京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/30
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「美術を学ぶ」から「美術で学ぶ」学校へ。美工(美術工芸高校)は、生徒たちに未来必要な力を身に付けさせる教育活動を展開しています。

文化祭を終えて

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 一昨日から2日間、銅駝美術工芸高校で行う最後の文化祭「銅駝祭」が無事終了しました。

 本校の文化祭のメインは、何と言っても「クラス劇」。今年も劇発表のために早いクラスは4月のクラスが決まった日から動き出しました。6月の中間考査までは台本や役決め、背景や大道具、衣装、音響などの計画を中心に、各係がミーティングを繰り返し、HRの時間や放課後の隙間時間を活用して計画を練り上げていきます。中間考査後は、実際に舞台美術製作、劇練習などが校内のあちらこちらで動き出しました。
 そして迎えた文化祭。生徒たちは一人ひとりの力を結集して、最高のパフォーマンスを披露してくれました。

 創作者・表現者として集まっているこの学校で、クラス劇をつくりあげることは並大抵のことではありません。リアルなコミュニケーションが薄い今の時代に、話合いそれをまとめながら進めることは、ハードルの高いものです。ここに至るまで様々なドラマが各クラスで展開され、時には喜び、時には傷つき、どうしようもない心の格闘に、夜も眠れなかった人もいたでしょう。
 しかし多様性を認めながら他者を尊重し、折り合いをつけ、力を重ね合わせて完成してきた劇を上演することができた喜びは、生涯にわたっての宝だと考えます。

 そのような我武者羅に頑張る皆さんの姿を見ることができたことは、私たち教職員にとっても本当に嬉しいことであり,皆さんの成長する姿を目の当たりにしました。そして大きな勇気を貰うこともできました。
 
 最終日、各賞が発表になりました。受賞したクラスや生徒の皆さんは、おめでとう!一つの励みとして次に繋げてください。残念ですが受賞できなかったクラスや生徒の皆さん、その悔しさは、きっと次の挑戦に繋がることと思います。

 これからも教職員一同、生徒の皆さん一人ひとりに寄り添いながら、一緒になって成長を支援していきたいと考えています。

              令和4年7月6日  校長 名和野新吾

始業式 校長メッセージ

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前期始業式 校長メッセージ

 本日午前中、銅駝美術工芸高校として最後の入学式を行い、91名の新入生を迎えました。また新しく着任された教職員6名を加えたこのメンバーで第43回目の始業式を迎えられることを嬉しく思います。3月1日に卒業生を送り出し、少し寂しくなっていた校内は、本日から新入生を迎え、また活気が戻ってきました。4月は新しい出会いが多くある時です。また自分の立ち位置も変わる時です。その変化を、身体いっぱいで感じ取り、ワクワクしながら新しい未来に向けてスタートを切って欲しいと思います。

 年度当初に当たって、皆さんにメッセージを送りたいと思います。

 本校で学ぶ皆さんに、2つお願いがあります。
 1つ目は「あくなき好奇心」を持ち続けて欲しいと思っています。学びたいと思う動機は「知りたい」から出てきます。いくら授業などで知識を得たとしても、それは単なる「知っている」だけであり、自分の血や肉にはなり得ません。知りたいから調べるし、調べるとまたわからないところが出てきて、また調べる。好奇心があれば学び続けることができますよね。そのような行為が、クリエイティブな仕事をする皆さんには必要不可欠なものです。私自身も作家活動を通して、この「好奇心」の大きさが、その人の将来を左右することを目の当たりにしてきました。作品のテーマを考える時、エスキースや表現するための準備をする時、実際に表現している時、様々な場面に影響を与えるのです。その積み重ねがいつの間にか大きな違いとなって表れる。そんな現実を見てきました。「あくなき好奇心」は、さまざまなものに興味を持ち、新しい発見や、今までにないものを創造するための源泉です。これから毎日1つだけでも良いので、何かに目を止め「これってなんだろう」と思って、探究してみてください。

 2つ目は「やり抜く力」を持って欲しいということです。言うまでもなく皆さんは、この力をもうすでに持っています。そして“もっとできるのではないか”と感じています。これまでの作品作りにおいて、本当にやり抜いてきましたか。少し考えてみてください。「これくらいやったらいいや」などと妥協しませんでしたか。やり抜くとは、自分の持てる力を100%出し切ることだと思います。全ての行動で力を出し切ることはできないかもしれませんが、常日頃から出し切る行動をしていれば、ここぞと言うときも出し切ることができます。とことん本気になって行動している姿は、とってもかっこいいものです。みんながそんな雰囲気になれば最高だと先生は考えています。先日、本校を訪ねてくれた広告会社で働いている卒業生からこんな話を聞きました。「私たちの学年は、一人ひとりがやりたいことがあって、バラバラだったけど、がむしゃらに自分のしたいことをやっていたので、自分も何かやらねばと突き動かされた。それが今の自分を作っている。」と。答えが見えない中で結果を恐れず、何かを真剣にやり抜くことはとても勇気のいることかもしれませんが、そんな環境があるのもこの美工の伝統ではないでしょうか。もっともっとみんなで学校を創造の場にして行って欲しいものです。

 最後に、昨年度末の終業式に、ウクライナ情勢の話をしました。生徒部の森本先生からも何かアクションを起こしてみてはと言う話もありました。その後すぐに新2年生の有志6名が企画書を提出してきて、先週土日の2日間、三条河原町で募金活動を行いました。これはあくまでも私たちが知っている活動のひとつです。皆さんの中には、違う形でアクションを起こしてくれている人が多くいるのではないかと思っています。本当に頼もしく、嬉しい気持ちでいっぱいです。午前中の入学式の式辞の中で、「美術」や「アート」は人の人生や生活を豊かにするものだと言う話をしました。まさに、美術を学ぶ皆さんが心優しく他者に対して思いやりを持っていることに、誇りを持ちます。ありがとう。

 これからも一人ひとりが自分に何ができるのかを考え続けてください。社会で起こっていることに関心を寄せ、自分ごととして捉えて行動してください。このことを皆さんにお願いして、始業式のメッセージとさせていただきます。

 令和4年(2022年)4月8日
                        校長 名和野新吾

入学式 式辞

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第43回 入学式 式辞

 鴨川河畔の早く開いた桜の花が長く咲き誇るこの春の佳き日、京都市教育委員会をはじめ、PTA会長様、平素より本校にご支援をいただいております美工交友会、京都パレスライオンズクラブ、銅駝自治連合会のご来賓の皆様、そして、多数の保護者の皆様のご臨席を賜り、令和4年度 京都市立銅駝美術工芸高等学校、第43回入学式を挙行できますことは、誠に大きな喜びであり、本校教職員を代表いたしまして、心よりお礼申し上げます。

 ただ今、91名の新入生の入学を許可いたしました。まずは新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員一同、皆さんを大切にお迎えしたいと思います。

 保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。これからの3年間、教職員一同、力を尽くしてお子様の成長を支援してまいります。ご理解、ご協力を賜わりますようお願い申し上げます。

 本校は、明治13年、1880年に「京都府画学校」として創立され、今年で142年目を迎えます。美術工芸科単独の公立高校として長い歴史と深い伝統をもつ学校であり、本校を卒業された諸先輩方は、美術界、産業界をはじめ、各方面で活躍されておられます。皆さんは、晴れてこの歴史と伝統のある美工の入学生となり、また42年間続いたこの銅駝美術工芸高校での最後の入学生となって,1年間この校舎で学ぶことになります。そして来年春には、京都駅東側、京都市立芸術大学に隣接した新しい校舎にて、京都市立美術工芸高等学校生の2期生として、この良き伝統を引き継ぐと共に、新しい歴史を刻んでいくことになります。

 さて、入学生の皆さんは、「絵を描くのが好き」「ものづくりが好き」という動機からこの学校を見つけ、入学されてきたと思います。きっとわくわくした気持ちでこの日を迎えられていることと思います。そのあなた自身のわくわくや夢を,これからも大切に育てて欲しいと思います。そして、入学することはゴールではなく,皆さんが抱いている夢を実現するための一つの節目であり、次の目標に向かって歩むスタート地点です。もし目標がないのであれば、新たに目標を作りましょう。目標を持っていれば、人は歩みを続けることができます。しっかりと夢や希望を持ち、この先、自分はどんな人になりたいのかを考え、その達成に向けて一歩一歩前進していきましょう。今、日本をはじめとする自由経済大国では大量生産・大量消費という状況を作り出し、物質的に満足した生活を送ることができています。テクノロジーの進歩によって生活はより便利になり、パソコンやスマホ1つで家にいても買い物ができ、商品が届きます。凄いことです。あれが欲しい、これが欲しいと言えば、お金さえ払えば手に入れることができます。物質的には、なに不自由なく過ごすことができる社会だと私は思っています。しかし、違う視点から社会を見れば、どうでしょう。こんな豊かな社会ですが,あなたは幸せに感じていますか。あなたの周りの方は幸せですか。地球で暮らしている方は皆幸せですか。国際紛争や気候変動など国際社会は不安定化し、社会は分断され、様々な社会問題も世界的に起こっています。このような予測困難な時代の中での幸せとはどのようなものなのでしょう。私たちはどこを目指し、何をすべきなのでしょうか。どこにも正解はありません。皆さん一人一人がその解を求めるために、これから日々学び続ける、考え続けるべきだと思います。私自身も考え続けています。

 アメリカの企業,アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスは、母校であるアメリカのプリンストン大学の卒業生に向けて「あなたの選択があなたという人間をつくる」とメッセージを送っています。この言葉は、彼が幼少の頃の祖母との会話から教訓を得た考え方のようです。その中で、「才能は生まれついたもので簡単であるが、選択は難しい」と語っています。これはどういうことでしょう。ジェフ・ベゾスが学生に問うた中から5つの問いを紹介します。

 その才能を、みなさんはどう使いますか? どんな選択をするでしょう?
 惰性で生きていきますか? それとも情熱を追いかけますか?
 楽な道を選びますか? それとも誰かのために挑戦し続けますか?
 傷つくことを恐れて何もしませんか? それとも惚れ込んだら行動に移しますか?
 困難なときにあきらめますか? それともなおがむしゃらに挑戦し続けますか?

皆さんはどのように感じましたか。
他の問いも合わせて、本日玄関にあったデジタル掲示板に掲載しています。
 それぞれの問いには答えはありません。このような問いに迫られた時、何を選択するのか、皆さんが決めていくのです。その選択の一つひとつが皆さんの将来を決めていくと言っても過言ではありません。皆さんはこの学校に入試選抜試験を突破して入学してきました。そんな皆さんは、クリエイティブなことに長けています。人よりも少しでも長けているものを才能と呼ぶなら、人は必ず一人ひとり違った才能を持っています。その才能をどのように使うかは自分次第ですが、その使い方で自分の人生が大きく変わるかもしれません。また、周りの人の人生を変えてしまうかもしれません。これから皆さんは中学生の時とは違い、物理的にも精神的にも少しずつ行動範囲を広げていくことになります。18歳の誕生日を迎えるときには、法的に大人になります。これから始まる学校生活は、社会に出るための準備期間です。学校生活や私生活の中で様々な選択や決断を迫られることになります。入学者説明会の時、皆さんにお願いをしました。「まだ入学式まで、3週間あります。皆さんがどのように過ごすかで、美工での学びやスタートが変わってきます。ぜひ大切に過ごしてください。」と。皆さんがこの言葉をしっかり受け止めて、行動してくれたものと私は信じています。そしてこれからは美工生として行動を起こしてくれることを楽しみにしています。

 結びに、皆さん一人ひとりかけがえのない存在です。そしてかけがえのない生徒が270人この学校で学びます。学校は、自分とは異なる多様な他者を知るところ。多様な他者を発見するところです。そして学びを通じて人格を磨くところです。かけがえのない自分の存在と、かけがえのない他者の存在を共に認め合い、高めあってください。

 今、私たちはこれまで経験しなかったような社会状況の中にいます。先にも述べましたが、どれだけテクノロジーが発達し、便利になっても、心の豊かさや幸福度はそれに伴っているのでしょうか。私は、少し違うのではないかと考えています。「美術」や「アート」が今なぜ見直されているのか。なぜ必要とされているのか。皆さんも考えてみてください。私は、30年以上にわたってアーティストとして美術に携わってきて、「アートは人の人生や生活を豊かにするもの」であるから必要であると思っています。この美工で学ぶ3年間が将来の皆さんの「夢」や「希望」をつくることに関われることを教職員一同願っています。皆さんが様々なことにチャレンジし、日々成長する姿を楽しみにしています。皆さんの力と可能性を大いに期待し、式辞といたします。

 令和4年4月8日
                      校長  名和野 新吾

新年度のご挨拶

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 京都市立銅駝美術工芸高等学校長の名和野新吾と申します。
 新年度を迎え、皆様に一言ご挨拶申し上げます。

 本校は、明治13年(1880年)に、日本最初の画学校「京都府画学校」として京都御苑内に創立しました。明治22年(1889年)には京都市へ移管され「京都市画学校」と改称、のち「京都市美術工芸学校」、「京都市立美術工芸高校」と改め、戦後昭和24年(1949年)には「京都市立日吉ケ丘高等学校美術課程」として設置されることになりました。そして昭和55年(1980年)には、美術工芸単独の専門学校「京都市立銅駝美術工芸高等学校」として現在の地で新たなスタートを切りました。この地に根ざしてはや42年目となります。昨年京都府画学校が創立されて140周年を迎えました。そして、来年4月には、京都駅東側に新築移転し、「京都市立美術工芸高等学校」と校名を改称してスタートします。

 この長い歴史の中で、本校は京都の美術工芸界を牽引する役目を果たしてきました。卒業生の中には、文化勲章受賞者8名をはじめ、多くの文化芸術を支える方や産業界で活躍する人材を次々と輩出してまいりました。

 そのような伝統と歴史を持つ本校で、生徒たちはその諸先輩方に負けじと、好きな美術・工芸・デザイン分野の専攻実習や造形表現をするための基礎力を一生懸命学びながら、将来必要となる力を身につけています。多感な10代に同じ志を持つ生徒が集い、この学舎で過ごす日々はかけがえのないものとなっています。
 そして、多くの生徒たちが上級学校へと進み、より高度な専門性やあらゆる状況に適応する柔軟な力を身につけ、社会で活躍できる学校となっています。

 そのような学校風土の中で、私たち教職員は、ひとりひとりの生徒の個性や感性を大切にしながら、生徒の力をしっかり引き出し、可能性を広げて21世紀に活躍する青年の成長を丁寧に支援してまいります。

 結びに、今後も学校を取り巻く情勢を的確に捉えながら、京都の資源を最大限に生かしながら、美術専門高校であることの強みを生かし、新築・移転後の美工の在り方も視野に入れつつ、日本に誇れる学校とすべく、学校力のいっそうの向上に努めてまいります。

 保護者、諸先輩方、市民の皆様、各方面からのご理解とご支援を、今後ともどうかよろしくお願いいたします。

 令和4年4月1日    
                         校長 名和野新吾
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8/8 3年学科模試(校外)
学校閉鎖日(〜14日)
8/11 山の日

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