京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/14
本日:count up7
昨日:349
総数:870333
文字: 大きく | 小さく | 標準 配色: 通常 | 白地 | 黒地
ハートフルマーク
「美術を学ぶ」から「美術で学ぶ」学校へ。美工(美術工芸高校)は、生徒たちに未来必要な力を身に付けさせる教育活動を展開しています。

(アーカイブ2016年2月2日) ことば 〜とどく、とどける〜

画像1
 4月に着任してから、様々な場面で挨拶をすることが格段に多くなりました。そして様々な印刷物に掲載する文章の依頼も相当ありました。何を話そうか、どのように話そうか、何を書こうか、何と書こうか、頭をぐるぐるさせる日常があります。やはり一番気がかりなのは、その話、その言葉が、相手に「とどく」のか、ということです。『図書館ニュース』に「ことばの力」という文章を書きました。言葉のもつ力を大切にするということを伝えたかったのですが、その私の文章で本当に読み手に「とどける」ことができたのか。

 スマートフォンがごく身近にある社会になって、メールよりもLINEでつながるのが普通だそうです。大阪府立旭高校の生徒が、先生や保護者、大人にLINEを教え、LINEについて共に考えようと活動をし、その取り組みを本にまとめました。(『高校生が教える先生・保護者のためのLINE教室』学事出版)。その本によると高校生がLINEを使うのは「操作が簡単・早い、気軽に使える、履歴が見やすい、グループトークができる、既読機能が便利」などの理由だそうです。しかし、「既読」機能に振り回されたり、ブロック機能が排除やいじめにつながったりということも一方で起こっています。LINEは本当に伝えたいことを「とどける」ことができているのか。旭高校の生徒はこの活動を進める中で、1日の使用時間を決める、友達やグループ内でもルールをつくる、本当に伝えたいことは直接言う、返事が遅くても催促しない、というような「私たちのLINEルール」をまとめました。高校生自身の主体的な取り組みに敬服します。本校でも今年度、生徒会の中に「情報モラル特別委員会」という委員会を設置して生徒たち自身が取り組みを始めています。大いに期待しています。

 「直接言う」ことは大切。では、先生と生徒、先生と保護者、生徒と生徒、生徒と保護者が直接向き合う場面で、発せられたことばはきちんと相手に「とどいている」のか、もう一度この点にこだわってみたいと思います。結果として自己の思いを説明しただけ、言いたいことを投げただけになっていないか、使う言葉や、語調、表情、タイミングによってことばは姿を変えます。ことばの「キャッチボール」ができるのが一番ですが、ことばの「打ちっぱなし」、時には、ことばの「ドッジボール」になっていないか。はたまた、ことばが「漂う音、通り過ぎる音」になってしまっていないか。気楽な会話、場を和ませることば遊びは人間関係の潤滑油として必要だと思います。しかし、伝えたいことがある時、わかってほしいことがある時は、話す内容、話し方、話す表情をよく工夫し、ことばの力を大事に使うことで、思いを確かに「とどける」ことができるのだと思います。以前、ろうあ者の人と手話でやり取りする際、「音がない」状況であっても指や手や表情で豊かに思いが相手に「とどく」ということを経験しました。

 便利な機器の発達で、細切れの短い言葉を気軽に行き来させ、用を足せる時代ではありますが、日常の中で、ことばが「とどく」ということを、意識して考えていきたいと思います。

2016年2月2日
                    校長 吉田 功

(アーカイブ2016年1月27日)冬青空

画像1
 暖冬だと言われて、正月も比較的穏やかな天候でしたが、先週日本列島は、厳しい寒気に見舞われ、京都も今冬初めての積雪となりました。九州でも相当な降雪があり、鹿児島県奄美大島でも115年ぶりの霙(みぞれ)を観測。前回は1901年(明治34年)ということで、一生に一度経験するかどうかという稀なことが起こったということになります。沖縄本島でも観測史上初の霙(みぞれ)で、ストーブが売り切れるとかコンビニエンスストアでおでんや肉まんがよく売れたとか、沖縄のイメージからほど遠い現象となりました。

 京都ではそのあとも厳しい寒さが続いており、いわゆる盆地特有の「京都の底冷え」になっています。寒いというより冷たい。本校は自由服なので、生徒の服装に日々の気温の変化がよく表れています。冬の晴れた朝は、特に底冷えが厳しいと言われ天気は良いものの冷たさに歯を食いしばって耐えながら登校しなければなりません。

 俳句に「冬青空」という季語があります。「青空」はどの季節でも見られますが、わざわざ季語になっているのは、冬の青空の澄みきった鮮やかさ、鋭さ、厳しさのようなものが他の季節にはない冬ならではのものであるからでしょう。痛いほどの冷たさを身体感覚としてもちながら、キレのある青色の爽快感、新鮮さ、美しさ、また寂しさ、孤独感、無垢な感じ、無からものが生みだされる予兆のようなものを感じます。

 3年生は28日から最後の学年末考査。進路目標に向かって私立大学一般入試、国公立大学二次試験に臨む生徒が多くいます。「冬青空」の鮮やかさと厳しさと孤独感。見方を変えれば、この季節の空の美しい青色は、底冷えの京都から、希望をもって次の扉を開けにいく高校生へのエールかも知れません。

 2016年1月27日
                  校長 吉田 功


(アーカイブ2016年1月20日)眠りの大切さ

画像1
 いよいよ本格的な受験シーズンになりました。昨年12月に、京都市学校保健会中京支部研修会が開催され講演を聴きました。「眠りは脳を創り脳を育てる〜学びの力と睡眠について」というテーマで、睡眠学がご専門の滋賀医科大学特任教授の宮崎総一郎先生のお話でした。

 統計でみると日本人の睡眠時間は近年どんどん短くなってきて、他国と比較しても非常に低い水準にあるそうです。小学生から高校生へ年代が上がるにつて睡眠不足を感じている度合いが高くなっています。「眠い」「なかなか寝付けなかった」「だるい」「しんどい」、学校でもよく聞く言葉です。大切なのは「早寝・早起き」というより「早起き・早寝」だそうです。ヒトのからだには元々ぐっすり眠るためのしくみが備わっているのに、そのしくみを壊す生活習慣が体の不調を引き起こしているのだそうです。ヒトは朝起きた時刻から約15時間ほどで眠くなる、眠りためのホルモン「メラトニン」も朝の光を浴びて約15時間後に増えてくる。「メラトニンの分泌」が「眠くなる」のを阻害するのが、強い光。眠る直前にテレビ、パソコン、スマートフォンをしたり部屋が明るすぎると「眠り」が邪魔されます。朝食に「トリプトファン」を多く含んだ食事を食べて朝の光に30分以上あたると、元気のホルモン「セロトニン」になり、それが夜になると「メラトニン」に変わる。「トリプトファン」を含む食物、卵・肉・納豆・魚・干物それらを3品目以上摂るのがお勧めだそうです。

 記憶と睡眠の関係を調べた研究によれば、学習した後睡眠をとったグループととらなかったグループを比較すると、勉強した後早めに睡眠をとった方が、記憶の定着率がよかったそうです。結局、体調にとっても学習にとってもいい結果を生むのは、早起きをして太陽の光を浴びて朝食を摂る、夜勉強した後は部屋の明かりを落とし、テレビやスマートフォンなどをせず早めに就寝すること、ということです。学校へ来てもトロ〜ンと眠気に襲われている人、ここらで改善しませんか。眠くなったら午後3時ごろまでに10程度の昼寝をするいいそうです。「授業中に昼寝」はまずいですよね。銅駝生なら、5限目終了後6限目開始までに机にうつぶせに、というのがナイスでしょうか。

 「上手な睡眠で勉強バッチリ、点数アップで入試を突破!」受験生にとって大切なアドバイスです。たいへん勉強になった研修会でしたが、つらつら書いたこの内容、まずは私自身も実践しなければ。


 2016年1月20日
                       校長 吉田 功

(アーカイブ)2016年1月16日)大学入試センター試験に向けて

画像1
いよいよ明日より2日間大学入試センター試験。今年の受験者は、56万3768名で前年度比4636名増と発表されています。本校からも6割近くの生徒が受験します。

 振り返ってみると、大学入試センター試験の前身にあたる大学共通一次学力試験が初めて導入されたのは、1979年度入試、今から37年前のことです。私はその年、高校3年生で、「共通一次元年」最初の受験生となりました。当時はすべての受験生が「5教科7科目」を受験しなければならず、理科と社会科も2科目ずつ、特に文系の私にとっては数学に加えて理科2科目の負担は相当なものでした。模擬試験の結果も芳しくなかった私は、1月の共通一次試験、3月の二次試験という、とてつもない大きな壁が2つも立ちはだかり、それをいかにして打ち砕くか、というような圧迫感と追い詰められた気持ちがありました。

 以前読んだ本に、厳しい局面に立った時、目の前に大きな「壁」が立ちはだかっていると思うのではなく、次のステージ、次の段階に行く「扉」だと思って自分の力でその扉を開けに行こう、と書いてありました。自分が高校生の時にはなかなかそのような考え方にはなれませんでしたが、37年経って、今の高校生にはぜひそういう捉え方で、自分を信じて、自分の力を尽くしてほしいと思っています。

 センター直前の校内説明会では、校長としてそのように応援のメッセージを送り激励しました。今年度4月からの様々な学校の姿を動画にして3年生に見せたのは、これまでの悩みや苦しみ、頑張りや周りからの励ましを思い出して、不安を抑え挑戦する勇気をもって臨んでほしいからです。私からのメッセージにぴったりの『扉』(アーティストGReeeeN)の曲を聴いてもらって気持ちを高めてもらいました。

 私が受験した「大学共通一次学力試験」は、1990年から「大学入試センター試験」となり、2006年にはリスニングが導入されました。大学入試はその時々の時代や社会情勢、教育の在り方を反映してきましたが、現在は高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の三位一体改革のため、高大接続改革実行プランの策定が進められています。ここ数年の間に大学入試センター試験に変わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」と、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」が実施される計画となっています。これからの社会を担う世代に求められる力、キャリア発達、学校での教育内容と方法などについて十分な検討と見極めを行い、入試が単なる“選別”の道具とならないようにしなければなりません。

 すでに卒業後の進路が決定している生徒も、これからが入試本番の生徒も、それぞれの、目の前の「扉」を開け、次のステージへ確かな一歩を踏み入れる姿を最後まで見守りたいと思っています。

 2016年(平成28)年1月15日  校長 吉田 功

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
行事予定
9/1 1年スタディーサポート
9/2 2年実技模試
9/4 3年センター試験説明会(放課後)

学校評価

スクールガイダンス

教育課程

使用教科書副読本

お知らせ

書式ダウンロード

学校経営方針

学校いじめ防止基本方針

生徒用iPad利用規程

京都市立美術工芸高等学校
〒600-8202
京都市下京区川端町15
TEL:075-585-4666
FAX:075-341-7006
E-mail: bijyutukougei@edu.city.kyoto.jp