京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/26
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4月29日(月・祝)14:00〜 管楽アンサンブルコンサート 5月2日(木)18:00〜 弦楽アンサンブルコンサート を本校ホールにて実施します。入場無料・全席自由です。 詳しくは「カテゴリ」の「コンサート」をクリックしてください。本校生徒の演奏をぜひお聴きください。ご来場お待ちしております!  

5月8日 朝のメッセージ

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堀音生の皆さん,おはようございます。
昨日,夕方に次の課題を郵送しました。5月17日までの課題ですので,計画的に学習するようにしてください。また,返信用の封筒を同封しましたので,これまでの課題で指定されたものを期日までに返送してください。また,京都市教育委員会は,5月17日までの期間を「家庭学習の充実の期間」とし,18日から31日までを「教育活動の再開に向けた準備期間」とするということを発表しました。6月の初めに授業が再開されることを念頭において,様々な点で準備をしておくことが始まります。本校でもすでに連絡したように,画像や音声を使った遠隔授業のレッスンを始めることにし,また普通科においてもそのようなことができないか,について検討をしています。いずれここで紹介したいと思います。

 さて,今日は「西洋音楽の原点」についてです
 エジプトやギリシアの音楽について前回お話をしましたが,それに続く西洋の中世社会では音楽はどのような存在であったのでしょう。西洋の中世では,現在につながる大学が12から13世紀に各地で誕生し,有名なところではイギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学,フランスのパリ大学などがあります。そこでは,学問を修める人間が履修するべき基本的な学科として,「自由七学科」というものがありました。文法,修辞学,弁証学,算術,幾何学,天文学,そして音楽の七つの学問です。今で言えば,国語,算数,理科,音楽となるのでしょうか。なぜ,音楽が含まれているかといえば,それは中世文化の根幹となる宗教,すなわちキリスト教には音楽はなくてはならないものだったからです。というのも,もともとキリスト教はその母体であったユダヤ教とともに,「偶像崇拝」を禁止していました。仏像などを作って礼拝をする仏教などとは違い,神は形では表すことのできない存在であり,神は自らの意思で言葉をもって語り,人はそれを自分の耳で聞くというものなのです。従って,音楽のように耳を通して人の心の奥底をゆり動かす芸術も,人間が作ったものでありながら,実は神の業とされます。従って,音楽の背景には神の摂理として,天体の運行や人間の精神の根本にかかわる理論があると考えられ,音楽は芸術であるとともに,学問でもあるとされました。
 そして,そのキリスト教の中心としてローマ・カトリック教会が存在し,その最高の権威者でもある教皇(法王)や司教(僧侶)が,宗教行事(ミサなど)に音楽を不可欠なものとして使用しました。その始まりとされるのが,グレゴリオ聖歌(グレゴリアンチャント)です。名称は7世紀の教皇グレゴリウス1世に由来しますが,実はもう少しあと,8〜9世紀にガリア(現フランス)かゲルマン(ドイツ)で成立したと言われます。グレゴリオ聖歌は単旋律の音楽で,和声も対旋律もなく楽器の伴奏も通常はない,ユニゾンで歌われる旋律が1本あるだけです。ネウマという独特の楽譜であらわされ,もともとは音の上下だけを表していましたが,13世紀ごろには,四本線つきの角形のネウマが多くの地域で使われるようになります。歌い方は地方によって異なりますが,現在ではフランスのソレム修道院の唱法(ソレム唱法)が国際的に通用しています。一本の旋律しかないシンプルな音楽ですが,その奥には,人々の神への思いや,心に訴える切々とした深い祈りが感じられます。皆さんも,一度聞いてみるといいですよ。
      写真(ローマ サンピエトロ寺院),(ネウマ譜)

5月7日 朝のメッセージ

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おはようございます。ようやく連休期間が終わりました。と言ってもご承知の通り,「緊急事態宣言」は全国に出たままであり,京都市の学校の休業に関しては,前回お話ししていた「5月17日まで」が延長され,「5月末まで」,となりました。いずれ詳しい連絡はしますが,ともかくは,この状態が月末まで続くと思っておいてください。
 今日中に次の課題を郵送します。明日か明後日に到着すると思いますので,確認してください。なお,今回のパックに中には「返送用封筒」が同封されていますので,5月6日までの課題のうち,提出が必要な課題(中に何が必要かを書いたものがあります)を速やかに提出(郵送)してください。また,実技に関しては遠隔授業の準備をしています。先生とのやり取り,学校への報告を定められたとおりに行ってください。

では,今日の先生からのメッセージです。

おはようございます。みなさんお元気ですか?
時間がこれほどある時には、思い切って、大きなことについて、焦らず、ほんわか、じっくりと考えるのはどうでしょう。
「音楽の可能性とは―」「将来どのように音楽で社会と関わろうか―」「なぜ○○を好きと感じるのか―」
同じ問いでも、答は自分の成長度によって変化します。変化できるものなら何度変化してもよいのです。大切なのは折につけ、考えたり描いたりしつづけていること。そうすれば、何かが目の前や頭の上をふっと通り過ぎたときに、「あっ!」と、ひらめきやすくなります。普段ならやり過ごすようなことにもヒントや意味が見えてくる、つながりを感じられる瞬間です。
かつて尊敬する作曲家が教えてくださいました。「日々丈夫な縄を編み続けることだ。それはいつ来るかわからない。しかし来た時にはそれを逃さず捕えねばならない。感性を研ぎ澄まし待つのだ。それが通り過ぎた時に縄を綯(な)っていても遅い」と。「縄を綯う」とは、糸や藁のようなものをより合わせて縄にしていくことです。はじめは軟弱なものでも、日々作業を重ね、しっかり役目を果たすものにしていく。と同時に感性も日々研ぎ澄ますのです。「曲の作り方なんて教えられない。感じ方も仕立て方も個々のものなんだよ。教えられるのは古今東西の名曲の仕組みと過去の作曲家の方法だけ。知りたければ残されたものからは学べる」シビレました。
予期もしなかった昨今の状況ですが、与えられた自由な時間でもあります。漂い、消えゆくもの、きらめき、揺らめくもののなかから、あなたもきっと捕らえてください。そして形にする術を、日々磨いておくことです。

形にならないものを
わたしだけの形にしたい 
このいのちが
はずみだす波をつかまえ
そして誰かに届けたい
とれたての
まぶしいきらめきを

芸術家は、こうして自分だけの形を表現してきた。そう思いませんか?


重要 独立行政法人日本学生支援機構奨学金大学予約について

2021年度進学予定の過去2年以内の本校卒業生で、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金大学予約(給付奨学金、貸与奨学金第1種・第2種)を希望する人は、5月29日までに申請方法等の詳細を本校総務部へ問い合わせてください。
今年度の募集は今回限りです。希望する人は出来るだけ早く本校総務部へ連絡してきてください。

5月1日 朝のメッセージ

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おはようございます。
5月に入り,いよいよ明日から連休です。昨日は1,3年生に電話をしました。今日は2年生に電話をします。昨日もここに載せましたが,このHP右の欄の「校長室より」の「遠隔授業について」の文書は読んでいただけましたでしょうか。そこに書いてありますように,専攻の先生と連絡を取り合って「専攻実技レッスン」をどの方法で行うか,相談しておいてください。5月7日までには相談した結果を学校の方にお知らせください。
 また,実技の「遠隔授業」の準備ができ,上手く運用できるようなら,普通教科のほうでもこのシステム(ビデオ通話)を使って,課題についての説明や質問などができないか,と考えています。
 連休中はこの9時のメッセージはありませんが,朝早く起きるなど,生活のリズムを乱さないように注意してください。

 さて,今日は「音楽の始まり」というお話です。
 私たちがふだん接している西洋音楽は,一般的には18世紀前半にヨーロッパで活躍した「音楽の父」ヨハン・セバスチャン・バッハを代表とする,バロック音楽にその源流があると言われています。しかし,西洋でその時期に音楽がはじめて誕生したわけではありません。教会における礼拝や式典で演奏される音楽は,キリスト教が西洋に広まった8〜9世紀にはじまるとされています。また,それより前の時代,古代ギリシアやローマの時代,さらにさかのぼって古代のエジプトやメソポタミアでも,音楽が盛んに行われていたとされています。上の写真にあるよう,古代エジプトの壁画の中には,多くの神々が楽器を奏でている場面がみられます。よく見ると,今の楽器とほとんど変わらない形をしたものがあります。実際にどのような演奏が行われていたかは,音源が残っていませんのでわかりませんが,盛んに音楽が行われていたことは事実です。また,「ポリス」という都市国家で有名な古代ギリシアの時代,歴史上でもたいへん有名な哲学者のプラトンは,その文献に音楽の効用や,音律,音階についての記述を残しており,「音楽には人間の心を鎮め、道徳的に働きかける力がある」と記しています。また,音楽は数学や天文学と並んで,重要な「学問」の一つであると言っています。そう言えば,古代ギリシアで最初にオリンピックが行われた時は、スポーツのみでなく、芸術のオリンピックも同時に行われていたそうです。詩や音楽を競い合うことは,スポーツと並んで重要な競技種目のひとつだったのです。野外の円形劇場で,市民向けに楽器の演奏や歌がふんだんに取り入れられ,今でいう「オペラ」が上演されていたという記録も現存しています。これも,現在,音として再現することはできませんが,音響効果が素晴らしく行き届いた石造りの劇場で,晴れ渡る青空のもと,どのような音が鳴っていたのか,想像してみるのも楽しいですね。次回は,キリスト教と教会音楽についてのお話しをします。(murakami)

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京都市立京都堀川音楽高等学校
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