最新更新日:2020/03/27 | |
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そったく11月号から
本校では12月を「人権月間」として位置づけ,学年ごとに人権を考え,自分を振り返ろうという取組を毎年行っています。これは1948年12月10日の第3回国際連合総会で,すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権についての「世界人権宣言」が採択されたことに因んでの取組で,今年は早いもので70年目にあたります。本校でも,1年生は障害に関する学習,2年生は国際理解,3年生はさらに社会に残る差別などについて考える機会を作ります。
さて,話はゴロッと変わりますが,今年の上半期にヒットしたテレビドラマに「ぎぼむす」(義母と娘のブルース)というのがありました。最終回のあるシーンでこんな会話がなされます。主人公の義母「私は自分のためにあなたを育て,色々な事を得ることができた。あなたが褒められれば自分が褒められたように嬉しくなり,あなたが傷つけられたら自分が傷つけられたように腹が立つ……だから私に気遣いなんてしなくていいのよ」。すると娘がこう言います。「お母さん,バッカじゃ無いの?それを世間では愛って言うんだよ!」。 シンガーソングライターのさだまさしさんの昔の大ヒット曲に,「関白宣言」という曲があります。「俺より早く寝るな!俺より早く起きろ!飯はうまく作れ!いつもきれいでいろ!」と全く人権のじもない歌詞で,何と亭主関白な!とたくさんの人が批判しました。そしてこんな歌詞が続きます。「舅小姑,かしこくこなせ。容易いはずだ,愛すれば良い」。曲の最後では「俺より早く死んではいけない!俺の手を握り,涙をこぼせ。お前のお陰でいい人生だったと,俺が言うから。必ず言うから」で閉められます。 人権問題が無くなることは無いだろうと思います。最近での話題の中にも,従軍慰安婦像の設置を巡る問題,ヘイトスピーチ,LGBTと生産性,など様々な話題がテレビから流れてきます。いじめは絶対にダメ。それは全ての子ども達が分かっています。だけどそれでもいじめは時には発生します。私たちはそうした人権問題に出くわしたとき,あるいは出くわす前に,人権ついて考えたり,知ったりする事で,それが人権問題なのだと気づく感性をどれだけ持ち得ているかが大切なのだと思います。そしてその問題を放置せず,きちんと関わっていくことが求められているのでは無いでしょうか。 人権問題に対して,一人ひとりが出来る事は限られていますが,容易いことだ,愛すれば良い。世間では愛することは,そう,あなたを心から大切に思うことなんだよと,曲やドラマが教えてくれている様な気がしています。 |
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