京都市立学校・幼稚園
最新更新日:2024/04/26
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令和5年度 卒業式

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< 式 辞 >

 やわらかな春の日差しの中で木々の芽吹きが始まり、春の息吹を感じる今日の佳き日に、京都市教育委員会、学校運営協議会、PTA本部役員をはじめ、ご来賓の皆さま、保護者の皆さまをお迎えして、京都市立京都工学院高等学校 第6回卒業式 を挙行できますことは、卒業生はもとより、在校生や教職員にとりましても大きな喜びであります。
 本日、ご臨席を賜りました皆さま方には、日頃から本校の教育に深いご理解と温かなご支援をいただき、さらには巣立ちゆく卒業生を祝福していただきますことに心より御礼申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与いたしました卒業生の皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます。皆さんは、本校所定の教育課程を修了され、日々の学習はもとより、ホームルーム活動や生徒会活動、部活動などを通して、人間力を磨き、かけがえのない青春の日々を過ごされ、本日、晴れて 卒業の日 を迎えられました。皆さんが本校で培ってこられた、弛まぬ努力と精進に対し、心から賛辞を贈ります。

 皆さんは、高校生活の半分以上を新型コロナウイルス感染症対策で多くの制約を受けながら過ごされました。1・2年生の間は、教育活動にも様々な制約がかかり、学校行事も変更を余儀なくされてきました。マスク着用や黙食の励行、研修旅行の延期・変更等もありました。そして3年生の途中からの制限緩和。コロナに振り回された高校生活であったかと思います。
 この間、学校行事も制限下で行っており、皆さんは本校での文化祭や体育祭のイメージがない中、最高学年である3年生として、学校行事を大いに盛り上げてくれました。皆さん一人一人が、新たなことに挑戦しようとする気持ちを持ち、楽しみながら前向きに取り組んでくれたこその成果です。皆さんの取組が本校の新たな歴史になりました。ありがとう。

 さて、皆さんもご承知のとおり、令和6年は大きな地震と事故という厄災からのスタートとなりました。広範囲にわたって海岸線が様変わりするほどの地殻変動による大災害、滑走路上での飛行機同士の衝突という大惨事等、日常生活の中では思いもしないことが起こってしまいました。被災された皆さまにお悔やみ申し上げるとともに、今なお避難を余儀なくされている方々に一日も早く平穏な生活が戻ることをお祈りいたします。
 これらの災害においても過去の教訓を活かして懸命なる救助作業や支援活動が行われました。124時間ぶりに救出された方がおられたのも、余震がある中あきらめず命を懸けて救出作業をしていただいてこその出来事です。また、燃えている飛行機からの全員の生還は、諸外国からも奇跡と称賛されるほどの脱出劇でしたが、日頃の訓練の賜物であったと 言えるでしょう。有事の際に集団がパニックに陥ると2次災害が起こってしまいます。冷静に職員および乗客が的確な判断をして行動できたことが奇跡を引き寄せたのだと思います。
 人は、経験に基づきその場を判断します。分からないこと知らないことに対応するにも今までの経験から判断するしかありません。災害の発生時は、想定外がつきものです。だからこそ、事前の訓練は大切です。的確な判断を行うためには、経験の積み重ねが重要で、全く同じ場面は訓練できなくても、経験の組み合わせにより新たな対応策を導き出せるものです。

 皆さんは「アイディアをカタチに」を合言葉にプロジェクトゼミ等の専門科目で今までにない新たな価値の創造を実践してきました。新たな価値は、今までの経験値の組み合わせでこそ生まれてくるのだと思います。突然、降って湧いてくるようなものではありません。一人の経験だけで足りなければ、みんなの経験値を結集させ、先人の知恵も借りつつ、新たな価値の創造へ向け、取り組んでこられたことと思います。本校の中核となるSTEAM教育(Science Technology Engineering Arts Mathematicsを関連させて学ぶこと)や本校の教育活動の中で大切にしてきた4つのキーワード「貢献・結集・連携・継続」を具現化したここでの経験は本校卒業生の大きな強みになると思います。高校時代に様々なことに取り組んできた経験が人としての幅を広げ、将来の自分をつくってくれることでしょう。

 さて、ここで卒業生の皆さんに質問です。少し考えてみてください。

 「10年後の今日みなさんは何をしていますか?」
 「28歳の自分はどうなっていると思いますか?」

 この質問は、3年前の入学式で皆さんに投げかけたものと同じです。
 質問を少し変え

 「10年後の未来を予測する方法は、どうすればよいでしょう。」

とも尋ねました。

 その際お話ししたパソコンの父と呼ばれるアラン・ケイ博士の言葉をあらためて紹介します。

 「未来を予測する最善の方法は、それを創り出すことだ。」

 予測しにくい未来社会、どうなるかは解かりません。解らなければそれを自分で創ればよいのです。未来を自分で創ること。これが未来を予測するもっとも簡単な方法なのです。

 現在の自分は、入学時にイメージしていた自分の未来像どおりになっていますか。自分の未来は自分で創る。自分の未来は自分にしか創れません。本日は高校卒業の日ですが、皆さんの新たなステージへの出発点でもあります。自分の将来を創り出すスタートです。将来なりたい自分を想定し、その目標に向かって努力する。高校時代に培った様々な経験を生かし、将来、社会で活躍されることを願っています。

 最後になりましたが、保護者の皆さま、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。担任からの一人一人の呼名に凛として立ち上がるお子さまの姿に感慨もひとしおのことと存じます。高校の三年間、様々な場面においてお子様は悩み、考え、決断してこられました。人は取組や経験を通して成長します。様々な困難を乗り越え成長し、本日晴れて高校卒業の日を迎えられました。教職員一同、心よりお慶びを申し上げます。また、これまでの本校の教育活動にご理解とご協力を賜りましたことに、深く感謝申し上げます。
 法律上は18歳で成年となり、この3月末ですべての卒業生が大人となります。皆さまも保護者ではなくなることとなりますが、今後ともお子様が、自らの未来を切り拓いていけるよう、見守っていただきますようお願いいたします。

 結びに、卒業生の皆さんの前途に幸多かれと祈念して、式辞といたします。

 令和6年3月1日
                        校長 大窪 英行

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