京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/26
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ハートフルマーク

筋書きのないドラマ

うららかな春の日曜日,本校硬式野球部が春の大会に挑みました。試合会場は,森や畑に囲まれた自然豊かな場所にある高校のグラウンド。光を浴びる新緑が見渡す限りに広がっている。新鮮で美しい。残念ながら,新型コロナの影響により学校関係者以外は会場には入れない,いわば,無観客の中での試合でした。

10数名で構成される本校野球部。平日は校内の限られた場所でトレーニングをしたり,近隣のグラウンドを使用させていただいたりしながら,練習に取り組んでいる。週末は,広い嵯峨野グラウンドで思いっきり打って投げて走ったり,他校との試合に挑んだりしている。少ない人数ながら自分たちでのチーム作りを大切にして,目標を持ち,意欲を高めあい,工夫しながら汗を流している。

正午すぎ,気温が上昇し汗ばむ陽気の中,試合開始が告げられる。後攻の堀川ナイン。まずは守りから。気合いを入れて勢いよく全力疾走で自分の守備位置に向かう。

初回。相手の選手がかっ飛ばす。選手は少し委縮してしまったか,なかなかアウトを重ねられない。監督がその様子を察してか,人一倍大きな声で活気づける。「みんな,大丈夫やからな。」「やるべきことをやろう。」「下を向かずに前を見て。」

ピッチャーは2年生。時にワンバウンドしながらも低めを意識して力強く投げ込む。キャッチャーは3年生。それでいいんだと言わんばかりに,捕球後には力強くピッチャーに返球する。その軽快なテンポから,お互いに対する信頼感が伝わってくる。

4点のリードを許した4回裏,堀川に大きなチャンスがやってくる。先頭打者のヒット,そして盗塁。さらにヒットが続き,0アウト1,3塁。次の打者がレフトフェンス直撃2塁打で2点。反撃開始。ベンチの全員が声を枯らして盛り上がる。四球を選び1,2塁。次の選手には送りバントのサイン。少し身体が硬くなったか,なかなか決められない。グラウンドのあちこちから「楽しんでいこうぜ」といった声。バッティングに切り替えると,うまく合わせてセンター前ヒット。満塁。ここぞとばかりに,監督が塁上にいる選手たちを引き締める。「しっかり前を見るんだぞ!」「自分で判断するんだぞ!」

まだ続く。センターオーバー2塁打で2点追加。同点。勢いに乗る選手たちに気の緩みはない。挑む雰囲気を自分たちで創り出している。緊迫する場面場面を夢中になって楽しんでいる。

0アウト2,3塁。四球で満塁。ライト前ヒットで1点追加。ついに逆転。うれしさを爆発させる選手たち。なおも0アウト満塁。三振で1アウト。それでも,仲間たちはかすれた声を振り絞る。「ナイススイング!」レフト前ヒットでさらに1点追加。その後は三振,ショートゴロで3アウト。合計6点の逆転劇。選手たち全員で生み出したビッグイニング。

攻守交替。外野の守備に着く選手たちの会話が聞こえてきた。「さっき,何点取ったっけ?」「6点ちゃうかなぁ。」目の前の1を追い続けた2人の様子がうかがえる。

このまま優勢に試合を運ぶためには堅守で乗り切りたい。しかしピンチが訪れる。2アウト2,3塁。それでもなんとか三振で凌ぎ,0点に抑える。軽快に足を弾ませながらベンチに戻る選手たちが頼もしい。「ナイスピッチング,ナイスキャッチ,ナイスラン!」すべてのプレーを称え励ます。「自分たちにもできるんだ。」という自信,「失敗を恐れず前に出よう。」という勇気に満ちている。

私は知らなかったのだが,高校野球では試合中5回終了後に1度だけ,選手たちがグラウンド整備をするそうだ。両チームの選手が入り混じりながら,黙々とトンボを引く。約10分間,それまで声援に沸いていたグラウンドが静寂に包まれる。最後には,それぞれのチームが交互に,礼儀正しくその場に直立し「ありがとうございました。」感謝の気持ちを素直に表す,すがすがしい瞬間。

試合再開。6回表にはホームランで同点に追いつかれる。それでも意地を見せる選手たち。2アウトからの深いショートゴロ。懸命に飛びついて,なんとかキャッチ。厳しい体勢から足を踏ん張り,渾身の送球。少し逸れたワンバウンドのボールを1塁選手が全身をめいっぱい伸ばして捕球する。アウト。選手たちの戦いはまだまだこれからだ。

その裏の攻撃。隙があれば次の塁を狙う機敏な動きをみせ,1点を取る。再び7対6とリード。このまま最後まで粘ってほしい。

7回表の守備。ピッチャーに疲れがみえる。球数がかさんでいる。暑さも堪える。満塁のピンチを迎えると,ベンチからタイムがかかる。内野の選手がピッチャーのもとに駆け寄る。ピッチャー交代。ここまで本当によく投げた。外野の選手も遠くから労いの声をあげる。次には,ショートを守っていた選手がマウンドに立つ。投球練習で見せるストレートが走っている。みんなの期待を背負って終盤に挑む。

相手の打線に火がつく。怒涛の攻撃を浴びる。次々に点を失ってしまう。「1つ1つを大事に。」「ボールを待つんじゃない!自分から呼び込むんだぞ!」「打たれてもいい。思い切っていけ。」監督も選手とともに戦っている。ベンチにいるマネージャーの少し高い声がグラウンドに一層響き渡る。内野の連携によって,両チームを通じて初めてのダブルプレーを決め,この回を閉める。選手たちには笑顔があふれている。

8回にも得点を許し,規定によりコールドゲームとなり試合終了。9回まであと1回,選手たちが最後にどこまでできるのか,何を残してくれるのかを見たかったのが正直な気持ち。両チーム選手が整列し,互いに礼を交わす。審判の方々へも。最後までやり遂げる姿がまぶしい。


負けはしたものの,見応えのある試合だった。表情豊かに盛り上がる瞬間もあれば,ハラハラする緊迫のシーンもあった。絆固く果敢に挑む場面にも心を動かされた。2時間半ほどのドラマの中に散りばめられた1アウトの難しさ,1スイングの重み,1プレーの悔しさ,1点の喜び。そういったものを生徒たちはリアルに体感していたのだろう。一皮むけた生徒たちの次に期待したい。

生徒たちは自分自身のドラマを創り,ストーリーを描く。映像や本の中だけにあるものではない。話題性の高い人に限られるものでもない。あらゆる部活動や学校生活の中で,生徒たちは目の前の何かを夢中になって追いかけている。そういった1人1人を応援していきたいと思います。

橋詰 忍

春のいぶき

玄関前に咲く桜が,あたたかな風に舞っています。
春の光が差し込む中,本日の午前10時より24期生の入学式を実施しました。

式辞では,24期生の入学に対するお祝いを新入生および保護者の方々へお伝えするとともに,1人1人が持つかけがえのない個性や,突き出るような能力,あふれんばかりの意欲をさらに際立たせ,個や集団として華やぎ,お互いを思い,社会とのつながりを大切にしながら,ときめいてほしいということを伝えました。

24期生は「いぶき」。
自分の「自」に「心」をつけた「息」という一文字。
これをもって「いぶき」。
においたつ。さざめく。やすらう。

時には,息を合わせてひとつになる。そしてまた,息をのむような刺激や感動,美しさを味わう。息を切らすほどに全力で突っ走ってみる。でも,ほっと息をついて安らぐことができる時間と空間がある。その中で,1人1人のチャレンジを認め合い,自分もやってみようという思いが湧き出て,お互いを鼓舞しあう。そんな人たちであふれる堀川高校を創っていってくれることを願っています。


新入生宣誓。
緊張しながらも初々しく清らかな様子。

期待と不安がある中,私たち1人1人の自分らしさが息吹き,影響しあい,安らぎを与えあえる24期生でありたい。真摯な努力を続け,高校生活を有意義なものとしたい。

時折,奉書紙に落とす視線を上げ,正面にいる私の顔を見ながら,力強く述べてくれました。


午後の前期始業式のあとの対面式。
「森」の22期生と「景」の23期生が,「息」の24期生を迎えました。
まずは新入生からのことば。そのあとに生徒会長からのことば。

新入生の快活な声。まっすぐな視線。

学びの多いさまざまな時間と経験を重ねたい。そして3年後,自分たちは堀川高校の卒業生である,と胸を張って言いたい。先輩のみなさん,堀川らしさなど,たくさん教えてください。同じ学年の24期生のみなさん,不安はあるけど,協力して安息の場所を創っていきましょう。

手には原稿を持たず,自分の抱負,先輩たちや同じ学年の仲間に向けたメッセージを元気に語ってくれました。

続いて,生徒会長の歓迎。
生徒会執行部の仲間たちが,傍であたたかく見守っていた。

堀川高校へようこそ。心からお祝いします。新たな挑戦をしていく上で,選択肢からただ選ぶだけではなく,何もないところから新たに物事を生み出そうと模索することが大切だと思っています。仲間や先生が応援してくれます。そして,学年を超えて学びあえる堀川高校を創っていきましょう。

話し終えた生徒会長には,1つのことをやり遂げた安堵感が一気に広がり,表情が穏やかになっていた。
生徒会長は,笑顔で迎える生徒会の仲間たちの輪の中にいた。


24期生が堀川の仲間に加わり,3学年そろっての新しいスタート。

憧れていた堀川高校での生活に,期待や不安が入り混じる新入生たち。昼休みには早速,教室から新しい仲間と語らう陽気な声が廊下に響いていました。
先輩たちは,新入生をあたたかく迎えるとともに,自分たちが1つ上の学年となったことの自負,そして,心地よいくすぐったさを感じているように見えました。
そんな生徒たちとこれから歩むこの1年。私自身も大切にしていきたいと思っています。

新しい年度を迎えました。
今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

橋詰 忍
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行事予定
5/22 総合体育大会 2年全統模試(普通科・校外)
5/26 スクールカウンセラー来校日

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