京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2025/06/17
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春のスクールガイダンスは終了しました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

三菱みらい育成財団からのお客様をお迎えしました。

9月19日(木)気温37度超えの午後、それにもかかわらず、東京から、一般社団法人三菱みらい育成財団 事務局部長 吉田 憲史(けんじ)様が本校をご来訪くださいました。

三菱みらい育成財団とは「三菱グループ創業150周年を記念して、2019年10月に設立されました。VUCAの時代を生き抜き、未来を切り拓く人づくりを目的に、次代を担う若者の育成を目指す教育活動への助成と、ネットワークづくりや情報発信を通じ、その成果を社会に波及させるために活動(財団HPより)」を行っている財団です。2024年度、この財団からの助成に堀音が採択されたため、事務局として本校に関わってくださる吉田様が学校の様子を視察にいらしてくださいました。

堀音が採択された助成は「高等学校などが学校現場で実施する『心のエンジンを駆動させるプログラム』」というカテゴリーです。「総合的な探究の時間や教科等、教育課程の一環として、原則として、学年の生徒全員を対象として行うもの」という条件のもと、書類選考を経て、Zoomでの面接選考により採択が決定しました。プログラム名は「人とつながる音楽家」を目指して~音楽科の特色を活かした探究的な学びの実践~」。生徒と教職員が挑戦している、本校の音楽専門学科ならではの総合的な探究の時間の取組の実績と今後の計画が評価され、100万円(小規模校としての最高額)をいただくことができました。今後3年間継続の可能性があります。6月に実施した人権×キャリアの講演会も、この助成によって実現しています。

吉田様と校長、教頭、事務長、そして担当の教員と事務員が初顔合せ(Zoomではお目にかかっていましたが)のご挨拶のあと、改めてこの助成の意味をお話しくださり、本校の教育活動や76期生からスタートした新カリキュラムでの「総合的な探究の時間」の活動についてのご質問をたくさん頂戴しました。高校への助成で、音楽専門学科が採択されるのは本校が初めて、ということで、大きな期待を寄せてくださっていることに、背筋が伸びる思いがしました。
その後、校舎内をご案内し、本校の雰囲気を感じていただきました。ざっくばらんに「ホリオンあるある」のようなお話もするなかで、堀音のスピリットや魅力をお伝えできたかと思えました。
京都特有の蒸し暑さのなか、遠路お運びくださった吉田様、ありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

このように多方面からの応援を得ながら、より一層充実した教育活動に取り組み、「若き音楽家」たちの成長を促していきたいと考えます。

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「オーボエ特設講座」開催!

9月18日(水)15時より、本校音楽ホールにおいて、京都市立芸術大学准教授の加瀬孝宏先生をお招きして、「オーボエ特設講座」を開催しました。オーボエを専攻する1~3年生計6名の生徒がレッスンを受け、他の管楽器専攻の生徒も聴講しました。

加瀬先生は、一人ひとりの課題に応じて、丁寧な説明と演奏のお手本によって、癖の修正や発音の改善、音楽的な表現へのテクニックなどを、わかりやすく優しくご指導くださいました。

たとえば、出だしの発音がうまくいっていない生徒には、「ロングトーンをディミヌエンドしながらやってみて」と実際に吹いて見せ、続いて生徒に吹かせてくださいます。「ディミヌエンドしながらロングトーンを吹いていって、口の形や息の量が変化していくことで、どんな音が出ているのか、どのような状態のときに、“その音”に行きつくのかを調べる。それを覚え込む。その記憶をたどって、“その音”を出すんですね」と加瀬先生。
また、「高音を吹くとき、大きな音を吹くときには(息の)量じゃなくて速さ。押し出して行ってみよう!」「広げるんじゃなくて、突き抜かせる。まっすぐ一直線に」と身振り手振りでお教えくださいます。
「ここは、『えいっ』と吹く。」「こういうときは、『よいしょっ』という感じで吹くよね。理屈じゃないんだよね…」などと、体の動かし方や体の状態を、動作と感覚的な表現で伝えてくださり、生徒たちもそれらを理解して笑顔で応えていました。

さらに、「休符は音が無いだけで休み過ぎない」「継続した時間の中で演奏をすることを意識する」ことや、「音符の長さが同じでも、音の処理によって全く別の印象になる」と、実例を示しながらどのような音を選択していくかということの大切さをご指導いただきました。

そして、「エチュードの課題をクリアしていくには、その曲の意図を考え、特徴やリズム、アーティキュレーションを含めて、その意図を感じさせる演奏を目指す」など、生徒の日頃の練習での取り組みに対する大切なアドバイスもいただきました。

加瀬孝宏先生。本日は、長時間にわたって、たくさんの生徒を熱心にご指導くださり、ありがとうございました。ご指導いただいたことをしっかり自分のものにし、これからの学びに生かしてほしいと思います。本当にありがとうございました!
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「イタリア語ディクション講座」(公開)を開催しました!

9月14日(土)10時30分より、「イタリア語ディクション講座」を本校204教室で開催しました。

「ディクション」とは、朗読、演劇、声楽などにおける言葉の発音法を指します。声楽におけるディクションのレッスンでは、広いホール等の空間で聴衆にはっきりきこえるように正しく美しい発音で歌うことを目指し、イタリア語をより楽に、より美しく響かせて、歌にどう生かしていくかを学びます。

本校では昨年度、本校生を対象に3回にわたってこの特別講座を実施しましたが、今年度は全4回に増やし、そのうちの第1回を「公開」として、本校声楽専攻生のほかに、歌や音楽を勉強したいと思っている中学生の方、堀音の授業に興味を持ってくださる中学生の方やその保護者の方、小中学校や各種教室の音楽の指導者の方々などにもご参加いただきました。
講師は、昨年度に続いて大阪音楽大学にご依頼し、同大学講師のジュリオ・デ・パオリス先生(イタリア ローマご出身)と同大学教授の松田昌恵先生(Sop.)のお二人をお迎えしました。

まずは、本校声楽専攻の3年生2名にそれぞれレッスンしていただき、それを皆さんに聴講していただきました。レッスンでは共通して、まず受講曲を歌ったあと、歌詞の朗読をご指導いただきました。ジュリオ先生からは単語一つ一つの正しい発音に加え、「この3つの単語は切らずに一つにして」などと言葉として自然な発音をお教えいただき、さらに、「この詩を書いた人はどんな人かな?年ごろは?」「書いている時の状況は?気持ちは?」と受講生に想像させ、そして、「文字の中に呼吸がある。出だしのとてもいい感じを最後までもっていこう。呼吸を感じて」とアドバイス。
また、別の受講生には「カフェでちょっとコーヒーでも飲みながら、口ずさむように。リラックスして読んでみよう」と促してくださると、受講生は、息の流れに言葉が生き生きと乗り、声がのびやかになってきれいなレガートで歌えるように。松田先生も、あるフレーズについて「ここに休符があるのはなぜかしら。」と休符ありと休符なしのパターンで歌わせ、受講生から「休符ありの方がより喜びを確かめている感じがします」と自分なりの解釈へと導き、「気持ちは前へ前へと動いている。休符で流れを止めず、息はずっと流れているように」「楽譜をよく読んで、再現していくこと。なぜ休符がわざわざあるのか。その演奏効果も考えて。カンニングブレスをここで入れると、あとの長いフレーズにたっぷり息を使えるわよ。」と美しいお声で歌って聴かせてくださりながら、ご指導くださいました。

休憩をはさんで、今度は外部からご参加くださった皆様とともに「Caro mio ben(いとしい人よ)」を歌い、この歌のディクションをご指導いただきました。松田先生が、「どなたか皆さんの前で歌詞を朗読してみませんか」と呼びかけてくださると、まず中学校の先生がすぐに立候補してくださり、続いて、中学生の方もお二人、皆さんの前で歌ってから朗読し、ジュリオ先生と松田先生のご指導を受けてくださいました。その勇気と素晴らしい歌声に大きな拍手が贈られました。

みなさんで楽しみながらディクションを学び、歌の奥深さ、おもしろさを発見することができたひとときでした。

大阪音楽大学のジュリオ・デ・パオリス先生、松田昌恵先生、ご指導ありがとうございました。そして、中学生をはじめとしてご参加くださった皆様、ありがとうございました!

【写真】
1・2枚目:本校生のレッスンの様子
3枚目:みんなで「Caro mio ben」を歌います
4・5枚目:中学生のレッスンの様子
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重要 再掲!【9/28(土)開催】             「秋のスクールガイダンス~令和7年度選抜実技検査内容(課題曲等)説明~」のご案内

残暑厳しい毎日ですが、お月様の光や夜分の虫の音に少しく秋を感じます。お互い過ごしやすい季節となるまで、もう一息がんばりましょう。

春や夏のHORIONスクールガイダンスにいらしてくださった中学生の皆さん、秋のスクールガイダンスのお申込みはお済ませくださったでしょうか。まだの方は下記をご覧いただき、お申込みください。

また、音楽に興味があって、堀音がどんな高校か知ってみたいという中学生の皆さん、ぜひこの機会に、堀音とファーストをとってください。堀音生の演奏を聴いたり、生徒や教員と話をしたり、本校に入学するにはどんなことが必要かが知れたりする、盛りたくさんなガイダンスです。

皆さんとお目にかかれることを、楽しみにお待ちしています。

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京都堀川音楽高校では、9月28日(土)に、中学校1年生から3年生を対象として「秋のスクールガイダンス」を開催します。
                      
このスクールガイダンスでは、在校生によるソロやアンサンブルの演奏、令和7年度選抜の説明、教員や在校生との個別相談・交流等を予定しております。本校の受検を考えておられる中学生、本校に興味をお持ちの中学生の皆さんは、ぜひお越しください。
今年度は、専攻に分かれてのきめ細やかな説明、質問対応等も拡充いたしますので、特に中学3年生の皆さんは、この機会を逃さずご参加ください。


■日時:令和6年9月28日(土)
    13:00~17:00頃(受付開始12:30~)

■場所:京都市立京都堀川音楽高等学校 ホール
   *御池通り側の南門よりお入りください。

○京都市営地下鉄 東西線「二条城前駅」下車 徒歩2分
○京都市営地下鉄 烏丸線「烏丸御池駅」下車 徒歩10分
○阪急京都線「大宮駅」下車 徒歩15分
○京都市バス,京都バス「堀川御池」下車 徒歩2分

■内容:
★在校生によるソロ、アンサンブルのコンサート(声楽/ピアノ/弦楽/管楽)
★学校紹介
★令和7年度選抜実技検査内容(課題曲等)の説明
★他府県からの受検についての説明
★個別相談
★在校生との交流 等

☆参加ご希望の方は、こちらから実施要項をご覧いただき、お申し込みください。
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「ヴァイオリン特設講座2」と「クラリネット特設講座」を開催しました!

9月13日(金)
今日は、1年生は前期実技試験の最終日で、午前中、管打楽専攻の試験がありました。そして14時からは、「ヴァイオリン特設講座2」と「クラリネット特設講座」が同時に開催されました。
ヴァイオリンは、東京藝術大学教授の玉井菜摘先生、クラリネットは、同じく東京藝術大学教授の三界秀実先生にお越しいただきました。

ヴァイオリン特設講座2は204教室で、4名の3年生が、同専攻の生徒たちが熱心に聴講する中、レッスンを受けました。
「この曲に描かれているものを、音にして描き出そうとしている、とてもよい演奏でしたね」などとお褒めくださりながら、随所に具体的なイメージやテクニック、脱力などについて、アドバイスしてくださると、魔法をかけられたように、生徒たちはそれに応えてどんどんといい音を出していきました。

「多様なイメージを持つこと。そして、そのイメージを実現するにどうしたらよいかを考える」「音の持っている顔つきを生かし、生き生きと弾く」「だんだん熱を帯びて自由度を増していく。興奮していくとき、どのように音楽を組み立てるか」「戦っているのか、抵抗しているのか…。テクニカルでないものがほしい。」など、数々の印象的なお言葉がありました。

その一方で、先生が、演奏に合わせてオーケストラのメロディを傍らで歌ってくださったり、生徒と掛け合いのように,自ら弾いて示してくださったりすることで、言葉を介さずにご指導の意図が伝わる音楽のすごさも感じられた3時間でした。

クラリネット特設講座は、音楽ホールで、3年生1名・1年生2名のクラリネット専攻生がレッスンを受け、管楽器専攻の生徒たちも聴講しました。

「スラーの頭の音はしっかり長めに」、「高い音はどうしても金属的になりやすいから、音量に気を付けて。丁寧にねらって入りましょう」などといった具体的なご指導だけでなく、「この曲をどう弾きたいですか」、「もう一段階柔らかい音楽にするためにはどうしたらいいだろう」というふうに、生徒に問いかけ、その答えにそって生徒自身がアイディアを出して表現することを引き出していってくださいました。

また、カヴァリーニのエチュードのご指導の場面では、イタリア人の情熱的な気質などをくだけた表現でお話しくださり、「まだまだ足りない。もっと!」とダイナミックな表現に導いてくださったり、スタッカートについては「(あなたが思っているよりも)もっと軽くて短く」とご指導くださいました。

さらに1年生には、正しいアンブシュア(マウスピースをあてたときの口の形、または口の周りの筋肉の使い方)やブレスコントロールについて手ほどきいただきました。アンブシュアでは、口の形がどうなっているかを、姿見を使ったり、横から先生が撮影してくださった動画を見せていただいたりして、丁寧にご指導いただきましたし、ブレスのほうでは、短いブレスでたくさん吸うためのトレーニング方法を伝授くださいました。
生徒たちは、これらのトレーニングを毎日こつこつと続けていってくれると思います。

特設講座をご指導いただきました、玉井先生、三界先生、本当にありがとうございました!

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声楽特設講座

9月12日(木)午前、1年生は作曲、弦楽、声楽それぞれの専攻の前期実技試験を実施しました。2年生は授業、3年生は模擬試験、と学年ごとにメニューの違う時間を過ごしました。

そして午後は声楽の特設講座。京都市立芸術大学准教授 日紫喜 恵美先生を講師にお迎えし、声楽専攻の2年生1名と3年生1名が直接レッスンをしていただきました。また、声楽専攻の生徒を中心に多くの生徒が聴講しました。

どちらの生徒も、用意した歌曲をまず通して演奏しました。今日はピアノ伴奏も、本校の非常勤講師の先生にお願いをしました。日紫喜先生は2年生には「身構えてしまう曲を自然に歌っている」、また3年生には「音楽のセンスが良い。伝えようとしているものをしっかりもっている」と、生徒たちの良い面を評価してくださり、生徒たちのモチベーションが一層あがったようでした。

それからさまざまなご指導を始めてくださったのですが、ご自身の身体も歌声も惜しみなく使ってくださり、また「UFOキャッチャーで客席の上のほうにある小さなものをつかみに行くように声をもっていこう」「カラスになってKAの発音で歌ってみて」などわかりやすい比喩を使いながら、聴講の生徒にも語りかけながら、具体的にイメージできるように伝えてくださいました。
歌詞のイタリア語の意味をいくつもお尋ねになり(どちらの生徒も正しく答えていました)、“隠れている”と言っているけれど、それは+の意味かマイナスの意味か、など、言葉を丁寧に理解して歌うことの大切さも示してくださいました。生徒たちの声の届き方や表現の深さがどんどん変わっていくのがわかりました。

レッスン終了後には質疑応答のお時間もいただきました。緊張することについては、レッスンの中でも、緊張は悪いものではない、緊張と友達になる、緊張する自分をかわいいと思って!などのお話があり、呼吸を整えることで落ち着くなどの手法も伝授してくださいました。

日紫喜先生の華やかな、情感豊かで凛とした歌声と楽しいお話に感動しながら、「体が楽器」の声楽の奥深さと可能性にたくさんの学びを頂戴したあっという間の3時間でした。日紫喜先生、本日は本当にありがとうございました。

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1年生前期実技試験始まる。

9月11日(水)本日より、78期1年生にとって初めての実技試験が始まりました。本日は午前:専攻ピアノの生徒のピアノの試験と、専攻作曲の生徒の副専攻ピアノの試験が本校ホールにて、また、午後の副専攻ピアノはピアノ専攻以外の3学年すべての生徒が対象で、大きなレッスン室も含めた3か所にて実施されました。

午前10時すぎ、名列が1年生ピアノ専攻の中で1番初めの生徒(1年生前期の試験は名列順に演奏)が、下手から一人でステージ中央へ。演奏番号と名前を言います。それからピアノ椅子の高さを確かめ、程よい高さに定まったら椅子にこしかけ、心を落ち着けてから自分のタイミングで演奏を始めます。客席上段には、審査を行う本校音楽科教員とピアノ実技非常勤講師の先生方が、客席中央あたりには、クラスの生徒たちが着席しています。拍手はなし。緊張感の漂う空間です。

生徒たちは「本番で育つ」という言葉も聞きます。音楽以外のさまざまな場面でも「本番に強い」、と言われます。3年間いろいろな状況での「本番」を経験できることが音楽専門学科である堀音の特長のひとつ。今回の実技試験も、この「本番」に至るまでの過程とそのあとの振り返りを含めて、生徒の成長の大きな機会と捉えています。

明日は作曲専攻、弦楽専攻、声楽専攻の生徒たちが、明後日は管打楽専攻の生徒たちが「本番」に臨みます。

写真 上:ホールの調整室から撮影した試験風景
   下:実技試験直前の生徒がレッスン室を優先的に使用できるよう、生徒自治会からのお知らせ


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2年生 芸術文化探究「筝曲・尺八講座」

9月10日(火)3・4時間目、2年生の「芸術文化探究」として、「筝曲(そうきょく)・尺八講座」を本校音楽ホールにて開催しました。
本校の「日本音楽史」の授業をご担当いただいている、京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター准教授、武内(たけのうち)恵美子 先生のコーディネイトで、筝の 中川 佳代子 先生、尺八の都山流 森田 柊山 先生 を講師にお招きしました。

3時間目。
講師の先生方のご紹介のあと、まず、武内先生が、中国の古い伝統楽器である古琴をお持ちくださり、筝との違いをご説明くださり「平沙落雁」という曲を演奏してくださいました。ともに中国で生まれた絃楽器ですが、古琴は7弦で柱(じ)がなく、左手の指で絃を押さえて右手の指で琴爪をつけずに弾きます。長さは130cmほどで筝よりだいぶ小型、音も小さいです。

続いては、筝と尺八それぞれについて、各先生より、楽器の構造や音の出し方のご説明のあと、筝は「六段」を、尺八は「鶴の巣籠」を演奏くださいました。先生方は、生徒たちが日頃学んでいる楽器やクラシック音楽の用語も使いながら、共通点や相違点、特徴を興味深くお話しくださり、締めくくりに誰もが知る「春の海」を演奏してくださいました。「春の海」は、宮城 道雄(筝曲家・作曲家)が西洋音楽語法で作曲した、筝と尺八のための邦楽作品です。だれでもお正月にきっと聴いたことがあるでしょう。演奏が始まると、一気に雅な雰囲気に包まれ、皆、いい気持ちになりました。

4時間目。
いよいよ、筝と尺八に分かれて演奏体験をご指導いただきます。
筝チームは、椅子に腰かける形で二人一組で筝に向かい、交代しながら演奏に挑みました。段階を踏みながら、中川先生のご指導によくついていき、「さくらさくら」を練習しました。
筝は、奈良時代に中国の唐から伝えられた13弦の楽器で約180cm。柱(じ)と呼ばれる可動式の短い支柱が弦と胴の間にあり、音程を調節します。右手の親指・人さし指・中指にはめた「つめ」で弦をはじいて音を出しますが、今回は山田流で「角づめ」を使いました。皆楽しそうに弾き、終わるのが名残惜しそうでした。

尺八チームは、一人ひとり尺八を受け取って、横一列に並んで手ほどきを受けます。
「発音の原理はリコーダーと同じ。唇の形と息の方向が正しければ、必ず音は出ます。」と励まされるのですが、これがなかなかうまくいきません。一生懸命息を吹き入れるので、しんどくなって座り、休み休み取り組む生徒も。…ところが、例年よりもはやく、コツをつかんだ生徒が次々と出て、授業の最後には「たこたこあがれ」の合奏にもトライできました。特によく吹けたのは、管楽器専攻や声楽専攻の生徒たち。さすがです。こちらのチームも、もっとやりたかったのにと、残念そうな様子でした。

生徒たちは、今回の講座に「問い」をもって臨むよう、事前学習をしています。今日の受講中には、友達同士で各自のiPadで演奏体験の様子を撮影しながら、筝チームは、つめのはじき方や姿勢、左手の抑えの加減など、尺八チームでは、最適な息の方向や持ち方の角度などを、お互いにチェックしあっており、その映像・画像を含めて、受講後に各自の「問い」に対する考察をワークシートにまとめることにしています。自分の体験した楽器の演奏について、もう片方のグループの生徒にその面白さが伝わるようなレポートを期待しています。

武内先生、中川先生、森田先生、ご準備から本日のご指導まで、本当にお世話になりました。生徒・教員とも、たいへん貴重な学びをいただけましたことに、心より感謝申し上げます。

なお、筝10面は、武内先生のお手配で、京都市立芸術大学からお借りすることができました。本当にありがとうございました。
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ヴァイオリン特設講座1

9月9日(月)14時から3時間にわたって「ヴァイオリン特設講座」第1回が開催されました。

今回は、京都市立芸術大学準教授の 戸上 眞里 先生 にお越しいただき、ヴァイオリン専攻の3年生4名をご指導いただきました。同専攻の1、2年生も授業終了後にかけつけ、熱心に聴講しました。

戸上先生は各生徒に、用意した曲をまず通して弾かせた後、その曲をどんな世界観でとらえて表現しようとしたかについてお尋ねになり、生徒が答えると、やりたいことをやろうと思って弾けていることをまずおほめくださり、それをもっと表に出してよりよい音楽を届けるにはどうすればいいか、という問いのもとに指導を進めてくださいました。イメージがよく伝わる豊かな言葉で語ったり実際に弾いて示したりしながら、パワフルに、そして温かく、細やかにご指導くださいました。

4人に共通しておっしゃったのは、拍感・ビート感でした。「(ここは)遠くを目指して、川のように水の流れを止めないで、平らに」、「(ここは)おなかの中で拍を感じながら。点ではなくラウンド・球体で感じて。それをずっとキープして。」など、様々な表現でご指導がありました。
また、一人ひとりの課題に応じて、「アップのときのパワーが足りない、アップもダウンも全部しっかり弾く練習をしてみよう」とか、「ピチカートで迷ったときは、アルコで弾いてみて。それと同じ感じで弾いて」などの具体的なご指導のほか、「真珠の玉のように美しい音で」「休符は停止ではない。次へ音楽は続いていく。エアーで弾いて」「ピアニッシモのときのほうがインサイドは強く」といった表現で次々にくださるアドバイスに、生徒たちはよく呼応して、みるみる演奏がよくなっていきました。

「一曲や一楽章を建造物のようにとらえ、完成に向かってどのように積み立てていくかを計画して演奏していけたら、もっと素晴らしい」とのご助言もくださり、最後に生徒からの質問にもお答えくださって、特設講座が終了しました。

とても貴重な学びの時間となりました。
戸上 眞里 先生、素晴らしいご指導をありがとうございました!
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「共通テスト」出願説明会実施

9月6日(金)放課後「大学入学者選抜に係る 大学入学共通テスト」通称「共通テスト」の説明会を実施しました。

本校の国公立大学を目指す76期3年生は、実技試験に先立って令和7年1月18日(土)19日(日)(受験科目の関係で本校生徒は18日(土)のみの受験)に全国で実施される、「共通テスト」を受験する必要があります。そのため、進路部が大学入試センター発行の、「令和7年度 受験案内」を入手し、配布。概要や出願について説明、出願のための準備に入っていきました。

203教室に集合した生徒たちは、少しの緊張感を持って着席。定刻に始めることができました。初めに校長から心構えを伝えました。音楽を専門的に学ぶ大学は、当日の試験で何点取る、そのこと以上に、その日までしっかりと国語や英語等にむき合って勉強してきてほしい、というメッセージを発していると思っている。嫌に思わないで、好きになる気持ちで取り組んでほしい。模試や教科の先生が用意してくださる問題を、デキを気にして避けるのはもったいない。楽しんで問題にあたって、力をつけていこう。そして授業を大事に、は大原則。あなた方が音楽で身に着けた集中力などの頭や心や身体につけている力は相当のモノ。それが「共通テスト」の勉強にも必ず活きるから!と激励しました。

そのあと進路指導主事が、生徒たちに「受験案内」を開封させながら、テストの概要や受験料の振込についてなど、具体的な説明を行いました。そして「志願票」の記入について、堀音用に作成した記入例をもとに、注意すべきポイントなどを丁寧に説明しました。そして、「志願票」のコピーに記入して、9日(月)に担任に提出することが告げられました。

「共通テスト」の出願は、学校が一括して行います。担任や進路部が「志願票」の記入や書類を整えるまでのスケジュールをしっかりチェックしてくれるこの機会に要領をマスターして、次の自分の志望校への出願に活かしてほしいと思います。

1日24時間は皆に平等。自分の進路実現に向かって、音楽に打ち込む時間との調整をして、「共通テスト」にもモチベーションをあげて、取り組んでほしいと願っています。

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