最新更新日:2024/04/27 | |
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銅駝へようこそ(21) 社会とつながる学び
●美術「で」学ぶ
本校では,自ら作品制作をするだけでなく,美術の学びで身に着けた力を活用しながら,社会(学校外)とのつながりで出てきた課題を考察・研究し,その結果を表現・発信するという学びを行っています。この学びを通じて培った力は,美術の学び,作品制作においても発揮することができます。 文部科学省は,令和4年度(2022)から実施する新しい高等学校学習指導要領で,「社会に開かれた教育課程」ということが大切であるとしています。具体的には,よりよい社会を創るという目標を社会と共有すること,これからの社会を創っていく子どもたちに必要な資質・能力を教育課程で明確化すること,学校教育を学校内に閉じず,社会と連携,資源の活用をして教育課程を実施するということです。本校では,すでにそのようなことを踏まえた学びを実施しています。 ●行政機関とつながる−1 京都市交通局 ・デザイン専攻では,これまで京都市交通局からの課題提案を受け,地下鉄の魅力向上やマナー啓発の企画・提案などに取り組みました。企画提案の発表の際には,京都市交通局他,外部から専門家をお招きし,講評をいただきました。提案した中から実際に採用していただいたものがあります。 ・アートフロンティアコースの総合的な学習の時間(現在は総合的な探究の時間)の授業で、京都市交通局から市バス観光系統の車内広告スペースに京都をテーマにしたアート作品を、という提案を受け、自分たちで調査・研究したり大学の先生から講義を受けたりしながら課題に取り組みグループごとに作品制作をしました。実際にバスの車内に掲示され,京都駅前のお披露目式には、門川京都市長から感謝状を贈呈していただきました。 ※写真 ・明治150年記念京都交通事始め事業 地下鉄利用促進の企画提案 企画発表会・採用されたチラシの絵 記念グッズ(駅名マシュマロ) ・地下鉄マナー向上の企画提案 企画発表会・地下鉄車両内啓発グッズ ・市バス観光系統「洛バス」車内広告スペース 京都をテーマにアート作品 交通局との懇談,広報チラシ 車内の作品,お披露目式で市長と式記念写真 銅駝へようこそ(20) アクティブラーニング
●主体的,対話的で深い学び
アクティブラーニングは,教員が一方的に生徒に講義をし,知識を教える生徒が受動的に学習するのではなく,生徒が能動的に学ぶ学習スタイルです。文部科学省は新しい学習指導要領で,「主体的・対話的で深い学び」と示しています。 学ぶことに興味・関心をもち,課題を見つけたり問いを立て,その解決のために多様な方法で調査・研究をする,また自分の考えだけにとらわれず,他の生徒や教員,校外の人々と対話し,これまで得た知識や情報と関連づけながら学びを進めます。 本校では。普通教科,美術工芸科ともそのような学びを進めるため,様々な工夫をしています。自分自身で調べたり考えたりするだけでなく,ペアワーク,グループワーク,ディスカッション,プレゼンテーション,実技や実験など多様な学びを組み合わせています。ICT機器を活用する場面も多くあります。 ※写真上 ・グループワーク,発表 「コミュニケーション英語」「家庭基礎」「世界史」 ・グループワーク,発表 「社会と情報」生徒が主体的に考える情報モラル ※写真下 ・ジグソー法で色の三属性を考える 「表現基礎」 ・意見投稿,グループワーク,発表 「探究」アクティブラーニングルームを活用 銅駝へようこそ(19)ICT活用教育−3 ICT活用のこれから
●緊急時、非常時の学びとつながり。
リアルとオンラインの効果的な活用。 今回、新型コロナウィルス感染症拡大防止への対応として、長期にわたり臨時休業になりました。この間、本校では、Zoom、iTunesUというアプリケーションやClassiという学習サポートサービスを活用して、学校からの諸連絡や課題配信、生徒からの課題提出、オンライン授業や動画の配信、双方向の面談、クラスのホームルームなど大いに活用しました。生徒の皆さんや保護者のご理解・ご協力を得て,ICT機器を活用することで,緊急時、非常時に学びを止めない、学校の教員と家庭の生徒とのつながりを持ち続けることができました。 そしてこのような状況の中でICT機器を活用して取り組んだ手法は,平常時にも活用できる面があり、今後,学校でこその学び、ICT機器を活用することで家庭や学校外でできる学びとをより良い形で組み合わせていけると考えています。 ※写真上 臨時休業中のオンライン配信授業 写真下 臨時休業中のZoom による面談,HR 中学生対象WEB相談会,Zoomによる校内会議 銅駝へようこそ(18)ICT活用教育−2 ICT活用の様子
●学校での活用
教材・課題の提示、情報収集や共有、意見交換、学習成果の記録や編集、発表などをする上で有効に活用できます。また,校内テレビとして,一斉に映像配信をするときにも活用しています。 ●家庭での活用 学校からの諸連絡や情報の受け取り、提示された課題に取り組む上で役立ちます。また、家庭で各自が事前課題に取り組んだり、動画を視聴するなどして予習しておき、学校の授業で応用・発展学習に取り組んだり、生徒どうしで対話する学習をしたりして学びを深める「反転学習」が可能です。 ※写真上 数学,保健体育 世界史,表現基礎 英語,防犯訓練の事前学習(校内一斉配信) ※写真下 総合的な探究の時間,探究の発表 専攻実習,カッターの使い方動画(反転学習) 表現基礎,iTunesUを使った意見投稿 銅駝へようこそ(17)ICT活用教育−1 ICT活用への道のり
●教育のICT化(ICT活用教育)
文部科学省は,2016年に策定した「教育の情報化加速化プラン」で、「現代社会において、身の回りのものにICTが活用されていたり、日々の情報収集やコミュニケーション、生活上の必要な手続きなど、日常生活における営みを、ICTを通じて行ったりすることが当たり前となっている中では、子供たちには、ICTを受け身で捉えるのではなく、手段として積極的に活用していくことが求められている。」とICT教育の必要性を示しました。 ICT教育を進めるためには、まずPCやタブレットを生徒が活用できる環境を整備しなければなりません。また学習指導でICTを効果的に活用できるように教員が使用できる機器が整備されていること、活用するスキルを身につけることも必要です。また、情報を取り扱う上でのルールやモラルを遵守することが前提となります。 ●本校のICT活用教育の経過 本校では、2014年度にICT活用教育推進のプランを立て、その実践に向けた予算措置を京都市教育委員会に承認していただきました。校内WiFi環境の整備と、学校に40台のタブレット「iPad」の導入が実現し、2015年度から授業に活用し始めました。 しかし、様々な授業で多くの生徒が存分に活用する上でも、教員が使用する上でも学校保有の40台では限界がありました。1台のタブレットを複数の生徒が使用する状況と、生徒ひとり一人が自分のタブレットを持参し学習に活用できる状況「BYOD」(Bring Your Own Device)とでは、学びの可能性,広がりや深まりという点で飛躍的に変わります。 そこで、2016年度の新入生から保護者のご理解を得て、入学時に全員購入していただくことにしました。そして教員側の指導体制も向上させるために学校用の台数を増やすことを実現してもらいました。 生徒個人の学習に留まらず、生徒と生徒の学び合い、生徒と教員の双方向の教材や課題のやりとり、教員どうしの教育研究、情報共有など京都の公立高校の中では、先駆けて進めてきました。中学生対象のiPadを活用した体験学習や中学校との双方向学習、ICT活用教育の公開授業、活用方法の校内研修などにも取り組んできました。 情報を取り扱う上でのルールやモラルについては,「社会と情報」の授業で学ぶだけでなく,様々な啓発を行ったり,生徒の情報モラル委員会の活動により生徒自身が主体的に考え行動できるように指導しています。 ※写真 ・iPad ・校内教員研修 ・中学校への「訪問授業」 ・中学校とオンラインでつながる 銅駝へようこそ(16) 本校の「総合的な探究の時間」の学び
●総合的な探究の時間
「総合的な探究の時間」は,教科・科目の枠を越えて,自己の在り方生き方を考えながら,自ら課題を見つけたり,問いを立てたりしながら,その解決に向けて探究活動をする学習です。本校では,1年生が「美」をテーマにし,作品との多面力を養う「探究1」。2年生が,探究1で学んだ様々な手法・身につけた力をもとに,普通教科や美術専門教科の枠組みを越えて,人類が直面している「SDGs」の問題について探究する「探究2」,3年アートフロンティアコースの生徒が,大学・産業界・地域と連携したキャリア探究や課題研究を行う「探究F」があります。主体的,対話的で深い学びで身につける力は,社会で生きていく力,社会を切り拓く力につながります。 学びのスタイル,手法は多様です。タブレットiPadはよく活用します。調べたり,考えをまとめたり,意見を書き込んだり,画像や映像を使って発表したり。しかしタブレットOnlyではなく,プリントを活用することもあります。一人一人で考える,グループで対話して考える,教室とは違う場所で学ぶ,外部から講師をお招きする,大学や企業,地域,行政機関と連携して学ぶなど,学びの幅がぐっと広がります。探究の成果は,市バスの車内アートのように,社会の中で活かされているものもあります。 銅駝へようこそ(15)本校の美術工芸科の学び−9
●普通教科
専門学科を設置している学校ですが,もちろん普通教科・科目もカリキュラムに設定されています。国語・社会・数学・理科・保健体育・英語・情報・家庭の各教科の様々な科目を学習します。 中学校で学習した内容をさらに深く,高度にした科目や,高校になって初めて学習する科目もあります。ICT機器を活用したり,グループワーク,発表なども採り入れて主体的,対話的な学びを進めています。 普通教科では,単に知識を習得するのではなく,ものの見方や考え方をしっかり学びます。予習や復習にしっかり取り組みながら学校での学習をしていくことが大切です。 銅駝へようこそ(14)本校の美術工芸科の学び−8
●演習系の科目「表現演習」3年
「表現演習」は、1年次「表現基礎1」2年次「表現基礎2」で培った基礎実技力をもとに、進路志望先に応じた講座で、大学の実技試験に対応できる応用力を育成する科目です。 この科目で身につけた力は、単に大学入試のためだけではなく、将来の制作活動・表現活動につながる実技力となります。京都市立芸術大学、国公立大学、私立大学、関東私立大学、専門学校、就職などの進路志望先に応じた講座に分かれ、少人数で、丁寧な指導を行います。 銅駝へようこそ(13)本校の美術工芸科の学び−7
●3年生アートフロンティアコース 「実習A」「実習B」
3年生アートフロンティアコースだけに設定されている実習が,前期の「実習A」後期の「実習B」です。 この科目は、8つの専攻分野を超えて、多様な表現方法を学ぶ講座で、前期・後期4つの講座が開講され、生徒が選択して学びます。本校教員が担当する講座もあれば、非常勤講師を招いて指導していただく講座もあります。 近年開講された講座には次のようなものがあります。 「似顔絵イラスト講座」「ステンドグラス講座」「版画・製本講座」 「板に描く人物」「「空間表現」「パフォーミングアーツ」 「木版画」「こだわりの陶芸」「クラフト工芸」」「アートブック」 「銅版画、油彩画模写」「金継ぎ・螺鈿(らでん)制作」 「マンガ・イラスト創作」「アニメーション」「デジタルものづくり」 ※写真上 実習A作品展 下 実習B作品展 銅駝へようこそ(12)本校の美術工芸科の学び−6
●2年・3年 専攻実習 「実習1」「実習2」「実習3」
2年生から始まる「専攻実習」は,本校の美術専門科目の中でも多くの時間数が設定されています。2年生の「実習1」は週6時間、3年生の「実習2」は前期8時間設定されています。制作のための技術だけでなく,ものの見方,考え方,表現の仕方,鑑賞の仕方,美術史など多様な角度から学びます。 8つの専攻ごとに1年生(造形表現の授業で使用)・2年生・3年生の実習室があり,一人ひとりの制作スペースが確保されています。 2年生も3年生も,実習で制作した作品を秋の美工作品展で発表します。悩み,苦労しながらそれぞれの力を出し尽くした作品を,大きな会場に展示し,多くの方に鑑賞してもらえることは将来への大きな糧となります。 3年生の美工作品展が終了し,後期に入るとアートパイオニアコースの生徒は「実習」の授業がなくなり,普通教科の演習科目の授業があります。アートフロンティアコースでは3年生の後期に「実習3」が設定されており,1月末頃まで数ヶ月,高校生最後の実習の時間が週8時間あります。各専攻とも,各自が設定した自由なテーマで作品を制作し,2月上旬に後期作品展を開催して発表します。 ※写真上 ・日本画分野 ・洋画分野 ・彫刻分野 ・漆芸分野 ・陶芸分野 ・染織分野 ・デザイン分野 ・ファッションアート分野 ※写真下 ・昨年度の作品展案内ハガキ 美工作品展 後期作品展 |
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