最新更新日:2024/04/27 | |
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10月4日 校長室ウェブログの記事を更新しました
校長室ウェブログの記事を更新しましたのでご覧ください。
10月4日記事 「観る 感じる 考える 表現する 〜第38回美工作品展を前に〜」 こちらから→https://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?... 校長室ウェブログ(10月4日) 観る 感じる 考える 表現する
観る 感じる 考える 表現する
〜第38回美工作品展を前に〜 10月になりました。今年の中秋の名月は10月4日、美しい月を眺められるのを楽しみにしています。最近は街中が夜でもどんどん明るくなってきていますが、この明かりがなければ、もっと異なった月の美しさを感じられるのでしょう。以前屋久島に行ったときに、森のナイトツアーを経験しました。足下を懐中電灯で照らしながら森の中へ入っていって、懐中電灯を消すと漆黒の世界。しかし、数分間目を閉じてゆっくり目を開けると、森の中の木々がしっかり見えるのです。ガイドさんは、人間は昔、夜でも“もの”をとらえる目をもっていたが、あかりを使う生活が当たり前になって「野生の目」が衰えてきた、と話されました。「明るいところでものを見る」「暗ければ明かりをつけて見る」そんなことを常識として疑わないでいると、夜の森の樹の美しさ、神秘さは感じられません。「観る」ということをよりこだわって考えるようになったのは美術の学校、銅駝に来てからです。 私はいつも鴨川沿いか、高瀬川沿いをあるいて朝7時半過ぎに出勤します。実習棟、記念棟をみて本館へ到着。ときどきグラウンドへ出て、東山を観たり、逆にグラウンド東側から本館を眺めます。当たり前ですが、毎日感じるものは違いますし、去年と同じ季節が巡ってきても感じることは違います。夜、退校するときの校舎の姿はまた味わいがあります。一日を終えた学校の姿です。様々な場面で「観る」こと「感じる」ことの、深さや幅広さを意識します。 私は、幼い頃から「青」色が好きで、衣服も小物も結果的に青ばかりになるのですが、「青」が自分の心を動かす、作用する感覚は、この学校に着任してから少し変わったような気がします。それはやはり、生徒が制作した作品で多様な「青」を見てきたからだと思います。もっと言えば、あまり好まなかった赤色や黒色のイメージも変わりました。生徒の作品に見える赤や黒を美しいと感じるようになったのです。観ることの大切さ、感じることの深さ、制作において考えることの重さ、表現の仕方の幅広さ、そういうことを教えてもらったのは、この学校であり、生徒の制作の姿、表現された作品のおかげです。 今年、デザイン専攻の生徒が制作した手描きのリアルなトラのイラストを全面に使い、学校のポスターを作成しました。ポスターに掲げた言葉は「とことん深く、幅広く」です。専門学科の高校は、特定の分野だけをただただ学ぶのではない、深さと幅広さを土台にした専門性を学ぶ、本校はそういう美術の専門高校です。美術の専門高校でたゆまず行っている「観る」「感じる」「考える」「表現する」ことは、人が生きていく上で重要な営みです。問いに対して膨大な情報を元に計算処理して最適解を見つける、そんな技術が発達しても、「観る」「感じる」「考える」「表現する」そういうことを丁寧に重ねていくことは、よりよく生きる、社会をより豊かにするためになくてはならないものだと考えます。 そのような営みの中で制作された生徒の作品が、まもなく美工作品展に出品されます。生徒の自己表現の一つの到達点を多くの方々にご観覧いただけることをありがたく思っています。そして、作品が多くの方々の心を揺さぶることを願っています。 2017年10月4日(前期終業式の日に) 校長 吉田 功 |
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