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(アーカイブ2016年11月21日) 未来をひらく学び
11月19日(土)、「第14回S&Eフォーラム」が開催され、本校も発表生徒と見学生徒9名が参加しました。このフォーラムは、高等学校コンソーシアム京都と洛南ライオンズクラブの共催で開催されたもので、高校生と企業経営者、人事担当の方々が一堂に会し、特に専門学科、専門コースの生徒が日頃の課題研究の成果を発表し、午後は高校生と企業の方と懇談をしてキャリア意識の向上を図る企画です。
今回の発表は、市立高校では、銅駝美術工芸高校(京の美を探る〜明治建築に見る美と価値)の他に、日吉ケ丘高校(私たち日吉ケ丘高校国際コミュニケーションコースです)、伏見工業高校(空間情報技術を活用した伏見工業高校における3D-VRの構築)、洛陽工業高校(小学生に教えるプログラミング教室)、そして府立高校では、田辺高校(田辺高校自動車部の取組)、南丹高校(総合学科テクニカル工学系列の取組)、桂高校(極太九条ネギを未来へ〜新たな機能性の発掘へ)、北桑田高校(木でつなぐ)、そして昨年度に続いて今回も市立大原中学校(大原に移動動物園を/1Dayライブラリー/大原八朔踊り)が参加しました。タイトルからもわかるように、高校は専門分野の発表が中心で全く異なる専門分野で学ぶ生徒が聴いて興味をもつのだろうかと思われがちですが、実際は全く逆。どの発表も参加者を引きつける興味深い内容でした。 各学校の取り組みで注目すべきは、まず、企業やNPO法人、行政機関、諸施設、イベント実行委員会など、学校外の人々とつながり、そのつながりの中で調査、聞き取りし、またヒントや支援をもらいながら研究課題を深め、解決の糸口を見出そうとしたこと。2つ目には、取り組みの途中でうまくいかなかったり、予想と異なったりしたときに、解決のために修正したり立ち止まって別の方法を考えたこと。3つ目には、取り組んだ成果を自分たちだけにとどめず、地域の小学生、中学生に体験の機会をつくったり、イベントで記念グッズにしたり、試食してもらったり、施設と共同で開発したり、またコンテストや大会に挑戦したりしたこと。さらに今回特筆すべきは、発表の後、参加している高校生から積極的な質問が出され、鋭い質問にも発表者が精いっぱい答えていた姿です。驚きや気づき、もっと聞きたいという気持ちになる発表ばかりで、発表が終わるたびに、大きな称賛の拍手が贈られました。 美術工芸を専門に学ぶ本校の生徒も、普段仲間と学んでいる分野とは別世界の話を聴けて大いに刺激になったようです。本校の発表、総合的な学習の時間「美術探求」は、「作品との対面力を養う」というねらいがあります。「表現者としての自己」と向き合い「表現するとは何か」「美とは何か」という“答えのない問い”に向かい続ける学びを進めています。本校の発表の後、他校の高校生から「グループで学習するときは、話し合って1つの答えを見つける、答えに到達することが目標なのに、答えのない問いに向かうというのはどういうことか」という鋭い質問がありました。本校生徒の答えは、「美術を学ぶ私たちは作品を制作するが、作品の制作にはこれが正解という答えがない。美とは何か、自分が何に美の価値を見出すかということを一人一人が出し合うことに学びの意義がある」、と。秀逸でした。 このフォーラムで生徒たちが見せた学びの姿は、まさしく21世紀に生きていく上で必要な「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」。多様な専門分野の学びを貫く、普遍的に大切なもの再認識するフォーラムでした。 2016年11月21日 校長 吉田 功 |
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