最新更新日:2022/03/25 | |
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児童期の心理的特徴と子育て(中学年 小学3・4年生)
小学3・4年生では,理科や社会科が登場し,実験や観察,見学などの学習活動が増えます。各教科の学習内容に言語的要素が増大し,それに伴い,教科の好き嫌いが現れ始めます。3年生では,国語でローマ字の学習が登場し,毛筆を使用した書写も行われます。算数では少し複雑な加減乗除の計算や分数・小数,面積や体積などの学習が行われますが,つまずきがあれば,早期に回復することが4年生以降の学習にとって必要になります。
中学年になると,知的好奇心も高まり,活動範囲も広がります。4年生頃から「ギャングエイジ(徒党時代)」と言われる時期になります。仲の良い,主として同性の5〜6人程度のグループを構成し,合いことばで会話をしたり,秘密基地(河原の土管の中や橋の下,たけ藪や神社)を設定したりします。親の干渉から逃れたい,自立したい気持ちが強く生じ,グループの強い結束力を示します。グループの中で,社会的規律や人間関係の構築の仕方を学び,責任感を持つことができるようになります。子どもが発達するために通過すべき発達課題の1つと言えるでしょう。時には,いたずらや反抗的な行動をすることもありますが,親として温かく見守ってあげましょう。「ギャングエイジ」は6年生ごろまで続きます。 この時期は,自己評価ができるようになり,自分の長所や得意なこと,自分の短所や苦手なことなどに気付くようになり,優越感や劣等感が強まり,些細なことでも一喜一憂することがあります。保護者としては,短所や苦手なことに目が向いて注意をしてしまいがちですが,長所や得意なこと,頑張ったことなどをほめてあげて,達成感や成就感を持たせるようにしましょう。 発達心理学では,「9・10歳の壁(節)」という言葉があります。この言葉は,子どもにとって,9・10歳の発達課題を乗り越えることの重要性を指摘しています。創造性の発達を調べた研究では,小学4年生頃には創造性の発達が停滞したり,時には,退行したりする現象が見出されています。図画工作や音楽などの芸術系教科が,不得意になったり,苦手意識を持ったりすることがあります。 |
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