最新更新日:2024/06/08 | |
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「上巳の節句」にちなんで
手元の辞書を紐解いてみると、本日3月3日は上巳(じょうし/じょうみ)の節句、五節句の一つとなります。旧暦の3月3日は桃の花が咲く季節であることから、「桃の節句」とも呼ばれます。
さらに調べてみると、その起源は平安時代以前で、京の貴族階級の子女が天皇の御所を模した御殿や飾り付けで遊んで健康と厄除を願ったことが始まりとされ、元々は5月5日の端午の節句とともに男女の別なく行われていたのですが、江戸時代ごろから豪華な「雛人形」は女の子に属するものとされ、端午の節句(菖蒲の節句)は「尚武」にかけて男の子の節句とされるようになった、とあります。 さて、雛人形の「雛」は「ひな」とも読みますが、「ひよこ」の意でも使われ,まだ大人にならない小さな「こども」のイメージがありますね。私は「雛」の字を見ると、かわいらしい幼子を思い浮かべますが、保護者の皆様はいかがでしょうか。お子たちがまだ就学される前の、もしかすれば「ハイハイ」をしている頃の、あどけない様子を思い出されるかもしれません。 そのお子たちも、いつしか成長して自らの意思で「立つ(=自立)」ことを模索し出します。子ども側の視点で言えば必然の営みですが、親御さんの目には「思い通りにならない」困った状態に写ることもあります 。 「昔は言うことを聞いたのに…」、「勝手なことばかり言って…」と、つい愚痴を口にすることもあるかもしれません(私もご多分に漏れずですが)。 誤解の無いように申し上げますが、お子たちがいくつになっても、親御さんや年長者の言葉に耳を傾けることは必要だと思います。しかし、最終的に自分の生き方は自分しか決めることはできません。われわれ大人達は、そのサポートをするしかできないのです。もどかしいのですが、彼らの人生を彼らの代わりに生きることはできないのです。 男女を問わず、お子たちが生まれたその日から、われわれはその健やかな成長を願ってきました。だがそれは、子ども達に自分の夢を「投影」することでもなく、彼らに自分と「同化」することを求めるものではないはずですね。純粋に、彼らの「成長(=自立)」を望んできたのです。したがって、その節目節目(=節句)に、お子たちが少しずつ手元から離れ、巣立っていくことを(とても寂しいことですが)私たち大人も受け入れつつ、その歩みを祝うことが大切なのではないでしょうか。 「自立」、その日が来ることを望みつつ、恐れつつ…。子どもを育てることの難しさを心底感じながら、われわれは「教育」という営みをおこなっているのだ、と改めて「上巳の節句」の意味合いを考えてみた、私にはそんな今日一日でした。 3年生 高校進学保護者説明会村上学校長から、高校への進学に当たって保護者の方々にご理解いただきたい内容をご説明し、義務教育9年間から高等学校への接続を円滑に進めるための道筋をお示ししました。 内進生・外新生を問わず、新たな学生生活をスタートする際には、準備しておく事柄や躓きやすい点に対する注意が必要です。中学に在学中から、高校の先生方にこうして直接説明していただけることも、本校の利点だと考えます。 卒業まであと2週間足らず。中高一貫校である以上、地域の中学校とは「卒業」の意味合いが異なるのは当然です。「通過点」としての色合いがより強くなります。しかしながら、子ども達の成長において、おおきな「一区切り」であることも間違いありません。もしかすると、私たち大人が「そろそろ少しずつ手を離れていくのだなあ」という自覚を持つことが、「卒業式」自体の持つ一番大きな意味づけなのかもしれませんね。 |
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