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最新更新日:2025/04/29 |
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後期終業式〈校長メッセージ〉![]() 本日は後期の終業式です。この学期を振り返り、皆さんが学校生活の中で一生懸命に努力し、それぞれの目標に向かって成長を遂げてきたことに、私たち教職員は心から感謝してエールを贈ります。 生徒の皆さんは、この1年間、その成長を見守り支えてくれた保護者をはじめ、学びを支援した教職員や関係の方に感謝の言葉を掛けて欲しいと思います。感謝する気持ちや行動は、夢や希望を達成するための必要アイテムであり、かつ人格を高みに引き上げてくれるものです。どうかそのことを心に留めておいてください。 ここで、皆さんに「星を掴もうとする少年」の寓話をお話しします。この物語を知っている人もいるかもしれません。 ある少年が、夜空を見上げて「星を掴みたい」と強く願いました。周囲の人たちは「そんなことは無理だ」と笑いましたが、少年は諦めませんでした。毎晩、星を掴む方法を考え、小さな努力を積み重ねました。その結果、やがて彼は科学者となり、宇宙について研究することで、星に関する多くの発見を成し遂げました。少年が実際に星を掴むことはできませんでしたが、その夢を持ち続けたことで、自分の人生を大きく切り開き、世界に貢献する成果を残したのです。 この寓話を思い起こさせるような方々が、現代にもいます。例えば、大谷翔平さんは「二刀流」という前例のない挑戦に取り組み、膨大な努力を積み重ねることで、今では世界で活躍しています。また、ソフトバンクの孫正義さんは、リスクを恐れずに次々と新しい事業に挑み、困難を乗り越えながら成功をつかみました。どちらも、自分の夢を信じ、小さな努力を積み重ねた結果、大きな成果を成し遂げたのです。 皆さんは、美術工芸高校の生徒として、毎日の学びの中で「創作活動」を行なっています。その中で様々なことを考え、夢や目標がきっと形になってきているのではないでしょうか。時には、他者から見れば途方もない夢物語に近い夢を抱くかもしれません。だからと言ってそこで諦めては、全てが終わってしまいます。時には「無謀」と言われようが笑われようが、自分を信じて努力し続ける強さを持っても良いのではないでしょうか。 私も若い頃から50代までの夢は「人の人生を変えられるような作品を描く日本画家になる」ことでした。暑い日も寒い日も時間を見つけてはスケッチをし、展覧会に挑戦し続けました。結果としてその夢は、今の段階では叶えられていませんが、これまでの努力を通じて得た経験や視点は、今の仕事や人生に確かな意味を持っています。皆さんにも、どんな夢であれ、それを信じ、努力し続けてほしいと思います。時には無謀だと思われることでも、挑戦し続ける中で得られるものが必ずあると信じています。 話は変わりますが、後期始業式の式辞で、「多様性と包摂性の重要性」と「礼儀や思いやりの大切さ」という2つのテーマについて、私のメッセージを副校長より伝えてもらいました。覚えていただいていますか。この2つは、皆さんがこれから社会に出ていく中で欠かせない力であり、人として成長するために非常に重要な要素です。この学期の中で、これらを意識した行動ができたでしょうか。 例えば、多様性を尊重するということ。日々の学校生活では、皆さんそれぞれが異なる価値観や考え方を持つ友人や教職員と接してきたことと思います。その中で、自分とは異なる意見に出会った時、それを否定せず、むしろ学びの機会として受け止めることができたでしょうか。意見がぶつかり合う場面もあったかもしれませんが、それを通じてお互いを理解し、より良い関係を築く努力ができたとしたら、それは大きな成長です。 また、礼儀や思いやりについても、日々の挨拶やちょっとした心遣いの中で実践できた場面があったと思います。登校時や下校時に交わす挨拶、トイレのスリッパを揃える小さな行動。これらは一見些細なことのように思えるかもしれませんが、学校全体の雰囲気を大きく変える力を持っています。この学期を通じて、少しずつではありますが、皆さんの中にそうした意識が広がりつつあることを感じています。 このような日々の積み重ねが、自分自身の成長につながるだけでなく、周りの人々との関係を豊かにし、学校全体をより良い場所にしていきます。そして何より、自分自身の行動に責任を持つことで、皆さんの心はさらに磨かれ、より高い目標や夢の実現に向かう環境が生まれるのです。 明日から春休みが始まります。そして4月には新入生が入学してきます。皆さんはそれぞれに学年が上がり、上級生になります。そのことを自分自身でしっかり受け止め、春休みを有効に過ごしてください。春休みは、自分のこれまでの行動や学びを振り返り、次の学年に向けた新しい目標を立てる絶好の機会です。これまでの努力や成果をしっかりと整理し、「自分はどこが成長したのか」「次は何を目指すべきか」を考えてみてください。そして、新たな学びや挑戦の準備を進めてください。 寓話が示すように、大きな夢や目標も、小さな努力の積み重ねから生まれます。どんなに高く遠い目標であっても、それに向かって一歩ずつ進み続けてください。その一歩一歩が、皆さん自身を成長させ、未来を切り拓く力となるはずです。 それでは、皆さんが安全で有意義な春休みを過ごし、また元気な姿で新学期を迎えることを楽しみにしています。 また、お会いしましょう。 令和7年3月19日 校長 名和野新吾 |
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