京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/22
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Imaginative Approach!

 さまざまな問いに対する解決に向けた糸口の一つとして、「視点」、「位置づけ」の変換作業が重要だと思っています。それは、規定から外れた思考でも、ちょっとした変換でのいいと思います。そこから新たな気づきや発見につながり、おさまりどころを形成していくのだと思います。いわゆる、ものの見方と自分自身のポジショニングの変換です。もちろん、自分のスタイルの視点、見方と立ち位置を確固として保つことは大切です。その上で、別の視点、見方や立ち位置を意識してみることで、次なるステップをより広範囲に、そして深く進めていくことができると思っています。この変換の重要な点は、自分自身に新しい気づき、発見があるだけではなく、相手の心をも動かすということです。これは、とても大切なことで、自立する18歳をめざす堀高生に身につけてほしい力だとも思っています。
 こんな経験をしました。ある年の夏、大型台風がやってくるというときに、営業していた多くのお店などが、台風対策に休業した時がありました。ほとんどのお店の入り口には、「臨時休業」または「大型台風の影響で休業いたします。」等の張り紙が貼ってありました。このこと自体は、なんの疑問もなく、特に変わったことではないです。ところが、あるラーメン屋さんの玄関の張り紙をみて、私は衝撃をうけました。その張り紙には、「大きな台風がやってきます。どうかお休みさせてください。お願いします。」と書かれてあったのです。特に気にしなければ「本日休業」と同意なので、「営業しない」という伝達事項は成立します。が、まさに同じ表現ではない。自分自身の位置づけ、ポジショニングが全く違う。主体をこちら側に置くのか、向こう側に置くのかの違いだけだけれども、こちら側に伝わってくるものの思いと重みをずしっと感じました。私はラーメン屋さんに好感を持ちましたし、繋がりたいと思いました。もっと知りたいという気持ちが起こってきました。この視点と姿勢こそが、相手を揺さぶり、理解を深め、繋がっていくエネルギーを発生させるのではないかと思います。さらには、解決策の見えない、地球規模での環境問題や欧米中心に広がっている国家間の社会的断絶の解決にむけた糸口となっていくのではないかとも感じました。ラーメン屋さんが、直接世界を救うわけではありませんが、糸口は私たちの身の周りにはたくさん存在しているのです。それに気づかないからこそ、気づくことをしなければならない。主体的に想像力を働かせ、より多層的な視点、異なる尺度や、より広範な解釈に基づいた視点が重要といえはしないでしょうか。


 松岡正剛曰く、「模倣と連想と類推は、すべて想像力のトリガーなのである。」

 
 学校長 谷内 秀一


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平成31年度入学式 式辞

 本校は、一九〇八年、明治四一年に京都市立堀川高等女学校として設立されました。昨年、百十周年を迎えています。一九四八年、昭和二十三年に学制改革により京都市立堀川高等学校として発足し、新入生のみなさんは、その七十四期生となります。そして、一九九九年、平成十一年からこの新しい校舎で京都市の教育改革のパイロット校として新たな歴史を刻み始めました。この新たな挑戦の年輪として、ここに集う新入生を私たちは二十一期生と呼びます。このことを、新入生諸君は心に受け止めてください。
 今、二十一期生、二四八名のみなさんに入学を許可いたしました。それは、堀川高校の歴史に、新しい二四八名の名前を加えたということです。みなさんが、これから三年にわたり、ここ堀川に、変わることなく受け継がれる自主自立の精神を大切に、さまざまな学びの体験を経て、堀川高校の最高目標である「自立する十八歳」を目指し、懸命に学ぶ日々を過ごしてくれることを心から願っています。
 そのスタートとなる今日、堀川高校は皆さんと「三つの約束」をしたいと思います。
 三つの約束、その第一は、「学校は学びの場である。」ということです。人は、足りないものがあるから、不十分だから、学びます。失礼ながら、みなさんはまだまだ不十分です。自分はまだ足りないということを自覚して、学ぶ者としての謙虚さを持ってください。私たちは君たちの現状を受け取りはしますが、そのままの状態を肯定はしません。なぜならば、私たちは、あなたたちの可能性を肯定するからです。可能性を肯定して、あなたたちに、学ぶための多様な機会を提供します。
 第二は、「学校は小さな社会である。」ということです。集団の中で自己をみつめ、他者を理解する場。当然ルールがあるし、マナーも必要です。堀川高校をよりよい社会にするための責任と役割をみんなが共有しています。あなたたちは場と状況を把握し、意識した行動をとるように努めてください。私たちは、大きな子どもではなく、「小さな大人」として、君たちに対応します。
 第三は、「学校は楽しいところである。」ということです。本当に楽しいというのはどういうものかを考えてほしい。楽しさは待っていて与えられるものではありません。行動することによって創るものなのです。本物の楽しさを得るために、自ら参画し、参加する姿勢を持ってください。私たちは、あなたたちの個性を尊重して、見張ることはせずに、見守ります。
 今、みなさんと三つの約束をしました。約束とは契約です。みなさんと私たちがこの三つの約束を互いに果たしきることはそんなにたやすいことではないでしょう。一人一人の自覚とともに、お互いがことばで確認と評価し合うことによって、この堀川という学校が「学びの場」「小さな社会」そして「楽しいところ」であるという約束が果たされます。みなさんがこれから始まる堀川での日々を主体的にこの約束を果たそうと努力することが、三年後の「自立する十八歳」を創り出します。
 今日、みなさんの新しい始まりの時に、私は堀川高校二十一期生を「暁(あかつき)」と名づけます。太陽がゆっくりと少しずつ重い暗闇を凌ぎつつ、光を差し入れてくるように、未来に向けた努力と挑戦を、勇気をもって、一歩、二歩自ら歩んでほしいと願っています。
 漢字の「暁」は、太陽を表す「ひへん」と、山の極めて高い様子をあらわす「ぎょう」という字からできています。明るくなろうとする夜明けを意味し、物事の始まり、そして太陽の光が差し込んでくることによって、物事が明らかになること、はっきりわかってくることを表しています。古来日本、夜明けを表すことばはたくさんあります。「あかつき」「しののめ」「あけぼの」「あさぼらけ」などです。その中で「あかつき」は夜半から明け方までの時刻で、夜明けの一番初めを表します。つまり、太陽の昇る直前のほの暗いころで、長い夜から太陽を最初に感じ始める夜明けのスタートのころです。長い夜から朝への最初のうごめきが「あかつき」です。静寂な夜から、太陽の光を受けて、生命のいぶきが感じられる瞬間です。
 前が見えない暗闇の中でも、これから差し込んでくる光を信じて夜明けがやってくるように、先の見えない未来に向けて、自分自身の可能性を信じ、勇気ある挑戦をし続けてほしいと願ってやみません。
 保護者のみなさま、ひとことお祝い申し上げます。お子様のご入学、おめでとうございます。本日より堀高生としての高校生活が始まります。堀川高校入学がゴールではありません。ここからがスタート、夜明けとなります。希望に満ちあふれている今、ここから、濃密な三年間を送ることで、生徒たちは大きな変容を遂げていきます。どうぞ保護者のみなさま、私たちとともに生徒たちをあたたかく見守り、時に励まし、支えていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 さあ、二四八名の二十一期生のみなさん、堀川高校の新たなる夜明けを、一緒にスタートさせましょう。


 平成三十一年四月八日 学校長 谷内 秀一

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「Sun in the Night」

 春到来!世の中は新年度として、今日から新しくスタートする。
 スタートにはさまざまなスタイルがある。年度の始まりとしてのスタート、春夏秋冬四季としてのスタート、一日のスタートなど。これらは、再度スタートに戻ってくる循環型。この型には、実は始まりがなく、終わりもない「時」の流れとなっている。では、新元号のスタートはどうか。これは循環型ではなく、歴史的時間としての直線型で、始まりがなく、終わりもない。では、一人ひとりの人生のスタートはどうだろう。これには始まりがあり、そして終わりもある。歴史的時間とはちょっと違う。人生の普遍的時間としてのヒト型とでもいえようか。この有限の時間の流れにはそれぞれ分節あり、例えば一つには、幼児、少年、青年、中年、老年などの分節、これは当たり前だが、一度過ぎ去れば二度と戻ることはない。スタートにはさまざまなスタイルがあるが、いずれにしても、それぞれのスタートは、「今、ここ」に生きることへの強調へと向かうものといえる。
 では、新しい自分自身のスタートは、いつ、どこから始まるのか。それは自分を知るところから始まるのではないだろうか。自分を知るとは他者を知ることなしには始まらない。とすれば、他者との新しい出会いやコンタクトがその時でもある。学校という小さな社会の中でもさまざまなスタートがある。4月には新入生が入学し、新しいコミュニティが加わる。2年生や3年生は同じメンバーでも、4月からは、新しいコミュニティに進化する。やはり、一人ひとりのスタートとなる。
 それは、長い夜から朝がやってくるあの感覚、太陽がゆっくりと少しずつ重い暗闇を凌ぎ、光を差し入れてくる、あの瞬間の楽しみと喜び、未来に期待するわくわく感は誰でも経験しているように、毎日が新しいスタートでもあり、進んでいる途中でもある。
 私たちは、先が見えないが、一人ひとりのそれぞれの朝を求めて、「今」に生きているのだろう。


 大伴家持曰く、
  「高円(たかまど)の野辺のあきはぎこのころの
             あかとき露に咲きにけむかも」


  学校長 谷内 秀一  


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行事予定
3/16 中期選抜合格発表(10:30〜12:30)  生徒校内立入禁止(〜13:00)
3/17 生徒校内立入禁止(13:00〜)  合格者登校日(14:00〜)
3/19 後期終業式(13:30〜)  新1年教科書販売
3/20 春分の日  新1年教科書販売

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