京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/26
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ハートフルマーク

はねかえすチカラ

 5月にさかのぼりますが,本校サッカー部のインターハイ予選を観戦しました。

 試合会場となる高校には関係者しか入れない。この高校も然り。私も正門前で身元を確認されてやっと入れていただいたと思えば,会場内でも責任者の方から「保護者の方の立入はできません。」と声をかけられる始末。生徒の安全安心が最優先,と心を整える。

 試合開始直前のミーティング。堀川が陣取るテント前に白色のユニフォーム姿のイレブンが輪になり,その輪をさらに部員たちが取り囲む。顧問の指示が飛ぶ。生徒どうしで戦術を再確認し,互いに士気を高め合う。一方で,みんなの笑顔もあふれる。肩の力を抜いて。

 「よし,いくぞ!」威勢のよいかけ声があちこちからあがる。前週の勝利に続き,目の前の1勝をめざしていよいよフィールドへ。負ければ終わりのトーナメント戦。1試合でも多く真剣勝負がしたい。両チームの整列,あいさつ。イレブンは円陣を組んだあと,自分のポジションに散っていく。いよいよ,笛が高々と鳴り響く。私自身もサッカー競技歴が長かったこともあり,この瞬間に一気に沸き立つ闘志で身を震わせる生徒の気持ちがよくわかる。

 3年生にとっては最後の大会。これまで新型コロナの影響をずっと受け続けてきた生徒たち。思い返せば,練習の時間や内容にも試合経験にも遠征機会にも制約がかかり,競技に向き合う姿勢を保ちづらい環境の中,自分たちで考え,自らを奮い立たせ,心をつなぎ合わせて,ここまでやってきた。不確実性の高い状況において,生徒それぞれが山あり谷ありの時間を過こしてきたことだろう。唯一解を見出せず誰からも提示されず,思考するために必要な情報すらぼやける中,自分や自分たちはどうしたいか,どうあるべきかという納得解をとりまとめ,さまよいながらも道を歩んできた。

 試合はといえば,前半は互いに譲らず互角。後半になってもチャンスとピンチが繰り返される。終盤になると,徐々に押し込まれてきたか。ディフェンスの生徒が忙しい。強い日差しが体力の消耗を加速させる中,最初の一歩が遅れがちになる。それでも,自陣に飛んでくるボールに次々と食らいつき,競り合い,押し返そうとする。
 少しでも遠くへ。味方のもとへ。

 後半の終了が告げられる。結局,両チームともにゴールを割ることができず,0対0のまま延長戦へ。それでも決着がつかずPK戦へ。時に運も左右するこの蹴り合い。残念ながら,3年生の舞台はここで閉じられた。
 ナイスゲームと心から伝えたい。

 はねかえすチカラ。
 こっちへ来させるものかと激しくはねのける。ゴールに近づかせないために味方に指示を出す。その瞬間,生徒は何を考えているのだろう。勝つために必要だから,ルールだから,体が勝手に動くから,そうするのがあたりまえだから,夢中だから何も考えていない。そういったことだけなのか。

 後日の昼休み,サッカー部の3年生に聞いてみた。「あの瞬間,君は何を考えていたのだろう。」全身ではねかえし続けた生徒。頭を悩ませながら考え込む彼と話す中で,彼はあることばを浮かび上がらせた。役割。スポーツ競技であれ,他の活動であれ,自分に課された役割を自覚することが大切であり,それを果たすための姿勢と行動が仲間を勇気づけたり楽しませたりすることにつながる。自分はそう思っている,と。

 彼は穏やかに続けた。勝ち負けといった表面的な部分だけでなく,練習の一場面やミーティングでの議論の過程において,これまで成功体験と失敗体験をたくさん繰り返してきた。そんなときに抱いた充実感とか自己効力感,逆境に向かう高揚感とかは,これから自分をもっと強くしてくれるはずだ,と。「これまで」と「これから」。はねかえす「今」は,過去から続き未来につながっていくもののようだ。Serendipity=「偶然の幸せな出会い」。彼らは同じ年に生まれ,15歳で堀川に集い,サッカー部という集団に引き寄せられた。その瞬間からこれまで,学校内外で長くて短い時間が流れ,彼らが大事に思う数々の見えるもの見えないものが積み上げられてきた。

 最後に彼は,「うまく伝えられなかったので,もう一度考えてみます。」私から,「また落ち着いたら,お話しを聞かせてくださいね。」彼はさわやかに去っていった。

 1人1人の生徒が役割を担い挑戦している。
 学習か,研究か,運動か,趣味か,他の活動か。
 放課後となった今,教室,グラウンド,体育館,あらゆるところで,生徒たちはひとつになって,高みをめざして,ひとりになって,自分や自分たちだけにしかその価値はわからないのかもしれないが,とってもこだわりのある目の前のモノをはねかえそうとしている。そんな音が学校中に響いている。
 もとめすぎず,ポイントをはずさず。
 他の誰かを打ち負かすためではなく,自分の成長のために。
 その挑戦は味方に伝わり,きっと支えてくれる。

 7月を迎えました。
 依然として基本的な感染防止対策の徹底が求められ,また,暑さによる熱中症には十分留意しなければならない中ですが,生徒の学習や活動の機会を可能な限り拡げていきたいと考えています。

橋詰 忍

幕開き

 新しい年度を迎えました。
 今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

 本日の午前10時より,やわらかいひざしの中,23期生の入学式を実施しました。

 式辞では,23期生の入学に対するお祝いを新入生および保護者の方々へお伝えするとともに,生徒諸君の身体に満ちあふれている自負と緊張感をいつまでも大切にしてほしい,また,自らを鍛え,決して小さくまとまることなく,誇りと見識,また,謙虚さと感謝の気持ちをもって,夢の実現に向けて,心を込めて取り組んでほしいということを伝えました。

 また,3年生21期生,2年生22期生とも交わしている3つの約束「学校は学びの場である,学校は小さな社会である,学校は楽しいところである」を23期生諸君にも伝えました。

 以下,式辞からの抜粋をご紹介いたします。

 これからの3年間,自分の可能性と潜在能力に線を引かず,失敗を恐れず,常に挑戦意欲を持って,力強く躍動してほしいと思っています。また,先人たちの知恵を謙虚に学ぶとともに,常識とされるものに疑念や違和感を持ち,「知りたい」という自分の心と頭にビシビシと突き刺さる知的刺激を大いに楽しみ,ワクワクするような高揚感を持って,取り組んでほしいと思っています。
 みなさん1人1人は,自ら素敵な輝きを持ち,他を照らすことができる存在です。そのような個性的で堂々とした希望のひかりが,学校の中のみならず外の世界にあふれ,人の心を満たし,目の前の見えるところだけでなく遠くにも向かい,未来を展望し,力強く広がってほしい。志のともなった「ひざし」が照らすその先には新たな出会いがあり,それらが醸し出すおもむきを味わい,そして意志高く,時には協同し,自由に挑んでほしい。そんな「景(ひざし)」のような存在であってほしいと思っています。「ひざしおもぶき,世にあふれ,人にしみいる。」この一文字に魂を吹き込むのは君たち自身です。


 入学式の後,午後に前期始業式を実施しました。

 新入生である23期生を迎え,3学年が一同に会して実施しました。その後,生徒は自分のHR教室に戻り,担任の先生や仲間とともに時間を過ごしました。その時,私が1年生のHR教室が並ぶ4階廊下をフラフラと歩いていると,ある女子生徒がHR教室から出てきたところに出くわしました。見覚えのある生徒でした。

 「あなたを探究道場で何度かお見かけした気がしますが...」

と唐突に投げかけてみると,彼女は突然の驚きの中にも素敵な笑顔で快活に「はい。」と。

 「2度,来られましたよね。」
 「いいえ,3度です。中学1年生の時に1度,昨年度に2度です。」

 彼女はこれまでは堀川高校を外からみていましたが,今日からはその中に入り,堀川高校生の一員として学校生活を謳歌していく。内から見た堀川の景色はどのようなものなのか,ぜひ聞いてみたいと思っています。

 さまざまな新入生が,中学生のときから堀川高校とつながっていたり,憧れていた堀川高校生活への希望に満ちていたり,緊張や不安の中にもワクワクした気持ちを秘めていたり。そんな23期生たちとこれから歩む3年間。私自身も大切にしていきたいと思っています。

橋詰 忍
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行事予定
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9/15 1年ピロリ菌検査
9/16 3年共催共通テスト模試+567限の授業 1・2年1〜7限の授業 スクールカウンセラー来校日 2年宿泊研修事前健康相談 1年ピロリ菌検査

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