京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/06/01
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学校教育目標 ≪未来に向かってしなやかに伸び続ける≫

「式 辞」

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西陵中学校第33回卒業証書授与式が終了し、60名が巣立っていきました。
西陵中学校の在学中は生徒への雨、風から中学校という存在がある程度、生徒一人一人の防波堤になってきました。しかし卒業してからは身に降ってくる雨、風は自らの傘で避けねばなりません。その傘がどの程度までの雨、風に耐えられるかは、これから一人一人が作る傘しだいです。義務教育を終えて巣立つとはそういうことなのだと思います。西陵中学校はその傘づくりについて全ての教育活動を通して取り組んできました。そのことに自信と誇りを胸にこれからの道を歩んでほしいと思います。
 上記のことを卒業生に伝えたく式辞を述べたつもりです。以下に長文ですが、式辞を記します。
「式  辞」

春の訪れを待つ桜は、冬の厳しい寒さを凌がなければ華やかに開花しないと言います。その寒さを凌いだ校庭の桜が美しく開花する季節が間近となりました。
本日、PTA会長をはじめ多数の御来賓の皆様、並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、第33回卒業証書授与式を盛大に挙行できますことを、高い所からではございますが、心よりお礼申し上げます。
 さて、卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。 3年前の平成23年4月7日に皆さんは西陵中学校の新入生として入学式を迎えました。入学してからの3年間に皆さんは多くのことを学び、立派に成長してくれました。特に3年生になってからの皆さんの成長は目を見張るものがありました。中学校の最大の行事である修学旅行。その修学旅行での宿泊体験を立派に成功させた君たちの姿は今でも私の脳裏に残っています。修学旅行から帰ってからも、最高学年に相応しい学校生活を送ってくれました。なかでも西陵祭での君たちの劇・合唱は素晴らしく、下級生のお手本として、また目標となるに相応しいものでした。君たちが取り組んだ西陵祭は今後の西陵中学校の礎となるものと信じています。
今日、西陵中学校を巣立っていく皆さんに私から最後の話しを3つさせてください。
一つ目は、私がこの西陵中学校に赴任して以来ずっと生徒一人一人に求めてきたものがあります。 何度か全校集会でも取り上げて話しもしてきました。 覚えているでしょうか。それは「一所懸命」です。一つの所で懸命になると書く「一所懸命」です。発明王のトーマス・エジソンは「天才は1%のひらめきと99%の努力で形成される」と言いました。この言葉は1%の閃きがなければ99%の努力だけでは天才になれない、という意味です。私は天才を目指す必要はないと思っています。理由は100%の努力が人を成長させると信じるからです。 努力することに生きる価値があると思っているからです。勉強にも、学校行事にも一所懸命に努力する姿を西陵中学校の生徒に、私はずっと求めてきました。これからもそれは変わりません。努力できること、それこそがヒトが人間である証です。天才でなくて結構、凡人で良い。努力し続ける一所懸命な凡人であってほしいと今でも思っています。
 二つ目です。
中学校卒業後、高校・大学に進む人もいれば、実社会に一足早く飛び込む人もいると思います。時期が遅いか早いかの違いで、いずれ皆さんは社会に出て仕事に就いて働くことになります。労働者として社会の一員になるのです。その労働者として、社会人として必要なことは何でしょうか。学歴でしょうか、その人の個性でしょうか、私はどちらも決定要素ではないと思っています。必要なことは、自分が置かれている環境の中で自分が最大限に力を発揮できることは何か、それを考え行動することだと思っています。考えて行動する際に自分が獲得してきたキャリアや自分にしかない個性を発揮すること、それが仕事をするということなのだと思うのです。かつてベンチャー企業という言葉が流行しました。自分のやりたいことを仕事にする。できればそれに越したことはありません。しかし自分のやりたい事と世の中で受け入れられることとは別の問題です。「仕事とは、道にある穴を埋めることである」と言われた人がいます。道に穴が空いていれば車や人が行き交うことはできません。今、自分の置かれている状況が、その穴を埋めることであれば、自分のキャリアと個性をもって全力で穴を埋めることが先決です。全力で穴を埋めるという仕事をした結果が社会の役に立つのであれば、その仕事を誇りにしてほしいと思うのです。かつての松下電器会長の松下幸之助氏は、社員に対して「社会に役立つ製品をつくっていることに誇りをもて」と述べています。「仕事に貴賎なし」という言葉がありますが、世の中にある職業、仕事に携わる事が社会のために役立っているのです。そのことを頭の片隅においてこれからの人生を歩んでください。
 最後の話しです。これからの社会はますます情報化が進んでいくことは明らかです。その情報化の発展によって社会問題が頻発することも予想するに難くありません。これからの情報社会で重要なこと。それは一人一人が情報を正しく選択する力をもつことです。身の周りにある情報は本当なのかどうか、自分の考えをしっかりともつて判断することです。自分の回りにある情報の根拠を突き止めることがこれからの情報社会に欠かせません。その作業をしなければ、情報に振り回される結果となります。情報の代表である新聞でさえ客観的であるとは言えません。「週刊子どもニュース」でお馴染みの池上 彰氏も著書の中で「新聞報道を過信しないこと」と述べています。大事なことは情報を読みとる力です。それには一つでも多い知識をもって判断することが必要です。3年生の国語の教科書にもあったように「体系化された知識を武器」にして情報に右往左往することなくこれからの社会と向き合って生きてほしいと思います。
 三つの話しをこれで終わりますが、これまで話した一所懸命や、仕事のこと、情報社会で必要な事については、西陵中学校での授業をはじめとした教育活動を通して君たちに培ちかわれてきたはずです。その西陵中学校で学んだことに誇りをもって卒業してほしいと思っています。
 保護者の皆さま、この3年間、校長である私をはじめ教職員一同、教育活動に奮闘努力してまいりましたが、皆さまのご期待に沿えきれないことがあったかと存じます。最後まで本校の教育活動に多大のご理解とご支援を賜りました事に心から厚く御礼申し上げます。最後になりましたが御来賓の皆さま、本日の卒業証書授与式にご多用の中、ご臨席たまわりまして,心より御礼申し上げます。今後とも,地域の皆様の本校教育へのご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
 では卒業生の皆さん、これから君たちの歩む道先がすこしでも明るく、少しでも歩みやすい道であることを祈って私の式辞とします。

平成26年 3月14日
京都市立西陵中学校 校長  山本卓司


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