京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/05/01
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「美術を学ぶ」から「美術で学ぶ」学校へ。美工(美術工芸高校)は、生徒たちに未来必要な力を身に付けさせる教育活動を展開しています。

平成28年度 第37回入学式 校長式辞

               式辞
  
 鴨川の水音があかるくなり、河畔の桜が今を盛りに咲き誇る今日の佳き日、京都市教育委員会をはじめ、PTA役員の皆様、本校にご支援をいただいております交友会、京都パレスライオンズクラブ、銅駝自治連合会のご来賓の皆様、そして多数ご保護者の皆様のご臨席を賜り、平成28年度京都市立銅駝美術工芸高等学校、第37回入学式を挙行できますことは、誠に大きな喜びであり、本校教職員を代表いたしまして、心よりお礼申し上げます。

 ただ今、90名の新入生の入学を許可いたしました。まずは、新入生の皆さん、ご入学、おめでとうございます。教職員一同皆さんを、大切にお迎えしたいと思います。

 保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。お子様のご入学を心よりお祝いいたします。これからの3年間、教職員一同、力を尽くして、お子様の成長を支援してまいります。ご理解、ご協力を賜わりますようお願い申し上げます。

 本校は、明治13年、1880年に、日本最初の画学校「京都府画学校」として創立され今年で136年、美術工芸科単独の高校として長い歴史と深い伝統をもつ学校であり、本校を卒業された諸先輩方は、美術界、産業界ほか、各方面で活躍されておられます。この歴史と伝統は、本校の生徒が、志高く意欲をもった旺盛な学びを続けてきたこと、そして情熱をもってその成長を支援し、導いてきた教職員の教育の営みがあったからであり、さらに、保護者の皆様、地域・関係団体の方々、諸先輩方のあたたかいご理解とご協力があったからこそであります。

 皆さんは、本日、晴れてこの歴史と伝統のある学校の生徒になりました。銅駝美術工芸高校の生徒としてしっかりとした自覚と誇りをもって、新たな歴史を築いてほしいと思います。高校生活は、社会で自立して生きていく大人になる準備期間です。これまでの義務教育とは異なり、自己選択、自己決定を求められます。また自己理解、他者理解を一層深める時期でもあります。自らを鍛え、他者と言葉を交わし、大人への階段を上って下さい。

 皆さんの新しい始まりの日、校長として2つの「ひらく」ということについてお話しします。
 一つ目は閉じた状態を「ひらく」、「開」(カイ)という字の、「開く」です。皆さんは入学すると、新しい教室の扉を開き、新しい教科書や参考書を開き、画材を開き、授業開きとなります、「開く」ことで新しい活動が始まり、新しいつながりが出来ます。中学校まで、毎年4月にはそのような新鮮な出会いと経験を重ねてきたでしょう。高校に入学した皆さんに、私が特に求めたいことは「自分を開く」ということです。これまでの生活でつながりをもっていたのは、小学校、中学校のある、地元を中心にした限られた範囲だったと思います。その中で、皆さんなりの人間関係をつくり、活動をしてきました。居心地の良い関係ばかりではなく時には辛い、悲しい思いをしたかもしれません。学校では好きな科目、得意な科目に対して、嫌いな科目、苦手な科目もあったでしょう。様々な思い出、様々な経験を抱えてて高校へ入学してきたことと思いますが、一旦それはあなたの体からおろしましょう。大切なことは、忘れるのではなく、おろすのです。なぜなら、そのつながりや出来事がどんな中身であれ、そのことを経験し、悩み、乗り越えて今のあなたが存在するからです。なかったことにせず、その時の自分を否定せず、ここまで成長した今のありのままのあなたをまず大切にしましょう。そして、これまでまったく知らなかった90名の仲間、初めて付き合いが始まる先生や先輩に対して、先入観をもたず、自分を閉ざさず、これまでの自分にこだわらず、自分を開いて接してほしいのです。科目の好き嫌いや、得意不得意もいったんリセットし、興味関心の入口を広げ、新鮮な気持ちで学び始めて下さい。

 そして二つ目の「ひらく」。これは何もない荒れ地を切りひらく、「拓」(タク)という字の「拓く」です。皆さんは、これから銅駝美術工芸高校の生徒として「自分を開く」ことで、人のつながりや知識・教養、ものの見方や考え方、感性やスキル、創造力や表現力を広げることができます。そして、皆さんの心もからだも能力もこれまでよりもっともっとしなやかさや深さ、たくましさをつけることができます。つまり「自分を開く」ことが、これまでの自分を変え、自分を成長させ、「自分の未来を拓く」ことになるのです。
 京都造形芸術大学の千住 博さんは、『わたしが芸術について語るなら』という書物の中で、「芸術とはイマジネーションをコミュニケーションしていくこと」「自分の考えを何とかして伝えたいという行動が生むもの」であるとし、「芸術とふれあって自分と異なる考え方の人を認め、いろいろな意見があるのだなということを知り、しかし私たちは皆同じ人間なのだなということにも気づいて心を通わせる」ことだと述べています。
 美術を学ぶことを志して入学してきた皆さん。本校は美術を学ぶだけでなく、幅広い物事に出会い、仲間や先生と様々なコミュニケーションをとり、自分を高め、「自分の未来を拓く」力を身につける学校です。本校での一日一日が未来のあなたをつくります。

 最後に、谷川俊太郎さんの「明日」という詩を紹介します。

ひとつの小さな約束があるといい
明日に向かって
ノートの片隅に書きとめた時と所
そこで出会う古い友だちの新しい表情

ひとつの小さな予言があるといい
明日を信じて
テレヴィの画面に現れる雲の渦巻き
〈曇のち晴〉天気予報のつつましい口調

ひとつの小さな願いがあるといい
明日を想って
夜の間に支度する心のときめき
もう耳に聞く風のささやき川のせせらぎ

ひとつの小さな夢があるといい
明日のために
くらやみから湧いてくる未知の力が
私たちをまばゆい朝へと開いてくれる

だが明日は明日のままでは
いつまでもひとつの幻
明日は今日になってこそ
生きることができる

ひとつのたしかな今日があるといい
明日に向かって
歩き慣れた細道が地平へと続き
この今日のうちにすでに明日はひそんでいる

 今日から始まる銅駝美術工芸高校での生活。皆さんが、「明日」の自分を思いながら、「今日」を大切に生きる、そのような素晴らしい「今日」を一日一日重ねていってくれることを心より願い、式辞といたします。

平成二十八年四月八日
            京都市立銅駝美術工芸高等学校長  吉田 功

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平成28年度 第37回入学式

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 桜花舞う爽やかな朝、平成28年度第37回入学式を挙行いたしました。

 京都市教育委員会、PTA役員、銅駝自治連合会、京都パレスライオンズクラブのご来賓、並びに多数の保護者のご臨席のもと、厳粛な中、あたたかく新入生90名を迎えました。

写真は玄関前、入学許可、新入生先生の様子です。

平成28年度 学校経営方針

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 平成28年度「学校経営方針」を掲載しました。
 今年度、この学校経営方針に基づき教育活動を進めてまいりますので、ご理解、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

 以下からご覧いただけます。

https://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/files/3004...

入学式 始業式の準備 着々

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 本日6日(水)。鴨川河畔の桜は満開。桜の樹の枝が張り出し、その桜の下を人や自転車が通り抜けていきます。

 8日(金)の入学式、始業式まであと2日です。学校では新入生を迎える準備、新学期を迎える準備を着々と進めています。

 新しい教室、新しい出席簿。新学期のスタートが楽しみです。


新年度 ホームページの更新について

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 いつも銅駝美術工芸高等学校のホームページをご覧いただきありがとうございます。
 
 今年度も、学校の様子など本校の様々な情報を皆様に発信してまいります。新年度にあたり、昨年度までに掲載いたしました記事は移動しております。これまでの記事は、ホームページの左欄「過去の記事」から、または、右上欄のカレンダーよりご覧いただけます。

 また、本校は独自様式のホームページも開設しておりますのでご覧ください。

新年度が始まりました

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             新年度にあたって

 桜花爛漫の中、平成28年度が始まりました。4月8日には新入生を迎え、新年度の学校生活が始まります。新年度にあたり、一言、ご挨拶申し上げます。

 本校は明治13年(1880)年に、日本最初の美術学校「京都府画学校」として創立し、今年度で136年目、日吉ケ丘高等学校美術コースから現在の校地に独立開校して36年目となります。尋常小学校、銅駝中学校の跡地に開校した本校の校舎は、アールデコ様式の重厚で趣のある建物で、本館の廊下や、教室は板張りです。毎年、春季休業中には油引きを行いますので、その直後は独特の匂いがしますが、新学期が始まるころには、それもおさまり、柔らかく光る、艶のある姿になります。廊下や床を歩けば、板張りならではの音がして少々軋むこともありますが、不思議と耳障りではなく、温かみと深みのある余韻が残ります。その余韻は、この廊下、教室を油引きを重ねながら大切に使われてきた学び舎の歴史とともに、児童、生徒、教職員で取り組まれてきた教育の営みの歴史を想いおこさせます。もちろん本校の教育活動は、保護者や卒業生、地域や団体、教育機関、市民のご理解とご支援をいただいてこそ今まで継続してくることができました。あらためて感謝申し上げます。
 国の教育改革においては、この3月末に高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体改革として検討されてきた「高大接続システム改革」の最終報告が発表されました。その中では、教育課程の見直し、学習指導方法の改善、教員の指導力の向上、多面的評価の充実、高等学校基礎学力テスト(仮称)の導入や、大学入学者選抜の改革、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)の導入が示されています。また、アクティブ・ラーニング、ICT機器の活用、グローバル化への対応など社会情勢を踏まえた諸課題について積極的推進が求められているところです。
 本校では、京都市教育委員会の支援のもと、平成26年度に校内WiFi環境の整備、タブレット端末としてiPadを導入し、授業・学習指導方法の改革に取り組んでまいりました。そして平成28年度入学生からは、保護者のご理解を得てiPadを全員購入していただき、生徒自身のタブレットを教具として校内に持ち込む(BYOD=Bring Your Own Device)環境で教育活動を進めることにいたしました。ICT機器を積極的に活用しながら、一方でICT機器だけに振り回されない豊かな授業、効果のある丁寧な指導を、2年生、3年生も含めて進めてまいります。そして歴史と伝統を踏まえ地域との接点を大切にしながら、グローバルな視点で芸術を学ぶ取り組みも進めてまいります。また、障害者に対する「合理的配慮の実施」が明確にされた障害者差別解消法が、4月1日に施行されました。これまでから総合育成支援教育について取り組んでまいりましたが、これを機に研修を深め、学校体制をさらに整備しながら、困りを抱えた生徒への丁寧な指導、支援を進めてまいります。

 平成16年度(2004)年に1科8専攻の美術工芸科への改編という学校改革をして12年が過ぎ、その総括を踏まえ、平成27年度には、これからの本校の在り方を検討しその将来構想をまとめました。歴史と伝統のある美術高校として、未来に向けてさらに飛躍、発展していくために、平成28年度を新しいステージに向かう「改革元年」として、教育活動に力を尽くしてまいります。本校教育に、今後ともご理解、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

平成28年(2016)4月1日
                         校長 吉田 功

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行事予定
5/20 体育祭
5/21 体育祭予備日
5/25 全学年進路ガイダンス
京都市立美術工芸高等学校
〒600-8202
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