくさんあります。「なぜ,こわい格好の仮装をするの?」「『Trick or Treat(トリック オア トリート)』と言って,子どもたちが近所の家からお菓子をもらうのはどうして?」「日本に伝わってきた『ハロウィン』は,どんな特徴があるの?」ハロウィンに関する「なぜ?」でも,まだまだあると思います。つまり,どれだけ「?」を見つけることができるか,「?」を持つことができるかということなのです。 先日,ノーベル生理学・医学賞を受賞された本庶佑(ほんじょたすく)さんは,「人が言っていることや教科書に書いてあることを,すべて信じてはいけない。」と述べられています。私たちが「あたりまえ」と思っていることの中にも,「?」を見つけることは,できるのかもしれません。子どもたちには,たくさんの「?」を見つけることができる人になってほしいと思います。そして,その「?」を「分かった!」につなげていってほしいと思っています。「学習」の本当の姿が,そこにあるからです。 本庶さんは,小学生のころ,「土星の輪が,なぜああいう風にできるのか」が知りたかったそうです。この小学校の時に見つけた「?」が,今の研究に向かう姿勢へと,つながっているのかもしれませんね。 |
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