最新更新日:2024/09/20 | |
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3月12日(木)
中学校国語で「言葉の力」という教材と出会われた方がたくさんおられると思います。
京都の嵯峨に住む染織家志村ふくみさんがなんとも美しい桜色に染まった糸で織った着物を筆者の大岡氏に見せられたときのこと。その「淡いようでいて,しかも燃えるような強さを内に秘め,はなやかで,しかも深く落ち着いている色」に目を奪われた筆者 大岡氏は 志村氏に「この色は何から取り出したんですか」 と尋ねます。すると志村氏は「桜からです。」という答えがかえってきます。 だれもが桜の「花びら」を煮詰めて色を取り出したものだろうと思いがちですが,実際は桜の皮から取り出した色だったとのことです。そこから大岡氏は,桜の花びら一枚一枚を,言葉の一語一語ととらえなおす中で,一語一語のささやかな言葉の,ささやかさそのものの大きな意味を実感することの大切さや,美しい言葉・正しい言葉について所感を述べています。 この作品のとらえ方によっては,桜の木が「全身で春のピンク色」に色づこうとしている例えが,「今を大切にすること」「一生懸命に生きることの意味」を伝えてくれているようにも感じます。 新型コロナウィルス感染拡大防止に向けて,臨時休校を実施し,各御家庭には,それぞれの御事情により,御負担をおかけすることもあるかと存じます。早期に事態が収束し,通常の生活が送ることができるように祈るとともに,この時期にこそ一日一日を大切にして『こつこつ』と取り組んだことが,結果として桜の木のたとえのような“全身で春のピンク色に色づく姿”につながることを願っています。 |
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