京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2022/03/25
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静原に関わる全ての皆様,無事に閉校式を終えることができました。ありがとうございました。

NIE(新聞教育)を通して自分の思いや考えを豊かに表現する

1.はじめに
本校は,NIEを研究の柱に据えて2年目となります。小規模校という特徴を生かし,全校でNIE活動に取り組んできました。低学年から高学年まで,学年に合わせて,新聞活用,新聞作成,朝学習(NIEタイム)の観点でそれぞれ学年の発達段階に応じた目標を立て,1年間を通して取り組むことができました。
2.実践の概要
1.NIEタイム
月・水・金曜日の朝学習の時間(8:35〜45)を新聞スクラップ学習の時間に設定しました。スクラップした記事は,全校児童の作品を廊下のフリースペースに掲示し,他学年の友達の作品を自由に読み合い,考えを広げています。また,学年の実態に応じて,朝の会では,1分間スピーチや,スクラップ記事の紹介スピーチ等の方法で,自分の得た情報を発信し,意見を交流できるようにしています。さらに,毎月1回の「静原タイム」では,3〜4人ずつ,全校児童の前でオススメの新聞記事を紹介し,感想や意見を交流する取組も行っています。
 これらの取組から,新聞を自分から読む習慣がつき,辞書の積極的な活用へとつながっていきました。社会への関心が高まり,児童の間で記事に関する話が聞かれるようになりました,など児童の考え方にも広がりが見られるようになってきました。
2.NIEを活用した授業実践
 この1年間で,各担任が校内研究授業を1回,12月の授業参観で1回,2月の支部自主研究発表会で1回の計3回,授業研修を行なってきました。校内研究では毎回,京都文教大学の橋本准教授にNIEに関してのご指導をいただきました。
また,教育委員会からは,教科ごとに担当主事の方に来ていただき,研鑽を図ってきました。実践を通して,“各教科・領域の目標を達成するために効果的に働くNIEの活用”という視点で教職員全体が意思統一を図って研究を進めていくことができるようになってきました。
3.新聞作成の取組
 全学年で,はがき新聞(農業新聞・おすすめ読書新聞)に取り組んできました。自分の思いをコンパクトにまとめる練習を積み重ねることで,どの学年も児童の書くスピードが上がり,書くことに対する抵抗が減ったと感じます。また,B4やA3サイズの学習新聞,壁新聞も各学年,積極的に「まとめ型新聞」や「発信型新聞」として活用しました。
3.成果と課題
 新聞を通して,書く力の向上,自分の思いを持ち表現する力の向上が見られました。児童の作品が,スクラップコンクール,はがき新聞コンクール,新聞作成コンクール,まちかど生き物マップコンクールなどで数々受賞するなど,NIEの成果を発揮することができました。また,新聞を当たり前のように読む習慣は全校的に身についてきました。NIE教育は継続して取り組むことで,考える下地を固めていく学習であると考えています。次年度以降も,どの教師でもどの学校でも取り組めるNIEの学習方法を模索し,実践につなげていきたいと思います。また,NIEのカリキュラム化,家庭との連携(ファミリーフォーカス),発信する場の設定など新たに見えてきた課題もあります。これらの課題をふまえ,社会への関心を高め,自ら考えて表現していくことのできる児童を目指してさらに取組を高めていきたいと考えています。

小中連携事業「輝け,洛北の輪」

 1月21日(火),洛北中学校を会場にして,小中連携事業「輝け,洛北の輪」の取組が行われました。洛北中学校下の,岩倉南小・明徳小・岩倉北小・市原野小・鞍馬小・静原小の6つの小学校の6年生300名余りが参加しました。児童は,同じ学校同士ではない10クラスに分けられ,小学校の先生の指導による「外国語活動」,中学校の先生の指導による「国語・社会・数学・理科」の授業が行われました。知らない友達と一緒に受ける授業,他の小学校の先生の指導による授業,中学校の先生の指導による授業。どれも子どもたちにとっては,とても新鮮な取組であったようです。また,中学校進学に向けた不安(中学校に進学して友達ができるか,中学校の学習は難しくないか,中学校の先生は厳しくないか等)が,払拭され,中学進学に向けた期待が大きく膨らんだ取組であったと思います。
[児童の感想]
*「輝け,洛北の輪」の企画があってとても良かったと思います。なぜなら,いきなり多人数のクラスに入学して勉強するよりも,事前に体験しておいた方が馴染みやすいからです。
*洛北中学に入る6校が集まり,中学校でどのように授業するのかをやってみました。外国語活動の授業では,最後には,英語で自己紹介ができるようになり,とてもうれしかったです。数学では,図形の勉強をしました。とても難しかったけど,同じグループの人と結構喋れたのでうれしかったです。帰りの電車では,市原野小学校の6年生としゃべりました。とても楽しい中学の勉強でした。
*小学校と中学校の授業の違いは,小学校は手を挙げて自分の意見を発表するけれど,中学校は,あまり手を挙げて発表することはなくて,自分の思っていることをノートにまとめて行くところです。初めて,32人という人数で授業を受けました。静原小学校は少ないので,全員違うクラスに分かれたので,すごくドキドキしました。ちゃんと授業についていけるかと,とても心配だったけど,とても楽しく,そんな心配は吹き飛びました。あと2ケ月で中学校に行くんだなあと思うと,早く中学へ行きたいという気持ちでいっぱいです。中学校では,たくさん友達を作りたいと思います。
*私は,中学校の授業を受けて,中学校の学習ペースは少し早いと感じました。今日,社会科の学習の時に,4人グループでの活動がありました。いくつかのグループが先生から言われた事ができれば,他のグループができるのを待つ時間なしに授業が進んで行ったので,私は,ペースが速いと思いました。4月からは本物の洛北中学生なので,小学校での復習や中学校の予習などもしっかりとおきたいと思います。今日の「洛北の輪」はとても楽しかったです。
*教室へ入って自分の席へ座ると,緊張して体が固まりました。いつもなら9人の授業だけど,今日は約30人での授業というのは,初経験でした。中学校の先生からは,理科の授業をしていただきました。私の中学校の先生のイメージは,とても怖そうな顔をしていて,授業をどんどん進めて行くような先生でした。しかし,イメージとは全く反対で,とても面白くて分かりやすく楽しい授業でした。45分間はあっという間に過ぎてしまい,もっと授業を受けたい気持ちでいっぱいでした。中学生に近づくにつれて大きくなっていった授業への不安は,全くなくなり,とても楽しみになりました。今日は,とても勉強になりました。
*今日の体験で,前よりも中学に行きたいという思いが高まりました。グループごとに話し合う学習もすごく楽しかったです。早く洛北中学に行きたいです。

花背山の家野外活動学習

平成25年度     『花背山の家』野外活動学習
1.日 時   平成25年1月27日(月)〜29日(火)       
2.行き先   京都市野外活動施設「花背山の家」
        〒601−1105 京都市左京区花背別所町399番地
        TEL 075−746−0717(代) FAX 075−746−0392
3.目 的   ・野外の生活を通して,自然の素晴らしさを見つけ,自然を愛する心
や自然を大切にする態度を養う。
        ・野外の活動を通して,健康な心身を育てる。
        ・活動するなかで,自分の責任を果たすことの大切さや協力すること
の素晴らしさ,友だちのよさを見つける。
4.主な活動内容 ソリあそび ノルディックスキー アルペンスキー
 
活動内容
1月27日(月)
8:35 上の町集合
50 学校集合 
9:04 京都バス乗車
24 市原駅前から広河原行き乗車
10:30 入所式(オリエンテーションホール)
11:00 そり遊び 花背山の家(雪なしの時 フライングディスクゴルフ)
(雨の時 館内ラリー)
12:00 昼食(持参弁当)(6棟ミーティングルーム)
13:00スキーオリエンテーション
30ノルディックスキー(山の家グランド) (雪なしの時冬のスコアオリエンテ
ー リング)(雨の時プレイホールでボルダリング)
17:00〜30 夕食  (9.10番テーブル)
18:00 入浴
30 入浴終了
19:20〜キャンドルファイヤー(第4研修室)
20:00 反省会 (第4研修室)
15 ハガキ新聞作成
21:30 就寝準備(6棟)
22:00 就寝

1月28日(火)
6:30 起床 洗面 清掃
7:10 朝の集い(オリエンテーションホール)
7:30 朝食
8:50 ノルディックスキー (ゴシ谷コース)(雪なしの時 ゴシ谷コースハイキング)
(雨の時 五感ジャーゲーム)(雨の時プレイホール)
12:20 昼食
13:45 アルペンスキー  (ゲレンデスキー場)
(雪なしの時 自然観察)(雨の時 クラフト)
16:00 入浴
17:10 夕食
18:30 星の観察(玄関前)(雨の時 ゲーム大会 第4研修室)
20:00 反省会 (第4研修室)
15 ハガキ新聞作成
21:30 就寝準備(6棟)
22:00 就寝

1月29日(水)
6:30 起床 洗面 清掃
7:10 朝の集い(オリエンテーションホール)
7:30 朝食
8:30 荷物整理〜9:00 6棟を出て荷物を1〜3番研修室前5番札に
9:00 スキー オリエンテーション
45 アルペンスキー  (ゲレンデスキー場)
(雪なしの時 フライングディスクゴルフ)(雨の時 館内ラリー)
12:00 昼食
50 振り返り(第4研修室)
ハガキ新聞作成
14:10 退所式(第4研修室)
40 山の家発
57 山の家前から京都バスに乗車
15:37 市原駅前 着
16:00 学校着 解散  




人権教育の取組

「人権教育」の取組(「京都市人権教育指導資料集」より)
 人には,人間らしく生きる権利「人権」があります。「21世紀は人権の世紀である」と言われていますが,人が人として尊重されることを,21世紀は目指しています。それは,前の20世紀が,それとは反対に,「戦争の世紀」であり,人権が大切にされない世紀であったことを反省し,国際連合において世界人権宣言が採択されたからです。採択されたのが,12月であったため,12月が「人権月間」と呼ばれるようになりました。
 小学校においても,人権を大切にする教育を行っています。その取組は,「人権教育」と呼ばれています。具体的には,「女性差別」をなくすための「男女平等教育」,「障害者に対する差別」をなくすための「総合育成支援教育」,在日韓国・朝鮮の人々に対する「民族差別」をなくすための「外国人教育」,「同和問題」の解決を目指した「同和問題指導」などの取組が行われています。それぞれの取組の内容や児童の変容については,冊子にまとめたものを,後日配布させていただく予定をしています。
○「男女平等教育にかかわる学習」 
 女性の地位向上と男女平等を目指した国際社会の取組は,昭和50年の「国際婦人年」を契機に大きく展開されてきました。京都市においては,昭和57年に「婦人問題解決のための京都市行動計画」の策定を始め,平成14年には,「きょうと男女共同参画推進プラン」さらには,平成15年に,市民や事業所とのパートナーシップのもと,男女共同参画社会づくりを総合的かつ計画的に推進する新たな指針として「京都市男女共同参画推進条例」を制定し取組の推進を図っています。学校教育においても,男女が共に男女共同参画社会の担い手として尊重,協力し合いながら,健康で明るい家庭,社会生活を営むことのできる能力や態度の育成を図る取組を行っています。
○「総合育成支援教育にかかわる学習」
 国連は,昭和56年を「国際障害者年」とすることを決議し,各国において障害者福祉を推進するよう提唱しました。これを受けて,国においては,昭和57年に「障害者対策に関する長期計画」や平成7年「障害者プラン(ノーマライゼーション7か年戦略)」を策定し,平成16年には,「障害者基本法」が改正され,障害を理由とした差別をしてはならないことが明記されました。京都市では,障害のある市民の社会への「完全参加と平等」の実現を図るため,昭和58年「国際障害者年京都市行動計画」を策定,平成4年には,社会情勢等に即して改正を加えた「国際障害者年第2次京都市行動計画」,平成10年には,同計画の重点施策実施計画として「京都市障害者いきいきプラン」を策定し,取組が進められてきました。学校教育においては,障害についての理解や認識を深める学習を進めるとともに,互いの人権を尊重し合いながら,共に成長し合える態度の育成を図っています。
○「外国人教育にかかわる学習」
 昭和23年国連総会において「世界人権宣言」が採択され,我が国においても「国際人権規約」をはじめとする人権に関する条約が多く批准され,在住外国人の法的地位と権利擁護のための法的整備が進められています。京都市においても,平成9年に『京都市国際化推進大綱』を策定し,本市にくらす外国籍の人々を国籍の異なる市民であるという意味で「外国籍市民」と位置づけ,全ての人々の人権を尊重し,「共に生きる社会」の実現を図る取組を推進しています。学校教育においては,平成4年に『京都市立学校外国人教育方針〜主として在日韓国・朝鮮人に対する民族差別をなくす教育の推進について〜』を策定し,平成11年には『指導の重点』にも「外国人教育」の項が設けられ,各学校において外国人教育の取組が一層進められてきました。今日の国際化の進行と,人権の確立した社会の構築を目指す世界的な潮流の中で,全ての児童・生徒が民族や国籍の違いを認め,相互の主体性を尊重し,共に生きる国際協調の精神を養うことは極めて重要です。同時に,とりわけ在日韓国・朝鮮人に対する民族差別をなくすことを目指すという視点も,今後の外国人教育の取組を充実していく上で,重要なことです。
○「同和問題にかかわる単元の指導」
 同和問題にかかわる単元の指導は,小学校では昭和49年度,中学校では昭和50年度に社会科の教科書(小学校では第6学年)に同和問題にかかわる内容が取り上げられた時から始まります。これを契機に,小学校では社会科の時間を中心に,中学校では社会科の時間や「学級活動」の時間を中心に同和問題指導が続けられてきました。この間,指導法の工夫・改善が繰り返され,児童・生徒に同和問題に関わる正しい認識を育ててきました。

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児童期の心理的特徴と子育て(中学校)

〜保護者のための子育て・子育ちハンドブック(京都教育大学)より〜
 日本の中学校の数は,2010年度では,1万815校,生徒数は約355万8000人です。戦後の中学生の数のピークは1962年の約732万8000人であったので,現在は当時の半数以下になっています。
 中学校の学習は,1時間単位を50分とし,年間の総授業時数は,各学年とも1015時間です。[小学校6年生の総授業数…980時間]学習する教科としては,国語,社会,数学,理科,音楽,美術,保健体育,技術・家庭,外国語(通常は英語)があります。
 他に道徳,[総合的な学習の時間],特別活動があります。私立の学校の一部では,道徳の代わりに宗教の授業が行われています。特別活動は,学級活動,生徒会活動,クラブ活動,学校行事から成っています。クラブ活動の盛んな学校も多くあり,生徒たちが朝練習や土日の練習に汗を流している光景をよく見かけます。中学校になって気分を一新し,学校生活をエンジョイし[中1デビュー]をする生徒もいます。
 その一方で,教科担任制,学校規模の大きさ,学習内容の多様さと難易度アップ,クラスメイトとのつき合いの難しさなどにより,中学校入学後にストレスをためて不適応になったり,[いじめ]や不登校者数の急増が見られたりする現象は[中1ギャップ]と呼ばれています。[中1ギャップ]を防ぐために,小中連携を強める取組が現在行われています。
 小学校高学年から思春期に入り,性に対する関心が強まったり,身体の急激な成長に戸惑いを抱いたりすることもあります。同性の親が子どもの悩みや不安を聴いてあげたり,同年齢や少し年上の生徒が相談にのってあげたりするのもよいでしょう。また,思春期は第二反抗期に該当します。第二反抗期の特徴としては,自我の発達に伴い自己主張が強くなり,親や教師などの周りの人たちに反発したり,拒否的な行動をとったりします。[自分探し]の時期であり,苦悩しながら自分を見つめ直します。[反抗期]という表現をネガティブに受け止めてしまうのではなく,親から自立していく[心理的離乳]の1つのステップだと考えればよいでしょう。親は子どもとの距離を置いて見守り,対話を拒まず,必要な時にはアドバイをしたり,問題点を指摘したりするという姿勢が求められています。
 かつての進路指導は,より広い概念としての[キャリア教育]に改められ,小学校から行われるようになりました。進学や就職のための指導だけでなく,人間としての[生き方][在り方]を考えさせ,職場体験やインターンシップ活動を通して,将来の展望を持たせ,職業的自己実現を図る学習です。親の職業についての理解が十分にできていない子どもも多いので,親の職場に子どもを訪問させることもよいでしょう。何のために働くのか,働くというのはどういうことなのかを考えさせて,職業観や勤労観を身に付けさせることが中学校の時期には大切です。それを通して,学ぶことの意義を見いだすことになります。

児童期の心理的特徴と子育て(高学年 小学5・6年生)

小学5・6年生では, 児童会などの自治活動の担い手として活躍します。上級生として,下級生の面倒を見るといった様々な場面でリーダーシップを発揮するようになります。一人っ子の世帯が増えたので,学校での縦割り活動は,近年,重視されています。
 学習内容が高度になり,教科の好き嫌いが明確になってきます。性差が見られ,男児では算数・理科・体育が,女児では,国語・音楽・家庭科などが好きな教科に挙げられています。家庭での学習は,1〜2時間程度は必要です。教科によっては,復習だけでなく,少しだけでも予習が必要となる場合があります。意味の分からない言葉や読み方の分からない漢字を国語辞典や漢和辞典を使って調べることもお勧めします。
 思春期の入り口にあたり,第二次性徴が始まります。男児の精通や女児の初経(初潮)が起こるとともに,男性的あるいは女性的な体つきになっていくという変化が起こり始めます。しかし,第二次性徴の発現には,かなり個人差があり,早い子どもも遅い子どもも戸惑いをいだくことがあります。同性の親として,ご自身の経験を踏まえて語り合うことが求められます。養護教諭の先生に相談することもよいでしょう。
 男児では変声が起きることが多く,音域が下がったり,声がかすれたりして,歌を歌うことを避けたがる傾向が見られ,音楽が嫌いになってしまうこともあります。無理をして声を出さないようにすることも必要です。
 小学5・6年生頃から,第二次反抗期に入ります。親や教師,権威に対する反抗が起こりますが,個人差が大きく,ほとんど反抗的な行動を示さない子どももいます。保護者は,腹を立てて叱責することもありますが,側で見守りつつ,必要な場合は,アドバイスをするのが良いでしょう。視点を変えれば,自己主張が強くなる時期だと言えます。親から自立したいという気持ちが表れ始め,心理学でいう「心理的離乳」の時期です。
 クラスの中では,男女間で対立が起きることがよくあり,さらに同性の間でもいくつかの小グループに分かれて対立することもあります。些細なことがきっかけで,「いじめ」が起きることもあります。持ち物を隠す,殴る,蹴る,裸にする,冷やかす,悪口を言う等の行動がありますが,女児の「いじめ」は,男児に比べると,仲間はずしや無視と言った心理的な「いじめ」が多く,担任の先生でも気付かないことがあります。加害者は,遊びやふざけ,からかいと言った認識で,「いじめ」という行動の問題性を自覚していないことが多く見られます。小学生の「いじめ」は,学年の進行とともに増加していく傾向があります。
 「いじめ」を受けた子供は,口数が急に少なくなったり,元気がなくなり食欲が低下したり,不眠になったりすることがあります。登校しぶりや学力低下がみられることもあります。家庭で我が子が「いじめ」を受けていたことが分かった場合は,すぐに担任の先生に相談するとともに,「全力であなたを守ってあげる」というメッセージを子どもに伝えることが大切です。
 不登校も,高学年の子どもでは多く見られます。文部科学省は,「不登校は特定の子どもに起きるのではなく,どの子どもにも起きうる」という考え方に立っています。2010年度の文部科学省の「児童生徒の問題行動生徒指導上の諸問題に関する調査」によれば,不登校者数は,小学1年で1076人,小学3年で2621人,小学5年で5775人,小学6年では,7433人,中学1年で2万2052人となり,学年の進行とともに増加していき,中学生になると急増します。小学校の不登校の場合,そのきっかけとしては,不安などの情緒的混乱が一番多くて30.2%,次いで無気力が20.4%,親子関係をめぐる問題が19.1%と続きます。
 不登校の始まり,(登校しぶり)のサインは,頭痛・腹痛・体調不良などの身体的変化,遅刻・無断欠席,学習意欲・学力の低下,忘れ物の増加,無口や友人と遊ばなくなるなどです。登校しぶりの段階で,対処すれば悪化を防ぐことができます。担任や教育相談担当の先生,スクールカウンセラー(中学校に配置されています,要請すれば小学校も相談することができます)に相談すると良いでしょう。

児童期の心理的特徴と子育て[低学年(小学1・2年生)]

多くの子どもたちは,小学校に入学すると新しい環境に戸惑いを持ちつつ,学習や遊びを通して友達との交流を拡げ,やがて学校生活を楽しめるようになります。
小学1・2年生では,学習規律を身に付けさせることが大切です。家庭学習では,毎日30分から1時間は机に向かい,宿題は当日のうちにきちんとやり遂げるよう,保護者は見守りたいものです。
 1年の前期では,国語で仮名文字の学習を行いますが,筆順も正しく書けるように,家庭でもサポートしましょう。算数では,10までの数や1桁の数の足し算や引き算といった基礎的事項を確実に習得することが,後期以降の学習につながっていきます。漢字の学習では,1年生で80字,2年生で160字を学ぶことになります。仮名文字と同様に,筆順も含めて正しく書けるようにしましょう。
 「夜型」の子どもが増えていますが,早寝早起きができるように生活リズムを整えましょう。1時間目からの学習に頭脳が活性化した状態で取り組むためには,午前7時には起床し,朝食をきちんととり,排便も行って登校できるようにしましょう。
 小学校に入学する前に,利き手が左手の子どもに矯正をさせたいと考えている保護者もいます。利き手は3〜4歳頃に現れ,6〜7歳頃に確立し,10%前後が左利きです。鉛筆や箸を持つ時に,指導や叱責を行いがちです。道具は右利きの人が使用することを前提として作られていることが多く,左利きには使いづらいこともあります。しかし,無理な矯正はかえって子どもに混乱を引き起こすことになります。矯正によるストレスで不安が高まることもあります。両手利きの子どももおり,道具によって右手左手を使い分けています。左利きも個性だと捉えた方が良いでしょう。
 幼稚園や保育所で集団生活になじまなかった場合や「ちょっと気になる」状態が見られた場合は,その旨を担任の先生に話をしてみてください。

感嘆符 児童期の心理的特徴と子育て(中学年 小学3・4年生)

小学3・4年生では,理科や社会科が登場し,実験や観察,見学などの学習活動が増えます。各教科の学習内容に言語的要素が増大し,それに伴い,教科の好き嫌いが現れ始めます。3年生では,国語でローマ字の学習が登場し,毛筆を使用した書写も行われます。算数では少し複雑な加減乗除の計算や分数・小数,面積や体積などの学習が行われますが,つまずきがあれば,早期に回復することが4年生以降の学習にとって必要になります。
中学年になると,知的好奇心も高まり,活動範囲も広がります。4年生頃から「ギャングエイジ(徒党時代)」と言われる時期になります。仲の良い,主として同性の5〜6人程度のグループを構成し,合いことばで会話をしたり,秘密基地(河原の土管の中や橋の下,たけ藪や神社)を設定したりします。親の干渉から逃れたい,自立したい気持ちが強く生じ,グループの強い結束力を示します。グループの中で,社会的規律や人間関係の構築の仕方を学び,責任感を持つことができるようになります。子どもが発達するために通過すべき発達課題の1つと言えるでしょう。時には,いたずらや反抗的な行動をすることもありますが,親として温かく見守ってあげましょう。「ギャングエイジ」は6年生ごろまで続きます。
この時期は,自己評価ができるようになり,自分の長所や得意なこと,自分の短所や苦手なことなどに気付くようになり,優越感や劣等感が強まり,些細なことでも一喜一憂することがあります。保護者としては,短所や苦手なことに目が向いて注意をしてしまいがちですが,長所や得意なこと,頑張ったことなどをほめてあげて,達成感や成就感を持たせるようにしましょう。
 発達心理学では,「9・10歳の壁(節)」という言葉があります。この言葉は,子どもにとって,9・10歳の発達課題を乗り越えることの重要性を指摘しています。創造性の発達を調べた研究では,小学4年生頃には創造性の発達が停滞したり,時には,退行したりする現象が見出されています。図画工作や音楽などの芸術系教科が,不得意になったり,苦手意識を持ったりすることがあります。

伝統文化体験と国際理解教育

 京都市の小中学校では,歴史都市京都の伝統や文化,芸術,産業等への理解を深め,その素晴らしさを伝えて行こうとする心情や態度を育てるために,「学校茶道」の推進・伝統文化体験事業・伝統工芸体験事業を行っています。
 本校でも,京都市教育委員会より茶道道具の配分を受け,茶道体験教室を行っています。静原小学校の卒業生である室井(旧姓 辻)さんのご指導により,冬季休業中に茶道体験教室を実施しています。また,1月に実施される「新年の集い」では,町内の高齢者の方々に茶道でお接待を行っています。また,今年度は,夏季休業中にNPO京都文化企画室の西川 充様のご指導により,茶道体験教室を実施することができました。低学年の児童には,少し難しかった「ふくささばき」も学ぶことができました。その様子は,KBS京都放送のニュースで放送されました。
伝統文化体験事業では,「邦楽体験教室」・「書道教室」・「太鼓教室」などを実施しています。「邦楽体験教室」は,毎年1月に実施される「新年の集い」に邦楽家の中川 廣山さんをお招きし,琴・尺八・三味線などの演奏を鑑賞しています。「書道教室」は,毎年6年生が卒業前に,地域の藤村 典主様のご指導により,大きな筆での書道を体験させていただいています。「太鼓教室」は,プロの太鼓奏者である平 浩之様のご指導により,和太鼓の演奏について学習しています。練習の成果は学芸会で発表していただいています。
伝統産業体験事業では,昨年度は,金箔工芸体験を行いました。毎年,京焼の絵付け,漆器の絵付けを体験しています。「伝統文化体験事業」や「伝統産業体験教室」を通して,日本の伝統文化や伝統工芸の中心である京都の素晴らしさを体験していってほしいと思っています。
 国際理解教育では,昨年度は「スペイン体験教室」を実施しました。森田兄弟が住んでいたスペインについて,子どもたちの興味が高かったために実施しました。スペインから留学生を講師に招き,スペインについての学習やスペインの一般的な家庭料理である「パエリエ」作りにチャレンジしました。今年度は,「ベラルーシ体験教室」実施しました。東ヨーロッパのベラルーシ出身の京都大学大学院生であるアブラギモヴッチ・ユリアさんを講師にお招きし,「湖の国,ベラルーシ」についての説明をしていただき,ベラルーシの一般的な家庭料理であるである「オリビィエ・サラダ」や「ジャガイモのお焼き,ドラニキ」を作って,ベラルーシ料理を味わうことができました。
 日本の小学校では,5・6年生が,年間35時間,外国語活動を学習し,英語でコミュニケーションする意欲や態度を育成しています。指導形態としては,学級担任とALT(外国語指導助手・外国人)との2人での指導と学級担任のみの指導とがあります。ALTと学級担任との協力指導は,年間10時間程度です。残りの25時間は,学級担任のみで指導しています。小学校で外国語活動に取り組むことにより,中学校に進学した時の英語科学習に対する意欲が高まるという効果が出ています。子どもたちが,世界に羽ばたくためのコミュニケーションの道具として外国語活動の充実を今後も図っていきたいと考えています。

国立若狭湾青少年自然の家

 本校は,5・6年生で,隔年で長期宿泊自然体験事業と修学旅行を実施している。昨年度まで,長期宿泊自然体験事業を京都府立青少年海洋センター(マリーンピア)で実施していましたが,来年度より教育委員会のお勧めにより,国立若狭湾青少年自然の家(以下若狭自然の家)を利用する予定をしています。
 若狭自然の家は,福井県小浜市田烏区大浜にあります。静原小学校からの行き方は,以下の通りです。
静原小学校⇒(京都バス52分)⇒北大路⇒(地下鉄15分)⇒京都駅⇒(JR湖西線51分)⇒近江今津⇒(JRバス40分)⇒JR上中駅⇒(タクシー20分)⇒若狭自然の家
 若狭自然の家では,次のような活動ができます。(「若狭自然の家」利用ガイドより)
「カッター」…海原に力を合わせて漕ぎだします。12本のオール(櫂)をそれぞれ一人で操作し,人力で進みます。(若狭自然の家職員が指導,活動時期「年間」)
「スノーケリング」…マスク,スノーケル,フィンを着けて,ゆったり若狭湾を回遊します。いろんな生き物がいる海の世界を楽しみながら,安全に対する意識も高められます。(若狭自然の家職員が指導,活動時期「5月〜11月」)
「シーカヤック」…2名で協力して漕いで会場を移動します。海から見える陸の風景や,間近に見える海中の世界を楽しむことができます。
(若狭自然の家職員が指導,活動時期「5月〜11月」)
「水泳」…水泳エリアは施設の前に広がる美しい大浜海岸にあります。エリア内にはいかだも浮かんでいますので,深い所でも安心して泳ぐことができます。
(活動時期「6月下旬〜9月上旬」)
「磯釣り」…長さ3mほどの竹ざおに仕掛けやエサを自分でつけ,若狭湾の魚を釣り上げます。釣った魚は海に戻します。(活動時期「4月〜11月」)
「磯観察・磯遊び」…島の越や多目的桟橋,赤石の浜の岩場を利用して,箱メガネ等により磯の生き物を観察します。環境教育などの総合的な学習の教材にもなります。
(活動時期「年間」)
「ボート」…3人用の手漕ぎボートです。海上から若狭の自然を眺めることができます。
(活動時期「4月〜11月」)
「グラスボート」…2人乗りの船底に窓が付いた海中観察用ボートです。その窓からはきれいな魚や海草を見ることができます。(活動時期「4月〜11月」)
「カヌー」…3人乗りのカナディアンカヌーを,パドルを使って協力して漕ぎます。海上からの景色を楽しめます。(活動時期「4月〜11月」)
「大だらい」…昔,漁に使用されていたという大だらい(2人乗り)を経験できます。
(活動時期「4月〜11月」)
「組立式いかだ」…フロート(浮き)や丸太をロープで固定していかだ(8〜12人乗り)を組み,海に浮かべます。(活動時期「4月〜11月」)

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