京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/18
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大きな拍手

 先週,学校が再開して間もない時,1年生の学年集会でお話しさせていただく機会をいただきました。5月末の学習オリエンテーションの時に,ある先生が話した「ブラックホールでピタゴラスの定理は成立するのか」などの話題にも触れながら,堀川高校での学びについてお話ししました。
 次に,私はこんなことを生徒へ投げかけてみました。「私の合図で,クラスごとに大きな拍手を響かせてください。」私のお願いをどのように捉え反応してくれるのか,とても不安でした。しかし,どのクラスも大きな拍手をアリーナに響かせてくれました。
 私がそんなことを投げかけてみた理由は2つ。1つは,単純に生徒の“声”が聞きたかったということ。6月からの登校で,1年生にとっての高校生活は始まったばかりです。仲間づくりはまだまだこれから。しかし,感染防止のマスクのために会話も十分にできない状況です。そんな中,「自分はここにいる」という1人1人の主張を直接聞きたかった。
 2つめは,クラスや学年という集団の中で,他の人とつながってみてほしかったということ。自分の“声”と他の“声”を共鳴させて,それを生徒自身が実感し,1つの方向に向かって取り組む経験をしてほしかった。私の投げかけに対して,一生懸命応えてくれた人もいれば,意味が理解できず戸惑った人,恥ずかしさゆえに控えめだった人,反応したくなかった人など,さまざまだったことでしょう。それでいい。学年やクラスの中にいる1人1人の考えは異なり,特徴も個性もそれぞれ。それらをお互いが知り,認めあってほしい。集団が目標を共有し,それを達成しようとする集団になる時には,1人1人が役割を担う。先頭に立つリーダー,支えるフォロアー,考えるブレイン,まとめるコーディネーターなど。そういったすべての役割が重なりあうことによって生み出されるパワー,エネルギーを感じてほしい。それを最大限にするために,自分と他者との対話を重ね,知恵を絞り,関わり,挑戦すること。自分の役割が集団に力を与えること,その集団の中で力をもらい自分が強くなっていくこと。そんな経験をこれからの堀川高校でたくさんしてほしいと思っています。
 そんなことを生徒に話しました。ともあれ,6クラス分の大きな拍手を聞かせてもらえたことは,とてもうれしいことでした。

 今週から7限まで授業を実施しています。昨日の午後,各学年のいろんな授業を見学しようと校内を歩いてみました。6限目,アリーナでの2年生の体育。生徒たちがグループに分かれて何かをやっている。足を挙げていたり,体をそらしたり,寝そべっていたり。何をやっているのかわからない不思議な光景。体育の先生に聞いてみると,臨時休業中に考えた自分たちのオリジナル体操を発表するための話し合いや準備をしているらしい。おもしろそう。そのときちょうど休憩時間を迎えました。次の7限目にいよいよ発表だそうです。休憩時間に男子生徒が小走りしながら私に声をかけてくれました。「校長先生もいっしょに体操しませんか。」とてもうれしいお誘いでした。まだよく知らない私に,壁を作らず気さくに声をかけてくれる青年。人の心を温かくさせてくれる一言。そんな風にして,人との関係を築いたり,心を豊かにさせたりすることができる。生徒から教えてもらった気がします。

橋詰 忍
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