最新更新日:2020/03/27 | |
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校長室より9月
中秋を過ぎ,ようやく朝晩は過ごしやすくなってきたように感じます。周山中学校は三大行事の二つ目,「文化祭」を成功裡に終えることが出来ました。伝統となっている,全学年揃っての舞台演劇は全市的にも珍しく,毎年の積み上げの中で,学年が上がるにつれて見応えのある演技が披露され,作品の持つテーマ性が観客にも十分伝わる感動的な発表が見られました。
全く話は変わりますが,地球の裏側では引き続きパラリンピックの熱き戦いが繰り広げられました。しかし,通常の五輪に比べパラの報道は量的にも質的にも雲泥の差があると感じるのは私だけでしょうか。折しもネット上では,民放の24時間テレビとNHKのバリバラを題材に障害者の「感動ポルノ」論争が繰り広げられています。これは一昨年亡くなられた,コメディアン兼ジャーナリストのステラ・ヤング氏が障害者を健常者が感動の見世物の様に扱う風潮に対する警鐘として発した少々過激な発言です。 24時間テレビにしてもその高い視聴率や,チャリティの実績は目をみはるものがあるし,意義は確かにあるのだと思います。また障害や立場の弱い(低い)人を見て,「かわいそう」と同情すること自体は決して「悪」ではなく,人間としての優しさから生まれる自然な感情でもあると言えます。しかし,視点を変えてみれば,そこで留まっている内は,当事者から見れば,明らかに見下しであり,差別であると言えます。 私たちの多くが優しさを持ち,愛を持ち,真理を愛し,正義を貫きたいと考えています。ただ一方で,私たちは時には無知であり,時には流され,時に偽善に陥ることがある,弱さも有していると自覚することが大切なのではないでしょうか。そのことに気づかせてくれる厳しい指摘に対しても真摯に対峙し,障害者にとって不自由は普通のこと,むしろ障害は社会の方だという声を,次の一歩を踏み出す明かりにしたいものだと思います。 |
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