京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/25
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「美術を学ぶ」から「美術で学ぶ」学校へ。美工(美術工芸高校)は、生徒たちに未来必要な力を身に付けさせる教育活動を展開しています。

ファッションアート専攻2年生 特別講義 ファッションにおけるユニバーサルデザインを考える

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 ファッションアート専攻の2年生では、最終課題として「ユニバーサルデザイン」に取り組んできました。

 3月2日は、取組みのまとめとして、神戸芸術工科大学ファッションコースの見寺貞子教授による特別講義「ファッションは身体と心のビタミン剤!」を実施していただきました。見寺先生は、ファッションを通じて、高齢者やLBGTなど、さまざまな課題に積極的に取り組んでこられました。一般的に高齢者の健康維持では、食と運動の重要性が語られますが、今回は、先生が兵庫で長年開催しているシニアのためのファッションショーの取り組みを通じて「衣」が、持つ重要性と可能性について、たくさんの興味深いお話を伺うことができました。

 ランウエイではじけるような笑顔を見せるシニアの方々の映像を拝見し、ファッションが人の体だけでなく心にいかに大きな影響を与えるかを改めて実感させられた講義でした。講義の後は希望生徒を対象に、授業課題で取り組んだ視覚障碍者とファッションについてのプレゼンボードに個別に講評をいただき、とても有意義な時間となりました。

14日 2年ファッションアート専攻 「ユニバーサルデザイン」について学ぶ 京都ライトハウス訪問

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 ファッションアート専攻では、現在、2年生の最終課題として「ユニバーサルデザイン」について学んでいます。

 2月14日は、千本北大路にある視覚障害者総合福祉施設「京都ライトハウス」を訪問し、全盲の職員の方より、施設の紹介や、視覚に障碍があるということについてお話を伺いました。見えないことによる日常の困りや解決方法について、また視覚に代わる情報収集法について、視覚障碍者のファッション事情など、さまざまな観点から興味深いお話を聞かせていただくことができました。

 生徒らからも「どんな色が好きですか?」「寝ているときと起きているときの違いは?」「美しいと感じるのはどんなとき?」など、さまざまな質問があり、見えない世界について新しい視点を得る、貴重な機会となりました。全く見えていないはずの職員の方から、「今日はハイヒールを履いてる方もいるのですね」(!)という鋭い指摘にびっくりする場面もありました。

 来週からは、視覚障碍者のための視点をもったファッションデザインについて生徒同士でアイデアを交流し、各自のアイデアをまとめ、28日の授業時に簡単なプレゼンテーションを行う予定です。
 
 また3月2日は、ユニバーサルデザイン課題のまとめとして、神戸芸術工科大学よりり、ファッションにおけるユニバーサルデザインの研究に取り組んでおられる見寺貞子先生をお迎えし、先生の研究や実践について、ご紹介、講義していただく予定です。


(アーカイブ2017年2月6日) 見えている 見えていない

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 人が得る情報の8割から9割が視覚に由来すると言われ、毎日の生活を「目」によりかかって過ごしている現実があります。目が見えない、目が見えにくいとはどういうことか、視覚に障害のある人はどのような生活を送っているのか。本校2年生のデザイン専攻とファッションアート専攻の生徒は、美術を学ぶ高校生として、その調査、体験、聴き取りをしながら、自分たちから提案するユニバーサルデザインについて課題研究をしました。その取り組みの成果を、2月4日(土)大丸京都店で開催された「第42回視覚障害者福祉啓発事業 あい・らぶ・ふぇあ」で、展示とプレゼンテーションにより発表させていただきました。取り組んだ8グループの内容は、星座・月面・惑星について体感する、視覚障害者が晴眼者にサポートを求める際のグッズ、ロービジョンの方も楽しめる映像朗読、視覚障害者と晴眼者で楽しむスイカ割りゲーム、素材を考えた楽しくオシャレする衣服、キリンの実物大モデルを使った立体福笑い、バレンタインデーに作る点字チョコ、ためらいを解消する体感型RPG、というものでした。事前に京都ライトハウスを訪問し、視覚障害者のことについて学習した後、自分たちで提案できるものを考えるため、各所に調査に行ったり聴き取りをしながらグループテーマを決め、制作に取り組みました。昨年度はデザイン専攻だけで取り組んだ課題でしたが、今年度はファッションアート専攻もともに研究しました。異なった専攻の生徒がともに課題を見つけその解決のために研究するという展開にしたことで、考察が深まりました。自ら問いを探し、調査を進め、グループで多角的に考察して、その成果を制作物として創り上げる。このような協働学習ができたことは大きな成果です。私は、校内の中間発表の機会に、研究成果を視覚障害者も晴眼者もともに理解してもらえるプレゼンテーションになるようにとアドバイスしました。当日会場での発表は、両専攻の生徒が専攻の枠を越えて創りだした提案は新鮮で興味深い内容で、多くの方に聴いていただきました。ただ、視覚障害者にとってわかりやすいプレゼンテーションであったかという点では、まだまだ課題がありました。提案内容とプレゼンテーションのあり方など、到達点と今後の課題について是非振り返りをしてほしいと思っています。

 今回の生徒の課題研究に触発されて、『伴走者たち 障害のあるランナーをささえる』(星野恭子著)という本を読みました。本の中で、視覚障害者にとって雨の日の外出が嫌な理由は何か?という問いについて、大きな問題は「雨音」だと書かれていました。耳からの情報取得の妨げになるからです。視覚障害者は目が見えない(見えにくい)ので、歩くのが不便、などと浅い想像力だけで考えていると、何ができて、何に困りがあるのか課題の本質が見えません。視覚障害者のランナーと伴走者は伴走ロープをもって一緒に走ります。そのとき、伴走者の位置、手の振り方はどうすればよいか、実際の様子を見て初めてわかることがあります。この本を読むと、伴走者がランナーのことをよく理解し、適切な伴走のペース、フォーム、声かけをすることがとても重要であることがわかります。そして「伴走者」は単に視覚障害者の「援助者」ではなく、障害のあるランナーの理想の走りを実現する「二人三脚のペア」であるということです。伴走者の喜びは、視覚障害者のランナーに「ランニング・ハイ」(陶酔感・幸福感)状態になってもらうこと。この状態なれば、視覚障害のあるランナーはロープの存在を忘れ、まるで一人で走っているような感じでランニングできるのだそうです。

 私たちは、自分のもっている経験と知識で判断し、あたかも答えがわかっている、見えていると思いがちです。しかしそもそも多くのことを「わかっていない」「見えていない」 ということを自覚し、常に学び続けること、他者と対話したり、体験したりしながら、自らの思考力、想像力、表現力、感性を磨いていく必要があります。そして、教員も生徒の「伴走者」であることを、あらためて忘れないようにしたいと思います。

2017年2月6日     
              校長 吉田 功

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