京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/27
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「美術を学ぶ」から「美術で学ぶ」学校へ。美工(美術工芸高校)は、生徒たちに未来必要な力を身に付けさせる教育活動を展開しています。

始業式 校長より生徒に向けての言葉

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 本日午前中,銅駝美術工芸高校の第42回入学式を行い,91名の新入生を迎えました。また教職員も新しく着任された教職員5名を加えたこのメンバーで第42回目の始業式ということになります。

 昨年2020年度は未曽有の危機的状況での出発となりました。ちょうど1年前のこの日,入学式を終えた午後,2年生,3年生が登校し,始業式を校内放送で行いました。

 始業式では前校長から,新型コロナウィルス感染症という世界規模で深刻な問題,今まで経験しなかった問題に直面し,医療の専門家はもちろん,様々な人が知恵と力と心を結集して日々精一杯の対応をしている,感染の拡大の面からも感染の防止の面からも人は見知らぬ人とつながっている,かけがえのない自分は,やはりかけがえのない誰かとつながっていることを認識し,ともに考え,それぞれができること行動していきましょう,と呼びかけました。覚えていますか。

 その新型コロナウイルス感染症は,世界的にまだまだ油断できない状況にあります。感染症が拡大する前の当たり前の学校生活に戻れる日が来るのかは,予想すらできません。皆さんには本当に1年間我慢と協力をしてもらいましたが,その日々がまだまだ続きます。このような中でも皆さんと共に考え,学校生活が実り多いものになるように教職員もサポートしていきますので,予防対策をしっかりしてなんとか無事に乗り切りましょう。

 さて,3月に卒業生を送り出し,寂しくなっていた校内は本日から新入生を迎え,また活気のある学校となることでしょう。4月は新しい出会いが多くある時です。また自分の立ち位置も変わる時です。そういう私も,この場所で皆さんに校長としてお話をしていること自体,大変な変化です。

 校長として初めて,皆さんにメッセージを送りたいと思います。

 2024年に作り変えられる新紙幣の一万円札の肖像となる渋沢栄一という人がいます。彼は,「日本資本主義の父」と言われ,明治から昭和にかけて何百という会社を設立し,日本の近代化に大きく貢献した人物です。その渋沢栄一が残した言葉に『夢七訓』というものがあります。そこには,「夢」 を持つことが大切な理由が示されています。

 夢なき者は 理想なし
 理想なき者は 信念なし
 信念なき者は 計画なし
 計画なき者は 実行なし
 実行なき者は 成果なし
 成果なき者は 幸福なし
 ゆえに幸福を求むる者は 夢なかるべからず

 簡単に言うと,「幸せになりたければ,夢を持つこと,夢があれば,それを実現しようと考え,知恵を絞って頑張り抜くことができる」と言うことです。

 皆さんは,ものつくりや絵を描くのが好きで,もっと専門的に学びたいと考えて厳しい入学者選抜試験を乗り越えて本校に入学してきたのではないのでしょうか。その時どんな夢を描いて入学してきましたか。「アーティストになりたい」「美術の専門の仕事をやりたい」「デザイナーになりたい」「世の中を変えてみたい」「社会貢献したい」などなど,いろいろな夢があると思います。

 私自身のことを言えば,高校時代からの夢は「絵を描いて有名になること」。高校時代からその夢を追いかけて努力をし続け,数年前まで作家活動をしていました。高校時代に持った夢は今は叶っていませんが,その中で考え経験したことは糧となって今に繋がっているので,渋沢氏がいう「幸福なし」には当てはまらず,とても幸せです。小さい頃に描いた夢を実現できた人だけが素晴らしいのでなく,夢は自分の特性や経験などで変化して当然であり,変わりながら努力し続けるられる人が幸福になるのだと思っています。

 ぜひ皆さんも常に夢を持ち続け,その実現のために精一杯努力を惜しまないでください。失敗しても 何度も立ち上がり「前に踏み出す力」を身につけてください。

 今の社会は先行きが不透明で予測不可能な時代だと言われています。将来皆さんが活躍する社会で必要となる力は,課題を自ら見出し,考え,行動して解決していく力が必要になっています。「夢」,言い換えれば「目標」をもった人の思考や行動は,持っていない人と比べれば大きな違いがあります。高校生活が終わるその日まで,ぜひ夢を持ち続け,学び続けてください。

 勿論,ここにいる教職員は皆さんをサポートしていきます。また,先生たちも「夢」を持っていろいろなことにチャレンジし,皆さんとともに成長していきます。そんな素敵な学校環境を目指し一緒に作っていきましょう。

 令和3年4月8日 前期始業式
                         校長 名和野新吾

第42回入学式 式辞

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 新緑が輝きを増し,すがすがしい春の風が吹き抜けていく今日の佳き日,PTA会長様をはじめ,平素より本校にご支援をいただいております美工交友会,京都パレスライオンズクラブ,銅駝自治連合会のご来賓の皆様,そして,京都市教育委員会様,多数の保護者の皆様のご臨席を賜り,令和三年度京都市立銅駝美術工芸高等学校,第四十二回入学式を挙行できますことは,誠に大きな喜びであり本校教職員を代表いたしまして,心よりお礼申し上げます。

 ただ今,九十一名の新入生の入学を許可いたしました。まずは新入生の皆さん,ご入学おめでとうございます。教職員一同,皆さんを大切にお迎えしたいと思います。

 保護者の皆様,本日はお子様のご入学,誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。これからの三年間,教職員一同,力を尽くしてお子様の成長を支援してまいります。ご理解,ご協力を賜わりますようお願い申し上げます。

 本校は,明治十三年,一八八〇年に「京都府画学校」として創立され,今年で一四一年目を迎えます。美術工芸科単独の高校として長い歴史と深い伝統をもつ学校であり,本校を卒業された諸先輩方は,美術界,産業界ほか,各方面で活躍されておられます。そして二〇二三年春には,京都駅東側,京都市立芸術大学に隣接し,本校は新築移転されます。新しい歴史が刻まれることになります。皆さんは,本日,晴れてこの歴史と伝統のある学校の生徒になりました。しっかりとした自覚と誇りをもって,志高く学習に取り組んでください。皆さんは,今,期待と不安の交錯する気持ちでこの場所に臨んでいると思います。入学の時のその新鮮な感覚を大切にし,美術専門高校での第一歩を踏み出してください。

 新入生の皆さんは,中学三年生になった丁度一年前,今までに経験したことのない学習状況におかれました。本校でも入学式は実施したものの,六月までのほぼ二ヶ月間コロナウイルス感染症拡大防止のため,臨時休校を余儀なくされました。その間,通常の学習ができず,予定されていた行事なども中止や延期となりました。中学校でも同じような状況であったと推測いたします。そのような中で中学三年生として過ごし,本校受検を目指し各自が本当に多くの不安の中,多くの方に支えられながら,自ら考え,行動した結果としてここにいることは,素晴らしく褒め称えることだと考えます。この一年間に培った力はきっと将来の自分の宝となると確信しています。

 校長として,これからここで過ごす三年間の目指してほしい目標を示したいと思います。

 二〇二五年の大阪・関西万博のプロデューサーで「現代の魔法使い」とも称されるメディアアーティストの落合陽一さんは,その著書『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる 学ぶ人と育てる人のための教科書 』の中で,未来の予測がなかなかつかない社会で,大きく価値観が変わる“人生100年時代”といわれている現代に「社会で生き残り続けられるには」の問いに対して,「ずっと続けていられるような好きなことを仕事にすること」だと述べています。つまり高いモチベーションを維持しながら働ける人は,他の人にはないオリジナリティを発揮できるため,これからの社会で生き残り続けるという意味です。続けて彼は,好きなことを仕事にする以前に必要なのは,ストレスと感じずに「やりたいことをやる能力」であるとも述べています。

 皆さんはここ銅駝美工に入学したいと考えた第一の動機は,ものづくりが好きだから,絵を描くのが好きだから,それを思いっきり高校からやってみたいと思ったからではないでしょうか。好きなことを好きなだけできることは,高いモチベーションを保ちながら学び続けられるということです。だからこそ,本校を卒業した先輩方は,各方面で活躍をしているのだと思います。

 また,彼はこうも述べています。「誰かに教えてもらわなくても自分の頭で考えられることが,二十一世紀を生きる人たちには求められている」と。そのためには学び続ける力,考え続ける力が必要不可欠になります。この学校にいる間にやってみたいことに挑戦し続け,試行錯誤を繰り返してください。

 「観て」,「感じて」,「考えて」,「表現する」。美工での学びがこの言葉に集約されています。最後の「表現する」という言葉は作品作りだけを指し示しているわけではありません。言語や身体などによる表現活動も入っていることも忘れないでください。

 ただし皆さんにお願いしたいことがあります。好きなことはとことんやるが,興味関心のないものは全くやらないという生徒をよく見かけます。それでは思考するための基礎力や学ぶための方法論などが全く身に付きません。授業における教科学習や行事やクラブ活動などの特別活動における経験や学びも,しっかりと取り組んでください。その中で,今までに知らなかったことに出会い,知識や経験を得てください。

 結びに,皆さんは一人ひとりかけがえのない存在です。そしてかけがえのない生徒二七〇名がこの学校で学びます。学校は,自分とは異なる多様な他者を知るところ。多様な他者を発見するところです。かけがえのない自分とかけがえのない他者の,存在と自由を共に認め合う,高めあうことを学んでください。

 今,私たちはこれまで経験しなかったような社会状況の中にいます。人工頭脳AIが発達し,人間が時間をかけて考えなくても素早く答えが出せる時代でありながら,簡単に解決できない問題に直面しています。「学校とは何か,学校でできることは何か,学校でこそするべきことは何か」ということも問われています。私は子どもが学ぶ学校は「希望を創るところ」でありたいと考えています。今日から始まる銅駝美工での三年間,本校が「希望を創るところ」になるよう,皆さんとともに心を通わせ力を重ねていきたい,そのことを呼びかけ,式辞といたします。

 令和三年四月八日

        京都市立銅駝美術工芸高等学校長  名和野 新吾

校長着任のご挨拶

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 この度、京都市立銅駝美術工芸高等学校長として着任いたしました、名和野新吾と申します。私自身本校で長年日本画専攻の教員として教鞭を取り、5年前に教頭となり今に至ります。その間、学校改革や授業改革など多くのプロジェクトに取り組ませていただいた経験を持ちます。着任にあたりまして、皆様に一言ご挨拶申し上げます。

 本校は、明治13年(1880年)に、日本最初の画学校「京都府画学校」として京都御苑内に創立しました。明治22年(1889年)には京都市へ移管され「京都市画学校」と改称、のち「京都市美術工芸学校」、「京都市立美術工芸高校」と改め、戦後昭和24年(1949年)には「京都市立日吉ケ丘高等学校美術課程」として設置されることになりました。そして昭和55年(1980年)には、美術工芸単独の専門学校「京都市立銅駝美術工芸高等学校」として現在の地で新たなスタートを切りました。この地に根ざしてはや42年目となります。昨年京都府画学校が創立されて140周年を迎えました。そして、令和5年4月には、京都駅東側に新築移転し、「新美工」としてスタートします。

 この長い歴史の中で、本校はすぐれた作家を次々輩出してまいりました。また、美術工芸界にとどまらず多くの分野で活躍してる方々もおられます。そのような伝統を胸に、生徒たちはその諸先輩方に負けじと、好きな美術・工芸・デザイン分野の専攻実習や造形表現をするための基礎力を一生懸命学びながら、将来必要となる力を身につけています。多感な10代に同じ志を持つ生徒が集い、この学舎で過ごす日々はかけがえのないものとなっています。そして、多くの生徒たちが上級学校へと進み、より高度な専門性やあらゆる状況に適応する柔軟な力を身につけ、社会で活躍できる学校となっています。

 私たち教職員は、ひとりひとりの生徒の個性や感性を大切にしながら、生徒の力をしっかり引き出し、可能性を広げて21世紀に活躍する青年の成長を丁寧に支援してまいります。

 2年後の春、新築・移転しますが、移転の地も現校地と同じように四季折々の風情が感じることのできる東山が望める鴨川のほとりとなります。今年度から移転のための準備室が校内に開設され、新しい学校のグランドビジョンを構築し、新天地で再び50年、100年と続く美術専門の高校としての学校作りを行なっていきます。

 保護者、諸先輩方、市民の皆様、各方面からのご理解とご支援を、今後ともどうかよろしくお願いいたします。

令和3年4月1日    
                       校長 名和野新吾
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行事予定
4/12 午後/各科検診
4/13 午前/新入生歓迎会 午後/各科検診
4/14 第1回進路講演会 午後/各科検診
4/15 午後/各科検診
京都市立美術工芸高等学校
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