京都市立学校・幼稚園
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「美術を学ぶ」から「美術で学ぶ」学校へ。美工(美術工芸高校)は、生徒たちに未来必要な力を身に付けさせる教育活動を展開しています。

校長室ウェブログ 11月11日 「凸凹」

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後期始業式にあたって
                    
              凸 凹

 2018年度後期が今日からはじまります。

 先日開催した「第39回美工作品展・3年生展」は、4日間で約4000人の方々に来場していただき無事終了しました。来場された皆さんは作品展を高く評価してくださり、また制作した3年生、指導していただいた先生、そして銅駝という学校を褒めてくださいました。私はこの学校で働く教員の一人としてとてもうれしく、誇らしく思いました。お疲れ様でした。

 私は始業式に、学校は単なる入れものではなく生き物のようなものである。だから「鼓動」「体温」「息づかい」が感じられるところでなければならないと言いました。4月から今日まで、皆さんと教職員とで、昨年度とは異なる「鼓動」「体温」「息づかい」のある学校にしてこれたのではないかと私自身は思っています。もう少し丁寧に見てみると、ひとは、日々同じ調子で過ごすことはできません。前へ被さるような勢いのときもあれば、心や体を維持することがしんどいようなときもあったかもしれません。また心と体のバランスがとりにくいときもあったでしょう。人と同じ活動をする場面でも、ある人には平らな道を歩くように感じられても、ある人には角度の急な階段を上るように感じることもあります。人の心や体のあり様は多様で、どれが正しいとか優れているとか簡単に評価できるものではありません。

 自分のこと、まわりの人のことを、今一度振り返ってください。人はそれぞれ個性や特性があり、真っ平らであったりツルンとしている人はいません。みんなそれぞれ凸凹があって、集団としても凸凹があって当たり前です。凸凹は単にプラスとマイナス、いいところと悪いところという意味でありません。学校はそういう凸凹のある多様な人々が生活する場です。それで普通です。もっと言えば、凸凹はずっと同じ形のままではなく変化するものです。その変化をつくり出すのが学校だと思います。私はこんな人間、あの人は〇〇なタイプ、おもしろい、つまらない、将来役に立つとか立たないとか、そんな簡単に区別できるのか、区別していいのか、そういうことをもう一度考えてほしいと思います。

 美工作品展で、好きと嫌い、白と黒というような単純な二項対立で物をとらえることに問いを立て、その間にあるものについて考えたという作品がありました。もともと橋の下は汚いと思っていたけれどもその場に行って美しいと感じて絵を描いたという作品もありました。美工作品展中に、3年生の語る言葉にしばしば心を動かされました。それは作品の制作者として、丁寧にものを観察し、全身で感じ、深く考察して表現してきた人の言葉だからだと思います。私は、ありきたりのものの見方や感じ方に寄りかからない、銅駝の生徒の観察力、感性、考察力を信じ期待しています。これまで簡単に評価したり、レッテルを貼ったりしていたことを、後期は一度リセットして、皆さんの素晴らしい、観る力、感じる力、考える力を使って物事を捉え直してください。そこから新しい力や可能性が生まれるはずです。

 2018年10月11日
                      校長  吉田 功

10月11日(木) 校長室ウェブログの記事を更新しました

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 10月11日(木)校長室ウェブログの記事を更新しました。

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校長室ウェブログ 10月1日 「制作を支えるもの」

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前期終業式にあたって
          
             制作を支えるもの

 新入生を迎え新しい教職員を迎えてスタートした2018年度の銅駝。前半の6ヶ月が修了しました。前期の終わり、美工作品展直前にあたり話をします。

 昨日から本日未明にかけて台風が通過しました。今日も列車の遅延でまだ登校できない生徒がいます。前期は例年になく、地震や、台風、大雨など自然災害に見舞われることが多くありました。皆さんの家庭でも被害があった人がいると聞いています。亡くなられた方々、ケガをされた方、家や学校で普通の生活ができなくなった人が多くいます。心よりお見舞いしたいと思います。

 西日本豪雨があったとき、被害の大きかった広島のある高校の生徒の記事を見ました。県立安芸南高校のサッカー部の生徒が、災害直後、自分たちにできることはないかと考え、最初は仲間4人に声をかけ、そのあとグループラインで部員を集め、土砂のかき出し、ゴミの片付けなど、ボランティア活動をしました。「持ち物は軍手とスコップ」「来られる時間に来てください」。この呼びかけはサッカー部以外の生徒にも広がり40名くらい集まったそうです。SNSで被害状況を入手しながら一カ所に偏らないようにひとの振り分けをして4日間頑張ったそうです。顧問から言われたのではなく、自分たちでSNSという便利で使い慣れたツールを使った高校生らしい活動でした。このサッカー部では、日頃トップダウンで指示を出すのではなく、自分たちで主体的に考えるボトムアップ型のクラブ運営をしているそうです。そして部員たちは靴やバッグをまるで美しい絵画のごとく整理整頓する。道具を大事にする心や整理整頓をするスキルがないと、自分の感情を整え戦術を考える力が育たないからだそうです。

 私は、高校時代に剣道部に所属していました。剣道も他のスポーツと同様礼儀を重んじます。礼に始まり礼に終わる。練習の場である体育館に入るときと出るときにも礼をしました。剣道をする場への感謝を込めて礼をしました。体育館は複数のクラブが使うので割当制で、毎日当たり前のように好きな時間に練習ができるわけではありません。練習の時間と場所があることへの感謝を大切にするように教えられました。剣道で使う防具も大事にしました。自分のする活動は自分の熱意とエネルギーだけでできるわけではありません。それを支える多くのものを大切にし、感謝することを忘れてはなりません。

 さて、美工作品展直前となりました。苦労を重ねながら精一杯作品制作に取り組んできたと思います。作品を創るためには皆さんの熱意とエネルギーさえあれば制作できるわけではありません。制作する場所、制作する時間、制作するための道具や材料が必要です。例えば「水」がなければ成立しない作品がたくさんあるでしょう。学校の水は大切にされていますか、実習室の環境は整理整頓され大切に維持されていますか。作品制作のために欠かせない場所や時間、道具や材料が「ある」ということに感謝しなければなりません。そしてそれを丁寧に使い整える主体的な態度が必要です。スポーツの世界でも文化・芸術の世界でも自分のやりたいことができる、やらせてもらったことへの感謝と支えてもらったものへのリスペクトが大事です。スポーツの世界で、試合の前後には大きく声を揃えて礼をしながらスポーツ以外の場面ではまともに挨拶もせず横着をする人がいる、という話を聞くこともあります。自分の頭と心で考え、主体的に行動しないとその様になります。

 今年度の美工作品展は、会場の都合で2つの時期に分けての開催となりましたが、皆さんの作品と出会えることを楽しみにしています。その作品と出会う時には、私自身も、制作を支えた場所や時間、道具や材料をリスペクトし鑑賞したいと思っています。多くの市民の方々も多数来場してくださる伝統ある美工作品展。まず主催者である銅駝の一人一人が、作品展を開催できること、そして観覧していただけることに感謝し礼儀を尽くすことが大切です。作品制作を支えてもらった人やもの、場所、時間に感謝と敬意の気持ちをもち、立派に成功させましょう。

2018年10月1日 前期終業式
                       校長  吉田 功

10月1日(月) 校長室ウェブログの記事を更新しました

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 10月1日(月)校長室ウェブログの記事を更新しました。

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